アホの子?
まだ、一ヶ月経ってないから、セウト。
「そ・れ・よ・り・も!言われた通り鍛冶スキルを採ってきたんですから、鍛冶をしましょうよ、鍛冶を!」
「ん。ただ……」
「『ただ』?」
…………ヤヴァイ。激しくデジャブってる。警告音が、ガンガンなっているぞ!
「黒紅石は…Aランク。鍛冶スキルのレベル……10以上ないと……加工、できない」
あーあーそうですか。今度はスキルレベルを上げてこいと?
…………フジャケルナ!!
「鍛冶スキルのレベル……鍛冶することで上がる。幸い……外に鉄がある……頑張れ」
コ、コイツ……
罵声やらその他諸々をグッと堪えて、鉄を取りに行く。
そこで、シヴァが見たのは、山のようになったーー
ーー鉄クズだった。
「鉄は鉄でも、鉄屑じゃないですか!」
「?…………嘘は言って、ない」
「えぇ、えぇ、そうでございますねぇ!!」
自暴自棄になりつつ、鉄屑を拾っていく。手と尻尾で持てるだけ持ってから、聞く。
ーーところで、どこで鍛冶をするのですか?、と……
するとまるで、デ○オのザ・ワー○ドを発動したかのように、この空間の時間が止まる。
ーーそんなもの……
……無いッ!!
と、言葉が紡がれる。
シヴァの手と尻尾から鉄クズが一個、二個と落ちていく。
ーーどうするんですか?、とシヴァ。
ーーどうしようもないッ!!……と。
今度は、タ〇マウォ〇チが、使われたかのように、この空間(ry
シヴァの持っていた鉄クズが、全て落ちる。
ーーハ……ハハッ…ハハハ……
壊れた人形のような笑い声が響く。
そして、スゥ、と息を吸う音が聞こえ、勢いよく静寂を破る。
「どうすれば良いんですか!!鉄はいっぱいあるけど、鍛冶する場所がなかったら、どうも出来ないじゃないですか!!ふざけてるんですか!?ふざけてるんですね!!いい加減にしてください!!だいたい、どうやったらこんなに鉄クズがーーーー」
~10分後~
ーーゼェ、ハァ、ゼェ、ハァ…………
シヴァは、さんざん怒鳴り尽くすと、たっぷり消費した酸素を補給するために、息を荒くしていた。
そんな時、クウシェが近寄ってきた。片手を、シヴァの肩へ、「ポフッ」とおき、空いている方の手でサムズアップをしてーー
「乙カレー、廃人」
ーーそう、言った。
「ーーッ!!」
即座に詰めよろうかと思ったが、そんな気力もなく、少し睨んでから、項垂れてそのまま座り込む。
座り込んだシヴァの目は、死んだ魚の目のようで、口からは、魂が抜けていってるように見える。
「大丈夫……だよね?」
「この状況で大丈夫だと思える、クウシェさんの頭の方が、大丈……夫……です……か……?」
クウシェさんが、なんというか、アホの子過ぎて、辛い。
あぁ……もう、意識が…………もう、寝よう……
ちゃんと、アホの子に、仕上がっていたでしょうか?
そうだと良いなぁ……