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爆縮と体温の機知(5)

火川

油の臭いで溺れ込み

マッチの匂いで危険を知る

引火して炎の中

節操の無い引火頻度

息苦しいのは

周りの人間が

油塗れだからだ

全く知らない

赤の他人が

マッチを擦っているからだ


世界に必要な

いがみ合いは

バランスを崩せば

二度と元には戻らない

合わせられないのだ

目盛りがずれて

全く同じにはならない

今まで崩れて来たし

これから先も崩れて行く

新しいと言いながら

古いと言いながら

続いて行く

人間が続けて来た

仕方がないことである


一点からずれ無いということが

人間には出来ない

価値観を増やすことを

成長だと勘違いし

他人に優しくすることが

倫理観や道徳心だと思っている

結局の所

他人との仲間意識から出る

納得や正当性を

かき集めているだけなのだ

泣きながら

血眼になりながら

必ず死ぬ方向を間違えている


どのような人間に成りたいか

考えた上で成り

成った上で己が身を立たせる

順番としては

そうした方が良いのだろう

二つあるならば

どちらも潰れることは少ない

身を立たせることが潰れても

成りたい人間に成っていれば

他にも出来ることがあるし

挽回の余地もある

成りたい人間が潰れても

己が身が立っているのであれば

それに縋ることが出来る

どちらも潰れたら

どのような人間に成りたいか

もう一度

考えたら良いのである


川の上流は

若葉も落ち葉も

混ざり合い

小さな小さな雫が

緩やかに空間を作る

苔の生えた大きな石

透明で透明な水

その底には

ふわりと振る尾鰭

ここは雑踏の中である

本来なら作れる

雑踏の中である




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