手厚い歓迎
クウシェの鍛冶場であろう山小屋の戸を叩く。
ーーーーコンコンコン、こんにちはー、クウシェさんですか?武器の生産を依頼しに来ましたー
ーーーーカンカンカンカンカンカン
「あれ?いないのか?……おかしいな……」
ーーーーコンコンコン、こんにちはー、クウシェさんですか?居たら開けてくださーい!
ーーーーカンカンカンカンカンカン
「あれ?聞こえてないのかな?」
ーーーーコンコンコンetc.
「あぁ、もういい!ぶち破る!」
剣槍で、木の扉をブッ飛ばす。
するとーーーー
「ありゃ?折れちった」
木の扉は破壊されたが、始まりの剣槍もポッキリ折れてしまった。
始まりの剣槍の耐久値(通常ステータス非表示)が0になったのだ。
しかも。
「うわっ!」
部屋の中より、矢が飛んできたのだ。それをバックステップでかわす。
しかし、矢がまた飛んでくる。それをかわす。
まだ矢は飛んでくる。etc.
「良し、分かったぁ!」
大体の時間情報が、分かった。
矢の装填に1秒。発射に0.5秒。着弾まで、0.5秒。
合計1発に2秒かかっている。
だからーーーー
矢が地面に着弾したと同時に地面を軽く踏み抜く。そして、スターティングブロックのようにしてから、ゆっくり、姿勢を屈める。
そして、矢が発射されると同時にダッシュ!
この矢のホーミング性能はそこまで高くなく、装填時の場所に発射される。
だから、扉まで余裕で間に合う!
残り、3メートル、2、1ーーーー
そこまで来て、入り口のすぐ近くの地面の異変に気づく。
そこだけ、木材の年期が入っていない。つまり、これはーーーー
「落とし穴か!」
と推測をし、ジャンプする。すると、靴についていた小石が床の上に落ちて、奈落へと吸い込まれていった。
「うわ、危な…………」
ーーー念のため、壁に捕まるか。
と、壁の突起部分に手をかけようとしたとき。
ーーー何!?
槍が、天井から落ちてきた。
「っ!?三段構えか……よっ!!」
ーーーキィン
肆の尾の《無音空間》を《硬質化》に書き換える。
そして、槍を弾き返す。
そして、壁に掴まる。
一応、周囲を良く観察し、罠の類いは無いと判断する。
「良し、侵入?成功!」
と、喜んで良いのだろうか。
それじゃあ、ご対面だ。
これほどまでに手厚く歓迎してくれたんだから、もちろん手厚く対応してくれるよなァ?
次話更新日は、2月1日の予定です。ーーーーと、言いたいんですが、遅れるんじゃ無いかと、思います。ただでさえ、遅い更新がさらに遅くなると思います。本当にすみません!