プロローグ
皆さんの周りにもいませんかね?こういう人。それを思い描きながら書きました。
常識とは、一般人が持っている共通の知識である。
クラスメート1「お前ってどうやってセ○クスしたんだろ?!」
クラスメート2「ばっこり中に出してやったぜ。」
俺からしてみれば、セックスだとか中に出すとか意味がわからないのである。
まあ、一応セックスというには保健体育の授業中で聞いたことがあるが、それが行動なのか物質的な何かなのかわからない。
周りの男子たちはクスクスと笑っていたのが少し気がかかりだ。
そんなに面白いことなのだろうか。
当然、周りについていけないため俺はクラスではぼっちになってしまった。
中学までは友達とのトークは笑って誤魔化していたが、高校に上がってからは全く誤魔化せなくなり今に至る。
おまけに俺のステータスは平凡中の平凡。運動神経、勉強そしてスタイルどれをとっても平均並。
顔に至ってはお世辞にもかっこいいとは言えない。
しかし、俺にはこの状況を救ってくれる唯一無二のよりどころがあるのだ。それこそがラノベだ。
異世界人にとって、俺たちの常識とは無意味なものに過ぎない。
異世界では、常識とされていることが非常識だし、魔法とかだってもうなんでもありだろ?
そんなところに俺は惹かれていったのだ。
「はあ、なんとかしてこの世界の一般常識が覆った異世界に転移できないだろうか。」
それを願った瞬間、俺の視界には太陽よりも眩しく目が焼けるような光が入り込んできた。
それと同時に俺は体吸い込まれるような感覚がし、意識が飛んだ。
しかし、それは刹那的出来事だった。
謎の老いぼれ「本当にすまなかった。お前の生まれる世界を間違えてしまった。」
俺「…」
急な出来事に俺は固唾をがぶ飲みした。
これは夢か何かなのか?頬をつねってみると痛みを感じる。つまり、これは夢ではない…。
謎の老いぼれ「少し急すぎて動揺してしまったのかのぉ。自己紹介を忘れておったのぉ。ワシの名前はクヌムじゃ。まあクヌじいとでも呼ぶが良い。それでのぉ…」
俺「ちょっと待て老いぼれ!!ここはどこなんだよ。」
クヌじい「ほお、創造の神を老いぼれと呼ぶとは肝が据わっとるのぉ。お主ごとき一瞬で粉砕できるのじゃが。」
俺「…」
クヌじい「まあよい、ワシの責任じゃ。ここは、転生の部屋じゃ。
それでのぉ、話の続きなんじゃが。お主を創造する際に送り込む世界を間違えたらしく、全知全能の神ゼウス様からお怒りを受けたのじゃ。
そこでお主にいい話がある。転生して、お主の本来生まれるべきであった異世界にいかないか。
もちろん、ただでとは言わん。
“レベルアップ速度1000倍”
“魔力最強-魔力無限”
“話術力最強”
この三つのスキルを授けてからの転生じゃ。悪い話ではないじゃろ?」
異世界転生お決まりのチート能力。元いた世界には未練なんてものはない。これは選択肢一択だ。
俺「転生する。だが、俺が転生する世界はどんな世界なんだ?」
クヌじい「まさにお主が元いた世界のなろう系ラノベと呼ばれる書物に出てくる世界そのものじゃ。
魔法、剣、ドワーフやエルフなどの種族などが生息している世界じゃ。それじゃあ若者よ、次の世界で楽しんでくるがよい。」
そして、俺は新しい異世界生活が始まった。