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いいいいいいいいいいいいいい

1912年 2月 4日 フランス パリ


下から大きな声が聞こえる。だがその声が何を言っているか分からない。なぜなら彼の体は地表から60m以上離れているのだから。


「うへぇ。いつのまにこんなに人が集まっているんだ。1000人くらいはいるぞ・・」


そういう彼の名前はフランツ・ラインフェルト。彼は今ここから飛び降りようとしている。


なぜ彼がここから飛び降りようとしていたのか。話は少し前に遡る。


彼は元々このパリで服の仕立て屋として生計を立てていた。妻子はいない。33歳。そんな彼の唯一の趣味といえば当時はまだ未完成だったパラシュートを完璧に作り上げることだった。パラシュートと聞くと飛行機などの非常用に備わってる、と考えるだろうが、その当時はパラシュートは娯楽物として扱われており、軍人などからは白い目で見られていた。実際パラシュートが飛行機で初めて用いられたのは、これまた非常用ではなく特殊部隊が降下作戦として1917年に使われたのが最初である。そのためフランツもパラシュートを娯楽用の為に制作し、これで自分の洋服屋が繁盛すれば、と考えていた。

 

そういうことで2年ほど前から制作を始めていたフランクだが、最近は資金難でパラシュートの実験をすることが困難になっていた。


1912年 1月 28日 パリ シャンデリゼ通り


お世辞にも繁盛しているとは言えないレトロなバーにてフランツが酒を浴びるように飲んでいる。

「ゴクゴクゴクっっはぁ!!やってらんないよこんなことぉ~金もかかるしよ~もう無理だよマスタ~」


「はぁ・・ところでそうやって飲むのはいいですけど昼からずっと飲んでると・・」


「飲んでるとどうなんだよぉ~あ?」


「死にますよ」


「ハっ!!こりゃいいね。俺を殺せるもんなら殺してみろよって話だ。」


「ははははは・・・・(ホントこの人は酒を飲む前と後で人が変わったようになるな。)」


「ゴクゴクゴクゴクっはあ。マスターおかわりー」


その時いつの間にか隣に座っていた好青年が話しかけてきた。

「おお、そこの御仁。飲みっぷりがいいですなあ。お名前は?」


「ん?なんだお前.俺の名前はフランツラインヒェルトだが・・俺の飲み方にいちゃもんでもつける気か?(こいつ何歳だ?すごく若く見えるが・・20歳は超えてそうだが・・24歳?くらいか。服は全体的に安っぽいな。こいつちゃんと金持ってんのか?」


「これは失礼。私は決して邪魔だてをしに来たわけではなく貴方が先ほどマスターに話していたお話に興味があったのです。できれば私にそのことについてお話ししてくれないか、と。」


「ん。おう!!いいぞ!その代わり一杯奢れよ!(ま、いいか。この店にくる奴は基本的に悪い奴はいないからな。俺以外は、だけど)」


「マスターもう一杯頼みます。」


「あいよ」


「それで何を話せばいいんだ?俺は昼からずっとマスターに話しかけててお前が何の話を聞いたのか分からないんだけど」


「ああそれでしたら。趣味でやっているとおっしゃられたパラシュートの話を聞きたいのです。確か1780年くらいに発明され、最近もロシアの発明家が背負い方のパラシュートを発明されていたはずですが、貴方はどのようにして作っているのですか?」


「ほーう。それについて聞いてくるとはお目が高い。それはな。・・・・」


彼は自分が2年間積み重ねてきたものを吐き出すように彼に熱弁した。周りからは段々人が離れていったが、そんなの関係ないといわんばかりに喋った。途中からこの店にいる客は彼とフランツの二人になってしまった。しかし、マスターは彼らを止めない。正確には止められない。なぜなら彼らの間に飛びいるということは1600年に関ケ原の主戦場に投げ込まれることと同義だということをマスターは知っていたからである。そんなわけで彼らの話にはストッパーがかからず、話が終わるころには12時を過ぎていた。いつの間にか、マスターは寝ていた。

「・・・・・・ってわけよ。どうだすごいだろ。・・ん?どうした?」


「・・・・・素晴らしい!!!なんて凄いんだ貴方は!私は貴方のような逸材を探していたんです!!」


「お、おう。そこまでいわれると悪い気はせんな。」


「・・・ん。話終わりましたか。とっくに店は閉店しましたよ。」


「あ、すまんすまんよ。それじゃそろそろ帰るとしますか。」


「いや、別にいいよ。今から店の掃除をするけどそれさえ問題なければ。」


「お・・おおそうか。ありがとうな。(珍しいな。マスターはそこらへんは厳格って有名だったのに)」


「うーーん・・いや本当に凄いですよ!そこでですね。先ほど資金に困ってる、といっていましたよね。それなら私が支援いたしましょう。あ、申し遅れました。俺はこの町の大地主フォルム・アルデヒデの息子のフォルム・アルデヒドと申します。」


「え?まじ?あのドーバー海峡でのでの海運業で名をはせて今はこの土地一帯の所有権を持っているっていう、あの?」


「はい。そうです。その証拠にほら、ここにフォルム家の紋章がありますでしょう。」

彼は襟の裏に縫われていた紋章をみせてきた。その紋章は確かに町の中央でよく見るフォルム家の紋章並びにフォルム社のロゴとそっくり同じだった。


「うわ。本当だ。」


「そ、それじゃなんでそんなぼろっちい服を着てんだ?というかそんな見るからにボロボロな服に紋章をつけているんだ?」


「それはですね。こういうぼろぼろな服を着ないとこのバーと釣り合っていないでしょ。だからここへ来るときは必ずこの服を着てくるんです。この紋章はいざチンピラに絡まれたときにこれを見せるんです。この町でフォルム家に逆らったりしたら生きていけませんからね。基本的には皆怯えて逃げていきます。まあ、当然許しませんけど。」


「はー。そうだったのか。まさか君みたいなお偉いさんがこんな貧相なところにねえ。」


「おい、聞こえてるぞ。フランツ」


「うわ。ばれちまったか。すまんよマスター。この店を今後ともひいきにするから許してくれよ。」


「ははは。私がここに来たわけはですね。ここのマスターは、昔からの知り合いといいますか。深い付き合いでして。今日は久しぶりに顔を出しに来たのです。」


「え?そうなのか?マスター。」


「その通りです。実はこの私がまだ若かりしころアルデヒデ殿の近くで働かせていただきましてなあ。坊ちゃんとも遊ばせていただきましてね。そんな坊ちゃんが私のお酒を飲みに来るようになるなんて感激ですよまったく。」


「いや本当に、小さい頃が懐かしいなあ。ところで御仁、パラシュートの設計はどこまで進んだのですか?」


「おうそれならほぼ完成ってところだぜ!後はパラシュートを支える所の設計さえ上手くいけば完成だ。」


「他に問題点などは?」


「そうだなあ。パラシュートを作動させる部分が時々動かない時があってな。まだ安全には程遠いんだ。ただこれが完成すればパラシュートの歴史は大きく発展するはずなんだ。」


「なるほだフランツさんが行っているのはそこまですごい研究でしたか。いやいや恐れ入ります。それで仮に私が援助するとして完成までにどのくらいかかるでしょうか。」


「ん?そうだなあ。研究費用によってだいぶ変わるが大体頑張っても2,3ヶ月はかかるだろうな。」


「そ、そんなにかかるのですか・・」


「そりゃ、かかるよ。当たり前だ。いいか、少年。研究というのはだなあ。失敗の連続なんだその中で・・」


「困ります。」


「え?」


「それじゃあ困るんです。間に合わないんです。」


「間に合わないって?」


「実はこれは私があなたに頼みたかったことなのですが、私の父フォルムアルデヒデは私以上に空の事が好きだったのです。私の空好きも父から譲り受けたものだったのでしてねえ。父は私が子供の頃話してくれたんです。「空を飛ぶ鳥の様に自由に飛びたい」と。だが父は結局長年の夢だった空を飛ぶことを叶えられずにいるのです。そこで父への最後の土産としてあなたのパラシュート降下をみせてあげたいのです。どうか私の願い叶えてくださいませんでしょうか。フランツさん?」


「う。うぅぅ。そんなことが・・・分かった!!ならばその願い、このフランツラインヒェルトが引き受けよう!!」


「ほんとですか!?では!!」


「おう!!そうだなあ大体1週間で作ってやろう。その変わり研究費用をはずんでくれよ!!」


「分かりました!!本当にありがとうございます。じゃあ1週間後楽しみにしています。それでは父にも伝えに行かなければ!!」


ガランガラン


「大丈夫なのかい?2,3ヶ月かかるものを1週間で作るなんてさすがに無謀じゃないか?」


「おいマスター。漢一人がああやって頼んできたんだ。断れるわけがないだろう。それに俺は天才だ。ちゃちゃっと作ってやるぜ!ハー八ッハ!」


「そうですか。それならいいですけど・・」


「マスター今日は気分がいい!このまま朝まで飲み続けようじゃないか。」


「だめだ。どうせお坊ちゃんも帰ったんだからお前をここにいさせる道理がない。ちゃちゃと返ってくれ。」


「ちぇ。やはりあいつがいるからここにいていいなんていったのか。いいよ帰りますよ。ほらお代!!」


「あいよ。またどうぞ。(・・・お坊ちゃまといえば父以上に厳しいお方。自分に従う奴には何もしないが、少しでも歯向かおうとしたら、徹底的にたたき潰されると聞く。フランツはあんなに大きなこと言って大丈夫だろうか。」


同年 2月 2日  パリ フランツの仕立て屋にて


今日もこの店には人は少ない。きっと店の品物が貧相なのも理由のひとつだろうが、フランツの愛想が悪いというもっと深刻な理由について、フランツは気づいていない。

「とはいったものの・・・・・どうすればこんなもの完成するんだ?あと二日しかないのに1週間前から全然進歩してない・・」


「あーなんであんなこと引き受けたのかなぁ。」

フランツは働いている最中にも関わらず、設計図をそこら中に広げて、唸っている。

「どうでしょうかフランツさん。進歩の程は。」


「お、おおアルデヒドか!?そ、そうだなあ、ま、まあまあかな・・」


「本当ですか!!なら二日後の降下実験は期待していいですね!」


「お、おう任せておけ。ところでよぉ、降下実験はどこで行うんだ?出来ればな所皆が集まれるところの方が俺的にはいいかな。(また見栄を張ってしまった・・俺の悪い癖だ。嫌々、こう啖呵を切ってしまったんだ。最後まで貫きとおさないと男としての名前が廃るってもんじゃないのか?どうせ失敗したとしても10mくらいだろう。それなら死にはしないだろう。大けがはすると思うが。)」


「あ、その件ですが大丈夫です。皆がアッというような所を借りてきましたから。」


「おお!それはいいな。で、どこなんだ?」


「エッフェル塔です。」


「え?今なんて」


「いやだからエッフェル塔です。」


「え?エッフェル塔って世界一高い?」


「はいそうですよ。いやー楽しみだなあ降下実験。記者達もたくさん招待し、観客席もたくさん用意しておきましたからねえ。きっとあなたお名前はフランス全土に轟くと思いますよ。しかも金を沢山回収・・いやいや、こちらの話です。すいませんねえ。」


(え?もうそんな話が進んでるのか!?まずいよ、これじゃ断ることもできないなぁ。)


「そ、そうか。それは楽しみだな・・ははは」


「ん?何か動揺していませんか?」


「いやいやいやいやそんなことはないよ。うん。それだけはない。」


「そうですか・・・」


同年 2月 4日 パリ エッフェル塔前にて


「本当に今日ここから飛ぶんだよな。へー想像したよりもずっと高いな。こりゃ落ちたら死ぬのは確実だぞ。」


「そんなわけでここがエッフェル塔です。今日はここのデッキおよそ60mから飛び下りてもらいます。」

この時代のデッキは当たり前だが強化ガラスなど張っていないため、他の高台と同じように手すりがついているだけだった。そのため飛び降りようと思えばいつでも飛べるのである。


「お、おいアルデヒドよお。本当に飛び下りなきゃいけないのか・・」


「当たり前じゃないですか。あなたが飛ばなきゃインパクトが足りませんよ。それにもうそういうことで他の人にも話してますし、トラブルがあるとフォルム家の威信に関わるんです。」


(おいおい、もう本性隠す気もなくなったのか?結局アルデヒドが俺を支援してくれた目的ってお父さんにパラシュートを見せる事じゃなく、ただ単にパラシュート界での名誉が欲しいだけじゃ・・・まあそんな下衆の勘繰りはやめておこう。なにより、もう支援の為にお金を出してもらったんだしな。)


「それではフランツさんには1時間後ここのデッキから飛び下りてもらいます。」


「ああ、分かった。覚悟は決めたよ。れじゃあしっかりと俺の有志を見守っていてくれ。」


「ふふふ。分かりました。しっかりと見届けますよ。」




エッフェル塔第一デッキ


(うわあドキドキしてきたぁ。やっぱり1週間で作れなんて無謀すぎたんだよ。アルデヒドめ~恨むぞこんな高い所を借りやがって。頭クラクラしてきた・・怖い。怖い。怖い怖い・・・・・・・・八ツ!!だめだだめだ。目の前の事に集中しろフランツラインヒェルト!!大丈夫お前なら出来る。頑張れ!頑張れ!)


「おい、フランクさんそろそろですぜ。準備お願いしまっさ。」


(いやでもあそこはまだまだ試行錯誤途中だし、そうなるとここは絹にしといた方が良かったかぁ・・・)


「おい!!フランクさん。もう時間ありませんぜ。ちゃっちゃと指定位置についてください!」


「は!!すいません。今行きます。」


(はあ。不安だ。自分は元々好奇心旺盛な好青年だったはずなのに、いつからだろうか。こんなに臆病になってしまったのは・・そんな俺を変えるために行ったパラシュート訓練。それのおかげでおれも少しは度胸がついたと思っていたのにな。昔の俺が今の俺をみたら絶対笑っちまうだろうな・・・でもやっぱり怖いよ・・・)



「遂に飛び下りる所まで来ちゃったなあ。もう後戻りはできないってことか。」


(下の方でアルデヒドが喋ってんな・・・お。あの爺さんがフォルムアルデヒデか。噂に聞いてたよりも随分と弱弱しくなってんな。俺が想像していたのは190cmの巨漢で顔中モッサモサの漢と聞いたんだが。あれなら後一か月生きられるかどうか分からんのも納得がいく。アルデヒドは嘘をいっているってわけではないんだな。というか俺って目が良かったんだな。あんま意識してなかったからわかんなかったぞ。)


「フランツさん。もう飛んでよろしいって。下の方で許可降りたぞ。」


「え!?もうですか?」


「んだ。」


「わ、分かりました。(は?いくらなんでもはやすぎるでしょ。あーなんであの時見栄を張って覚悟はできた、なんて言っちゃったんだろう。しかもどや顔で。しかもどや顔で!こちとら飛ぶ覚悟なんて出来てないよ。思えばあの時もそうだった。酒場で酔っ払ってたとはいえ、なぜああも見栄を張ったのか。昔からそうだ。出来もしないくせに見栄を張るのは日常茶飯事。しかも俺のたちの悪い所はそれだけじゃない。見栄を張る割に後で後悔して結局何もしないところだ!あーーーーだから俺は向こうでの暮らしが難しくなって、パリに逃げてきた。それでなけなしの金を使って衣服えお売ったがやはりここでも自分の性格で空回り全く業績が振るわない。そこでお客を集めるために考えたのがパラシュートだった。だがそれにもかかわらず俺の店の業績は落ちていく。一体どうすればよかったんだよチクショウ。子供の頃の話じゃないか。見栄を張るくらいいいじゃないか。それなのになんでみんな話してくれないんだよ。・・・・・)」


「お、おいフランツさん?」


(・・・・・・・・・・・親のすねをかじって生きていり奴らや親が裕福な奴がうらやましいぜ。俺はそんなことできなかったからな家が貧乏で。そもそもこんなことになったのは社会が悪いんだ。そうだ俺の店が繁盛しないのもだ。きっと何か大きなものが関わっているんだ。そうじゃなきゃ俺がここに立っている理由が付かねえ。ん?なんか話がずれてないか?落ち着け落ち着け俺ならいける。何に?俺はなんだ?何をやって何をして今ここに立っているんだ?どうしてこんなことになってしまっているんだ?)


「フ・・ツさん!!フランツさん!!大丈夫ですか!?起きてください!」


「あ!俺また別の事考えていたのか・・もう飛ぶというのに呑気だな・」


「何喋ってるんですか フランツさん!下を見てください。皆あなたが遅いからカンカンですよ。ほら!!位置について!」


下から声が聞こえる。


「うへぇ。いつのまにこんなに人が集まっているんだ。1000人くらいはいるぞ・・」


「いやいややっぱ無理でしょ。こんなに大勢いると足がすくんで」


「もういい加減にしてください!ほら早く飛んで!」


「あ、ちょっと待て。押すのはダメだろ・・うわっと、落ちる!」


ツルッ


うおおおおっとうわああああああ!!。


(早く開け!!パラシュート!!ん?あれ?開かない?な、なんで?うわ、うわあぁぁ!!)


ヒューーーーーーーーー。


落ちている時間というものは不思議なものでカップラーメンを待っている時間以上に長いもので。きっと、相対性理論というのを超えてしまっているのだろう。楽しいのに長く感じてしまうというのは。


ズギン! ドン!!


「おい!!落ちたぞ!早く助けに・・・」


(そうか・・俺は失敗したのか。残念だ。次こそはあそこを改良して・・・)





「ここは?」


「おう起きたか。ここは天国だべ。」










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