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死別健忘  作者: おしお
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第四話 灯台下暗しへ

1月9日 18:20 自宅


 早速自室に籠ってこの本を読もう。読めば何かしら情報が得られるかもしれない。本はそこまで厚くはない、たったの数十ページだ。一哉の行方が数十ページにあるのかは実際半信半疑であるが…。


 この本は名前から察するにSFと想像していたが実際にジャンルに関してはその通りだった。内容は非常に単純だった。近未来にある科学者がテレポーターを作ったのだが、そのテレポーターにはある問題があった。テレポーターはテレポーターに乗せたものを別の場所へ移す働きをするが、移すものを分子まで分解して移す先で再構築するという形だ。


 無機質は問題なく移すことができた。しかし、いざ生物で行おうとすると一つの疑問が残った。生物に宿る精神や魂などのようなものはどこに宿るのかと。分子が再構築されたそれはには精神や魂が宿るのだろうかという疑問が残った。小動物などで実験を行ったが、外見上問題はなかった。そして、次は人間で試すことになった、という話だ。いわゆる人間用3Dプリンターで作った人間には魂が宿るのか、ということだ。


 この本の感想はつまらなかったと思いながら時間を潰していると本来の目的に思いついた。


 「あんなフラグまで建てといて、なんもねーじゃねーか、一哉のアホッ」


 持っていた本を豪快にベッドに叩きつけた。本はベッドの上で一回転ループを決めて、あとは着地だけだったが衣服カバーがはだけてしまい高得点には成らなかった。一人しかいない部屋から愚痴が漏れる。結局自分がしていたことが無駄のある無駄な努力で終わってしまった。一哉に対してイラツキが募っていくばかりだ。一切合切忘れよう、自分が追っていた物は鏡に映る虚像で勝手に妄想していただけであった、それでこの話は終わる。


 自分が妄想していた黒歴史など忘れて寝よう。一哉の部屋から奪っ…借りた本を丁寧に取り上げた。カバーが取り外された本を手に取った時、本の表紙にマーカーでマーカーで住所が書かれてあった。


 「なんやねん、そこに書いてあるんかーい」


 あまりに単純なことを見失っていた。灯台下暗しとはこのことを言うのだろう。してもあまりに単純すぎるだろう、住所を携帯で調べると結構近くに目的地があった。


 目的地が「ピンポーン」とインターンホンが鳴った。リビングルームにいただろう母親が声色を高く変えて返事をした。自分はこの行為がとても嫌いだ。理由はなんだろうか、別に装う意味がないにもかかわらず行うからだろう。


 数十秒すると母親に呼ばれてしまった。なんで自分が呼ばれなじゃればならないと思いながら、しぶしぶ玄関に行こうとするにつれて、おぼろげに腹黒そうな男の声が聞こえてきた。心臓を今でも直接握りつぶさんとするその声の正体は小太りのスーツ姿の男性だった。


 母親は困った顔をして此方を見ている。反対に獲物を狙う目で此方を見るスーツの男は警察手帳を見せて男自身の名前を述べた後に、警察署までご同行をお願いしてきた。自分が理由を聞いても署で話すと頑固に話さなかった。


 ここで選択肢


1、裏口を使って逃げる。(第五話へ)

2、快く応じる。(第六話へ)

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