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オーブでした。

 赤く光る宝石らしきものを回収し、休憩所まで戻る。

 罠は、石像を倒したことで全て発動しなくなったらしく、間違って踏んでもトラップは発動しなかった。

 そのため楽に帰ることはできるのだが、帰ってからが問題だ。


 そう、疲れたのだ。

 死ぬほど疲れた。久しぶりの戦闘だったからか、それとも生き物以外との戦闘が初めてだからか、とにかく疲れたのだ。


「ああああやっと休憩所だああああ」

「頑張ってポコ、あと少しだから。できる、できるよ!」


 今にも座り込みそうなポコの身体を支える。ポコが一番魔力を使っただろう。いくら魔術師とはいえ、魔力のみで攻撃をするあの弓は疲れるのだ。

 私があの弓を使った時の話なのだが、一発撃つだけでやっとだった。まず弦を出すのにちょっと疲れて、引っ張るのに結構疲れて、放った瞬間に全身の力が抜けた。ありゃあ初めから魔術だとかに特化してないと扱えんよ。


 休憩所に到着し、安心。あれ、人が少なくなっている、前に来た時にはもっと人がいたのに。

 今は情報しか集められない、壁に寄りかかってポーション飲んでる人に聞いてみよう。


「すみません、他の人たちはどうしたんですか?」

「ん? ああ、あいつらなら他の通路に行っちまったよ。そういやお前らはまだ行ってない通路から来たな、何かあったか?」

「実は――――――」


 私は通路の先であったことについて話した。石像が動いたこと、宝石を手に入れたこと。

 すると、その人は驚いた後に部屋の奥の台座を見てみろと言ってきた。来た時にはなかった台座だ。


「ちょっと前にな、地面がせり上がってきて出てきたんだ」


 言われた通りに台座を見ると、丸い穴が五つあり、中心に文字でオーブと書かれていた。オーブか……


「あ、もしかしてこれ?」


 腰の袋から宝石……じゃなくてオーブを取り出し、台座の穴に入れる。すると、隙間なく綺麗にピッタリはまった。

 なるほどね、この台座の穴にそれぞれの部屋のオーブを入れたら何かが起こるわけだ。

 私が今できることは何もないかなと考えた私は、休息もかねて他の騎士や狩人のいる場所へ移動することにした。


* * *


 ギンは相変わらず日向ぼっこをしている。ポコはギンと一緒に寝たいと言っていたので置いてきた。

 隊長と一緒に数件の小屋がある場所へ移動する。これだけの人数がいて遺跡の探索が進んでいないのはおかしくないだろうか。

 と、いうわけで探索に来ている人で一番偉いと思われる人に話を聞いてみることにした。


「あの、最近ここに来たエファという者なんですけど」


 そう言いながら城から来た騎士がいるという小屋に入る。


「なんだ貴様は、名は何という」

「いや、えっ? えーと、エファです」

「そうか。私はダルクだ。まあ入れ」


 なんだこいつ、え、名乗ったよね? 最初に私名乗ったよね?

 顔がイケメンだからって調子乗ってない? でも魔力をこの距離からでも感じるんだよね、やっぱ強いか。


「どしたの隊長、入りなよ」

「こ、ここはエファ殿に任せるであります」

「はーーーーーーん??」


 隊長はそれだけ言うと立ち去ってしまった。が、別の人に聞き込みをしているので仕事を放棄したわけではないようだ。くそ、苦手なタイプだからって逃げたな。


「どうした、入れ」

「お、お邪魔します」


 この小屋に二人きりか。別に疑っているわけではないが、何かされた時のためにナックルは装備しておこう。その綺麗な顔を叩き潰してやる。


「それで、話とは?」

「ここに来ている人は遺跡の探索をしているんですよね? さっき探索してきたんですけど、それほど広くないように感じたのですが……」

「広くない? いや、ここの遺跡は広いが……ああ、もしや地表に出ている部分の遺跡から入ったか」


 地表に出ている? 確かに遺跡が外から見えるのはあそこくらいだ。それ以外に見えてる遺跡は崖から突き出てるところだけだからね。


「あ、多分それですね。他にもあるんですか?」


 てっきり入口はあそこだけだと思っていたのだが。


「ある。だがどこも重大な情報は手に入らなかった。この遺跡はひたすらに広い、貴様が入った入口以外はな」

「はあ……狭かったんですねあそこ」


 まあ確かにあそこだけで遺跡と呼べというのは無理があるか、ちょっとした地下通路だもんね。


「当然だ。だがな、この遺跡には隠された通路が存在する。それを見つけるために今はひたすら探索した通路を調べているのだ」

「私が入った通路は調べなかったんですか」

「調べるに決まっているだろう。あそこは狭いから少人数に探索させているのだ。期待はしていないがな」


 ああ、だからあれだけしかいなかったのか。いくら大人数で探索するのは危険といっても休憩所に最低限しか人がいないのはおかしいと思っていたのだ。


「あの、そこで新しい発見がありましたよ」

「何?」

「奥に石像がありますよね、あそこにある石像を壊せばオーブが手に入ります。そして、新たに出てきた台座にある穴にオーブがピッタリはまります」


 なるべく簡単にオーブについて説明する。もちろんオーブを見せながらだ。


「なるほど……つまりオーブを集めればいいわけか。石像を壊すだけなら少人数だけでいいだろう、すぐに向かわせようか」

「いや、その石像は動くんですよ。部屋の中心に立つと動き始めるんです」


 正確には部屋の中心にある一つのスイッチだが。


「は? 石像が動くだと?」

「はい。動く前にオーブだけ手に入れることはできるかもしれませんが、何が起こるかわからないのでおすすめはしません」


 もしもオーブに触れた瞬間に動き出したら、その触った人は石像の顔に登っている状態だろうからとても危険だ。


「そうか……いやまて、貴様……さっき出て行った奴を入れたら二人か、その二人で倒したのか」

「もう一人仲間がいるので三人です」

「変わらん。つまり女三人で倒せるのだろう。それならば少人数で構わんな」

「……は?」


 プッツンしてしまいそうだ。てかちょっとだけした。女三人で倒せたのだから俺達なら余裕だろう? なにそれ、女だから自分たちより弱いみたいに見られてるの?

 ちょっとだけアカネさんの言っていたことが分かるような気がした。なるほど、男女差別をなくすっていうのは必要だったんだね。


「あの、私たちは王様に直接頼まれて来たんですけど」

「王に? 嘘をつくんじゃない、王が直接命令を下すわけがないだろう、あの人はめんどくさいことは全て人に任せるのだぞ」


 それを言われたら確かにとしか言えない。直接頼まれはしたが、所々はメイドさんや兵士隊長に任せていたからね。


「それでも頼まれたんです。信じられないなら直接聞いてください」

「…………わかった。一先ず信じよう。こちらからはできるだけ戦力を出す、文句はあるか?」

「ないです」

「よし、用は済んだな。王へは機会があれば聞くことにした。もう帰れ」

「お邪魔しました」


 分かってもらえたわけではないが、私が本気で言っているということは伝わったらしい。

 今日は疲れた、借りられる小屋を見つけてドラゴンの肉を食べよう。

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