心を確かめに
初めて……初めて、感想をいただきました!ありがとうございます!励みになります!
追記
2018年7月30日 シヴァとクウシェのセリフを一部改稿しました。
「あの罠を無傷で通り抜けるなんて、凄い」
そう言って、出てきたのは、黒髪で長髪の女性プレイヤーだった。
「三段構えのトラップなんて、初めてですよ」
三十段構えのトラップなら異世界で受けたことがあるがな!
「武器の生産を依頼したいんだけど、クウシェさんで、合ってるかな?」
「うん。試験を、クリア、したら良い」
「試験?」
「そう。心と技と素材。全てが良質だったら作る」
「体じゃなくて素材なんだ……」
「技の試験はクリア。残すは、心と素材」
何だ。別に、そこまで性格がダメというわけじゃないじゃん。
異世界だと、もっと無茶ぶりをされるぞ。
例えば、テンションを上げさせてみろ、とか。どうやったら、バナナの皮で滑ってテンションが上がるんだよ!?
全く分からん!
「素材は……これで、良いかな?」
黒紅石を取りだし、渡してみる。
「これを、どこで?」
「【PvP】でゲットした」
「本当?」
「あぁ。と言っても、真偽は分からないだろうけどね」
「ちょっと、待ってて」
と言って、クウシェさんは奥に引っ込んだ。
それから、1分ほど立って。
「…………嘘は言っていない。でも、あれは、少しダメ」
「ダメ?何が?」
「最後に、少し、笑ってた」
「あぁ、そう言われれば、確かにそうかも」
「だから、確かめる」
「?」
「3日間、パーティーを組んで、ダンジョンに行く。それで、心を確かめる」
「ふぁっ!?」
「ちなみに、リアルでの3日間」
「なっ……」
もう、口も閉まらないぐらい、間抜けな顔をしていただろう。お面をしてるから分からないし、バレないけど。
「で、でも、僕武器もないし…………」
「? 予備くらいあるでしょ?」
「無いよ!無いから依頼しに来てるんですよ!」
「……なるほど、よく考えれば一理ある」
「考えなくても大丈夫ですよね!?」
「…………なら、ダンジョンは止めにして………………」
「止めにして?」
「ここのお手伝いをする!」
「…………マジですかい」
僕は、思わず突っ込んでしまった。
◇◆◇
こうして、ゲーム内での1日目が終わった。2日目から、手伝いは始まるらしい。
出勤?はゲーム内時間の朝の5時から。
明日から、早めに起きなければ、と思い、僕は宿に向かう。
1部屋借り、すぐにベッドに倒れ込む。
そのまま、僕は深い眠りについた。