早速逃げるんだよ~
更新時間変えてみました。
迷惑でしたら、すみません。
そー…………シュタタタ、シュビッ!
僕は今、コレルアンの中央区の門をこえて少しのところにいる。服屋さんまでは…………遠い。服屋さんは北西区にあるため、必ず中央区を通らなければたどり着けない。
人通りが最も多く、つまりは人目に付きやすい場所をどのようにすり抜けるのか。
答えは………実践中だ。比較的人通りの少ない裏路地を物陰に隠れながら進んでいく。
前方確認。ふむふむ、なにやらコソコソしている男性プレイヤー(以下A)がいるね。今はちょっと待機かな。
…………プレイヤーAがあっちを向いたな…………………今だ!
スタタタタタタ……………………まずい!振り返りそうだ!
目の前の木箱の影にスライディングだ!
シュバ!
あっぶな~。ギリギリだったね。あのAは全く気付いてない…………はず。
僕は、また周りを見渡す。…………前方から、、また別の男性プレイヤー(以下B)がやってくる。後ろにはAがいるから、動こうにも動けない。どうすればいいんじゃ~とか呟いてみるけど何にもならない。
とりあえず、僕は、出来るだけ木箱の影に隠れようとする。Bが、僕から見て後ろのにいるAに気づく。そのまま、Bが歩いてきて木箱のすぐそこで立ち止まった。
…………なんで、そこで止まるんだよ!!
冷や汗をかきながら、状況を見守る。立ち止まったBにAがふらふらと近づいていく。まさか、PKか!?
いや、Bのことは、どうでもいいけど、気がかりなのは僕の存在がバレないかということだ。
…………不安だ。このゲームなんか、そういう変なところがあるからなぁ……
丁度いい間合いになったAとB。すると、Aが飛び上がった!!そしてーー
ーー華麗にJUMP土下座を決めた。
伝家の宝刀、最終奥義、最後の切り札、サラリーマンの日常、などと呼び名はいろいろあるが、単なるDOGEZAである。
そして、そのままAは
「どうか僕らのパーティーに入ってくださぁぁぁぁぁぁい!!」
とても哀れだった。ていうか、そこまでする?確かにBは美形だと思うけどさぁ……
対するBは
「お断りします」
超辛辣だった。
「どうか!どうかぁぁぁぁ!!」
「生理的に無理です」
BはAの顔を蹴ってまで断った。…………うわぁ……
しかし、問題はここから。なんと、Aは蹴られて顔をこっちに向けたのである!
油断していた僕と、目が合ってしまう。
気まずい沈黙が流れる。しかし、先に動いたのは僕だった。
ーーヤヴァイ!!逃げろ!!
僕は全速力で木箱の影から飛び出して走った。
息が切れるまで逃げるんだよ~
そんな僕には、スクショを撮られている音は聞こえなかった。