サクラのターン!
……は?『ユニークスキルの詳細を教えるから、フレンドになってほしい』……だって?
普通、そんなことしたら今後のゲームライフに多大な支障をきたす。それなのに、なぜそこまでしてフレンドになりたがるのだろう?
その旨を、サクラに伝えると、こんな返答が返ってきた。
「私の、お漏らしをバラされたら、困るからにゃ!」
……なんてふざけた返答だろうか。
今後のゲームライフかお漏らしか。天秤にかけたら、どっちを取るかなんて、きまってーーーーないな、うん。僕もどっちを取るか、分からない。
「フレンドかぁ……なっても良いけど、別にお漏らしをバラさない保証は無いんだけど?」
「そこは、伝家の宝刀で切り抜けるにゃ!」
「……伝家の宝刀って、何?嫌な予感しかしないんだけど」
「…………」
「?」
サクラが、ゆっくり、こっちに近づいてきて飛び上がる。
まさかーーーー殺す気か!?
そう思い、少し構える。
サクラはーー
「お願いしまぁぁぁぁすッッ!!」
ーーDO☆GE☆ZAをかました。
「えぇ……」
会ってまだ十数分の相手に、ジャンピング土下座をぶちかますサクラにドン引くシヴァ。
「お願いしますッお願いしますッお願いしまぁぁぁぁすッッ!!」
「え、あ、ちょっ…………」
まずい。これはまずい。
端から見れば、『猫耳娘を土下座させている狐の面を被った怪しい狐人』。ヤバい。この画はヤバすぎる。
「か、顔を早く上げtーーーー」
「すみませんすみませんすみません!!こんなことで足りないのは分かっていますが、何卒お許しをぉぉぉぉおおおお!!」
慌ててふためき、声をかけてみるが……意味なし!!
むしろ、悪化した!!
これじゃあ、まるで僕が極悪借金取り見たいじゃないか。
「わ、分かったから、顔を上げてよ!」
成り行きで、仕方なく了承する。すると、サクラは、
「シヴァ様、ありがとうございますにゃぁぁぁぁぁぁあああ!!」
といって、抱きついてきた。
「は!?離れっーーーー」
シヴァは、抱きついてきたサクラを離そうと試みるがーーーー
「ゴロゴロ……」
それ以上のパワーで抱きつき、かつシヴァの胸で気持ち良さそうに喉を鳴らす始末。
以外な部分でロールプレイが上手いな、と驚きつつ反面呆れる。
「はっ!」
と、サクラは何かに気がついたのか、シヴァからさっと離れる。その時に、サクラが溢した呟きをシヴァは聞き逃さなかった。
「安心できたからか、思わず素が出ちゃったにゃ……反省反省」
え゛!?あれが素だったの!?と驚きながら、シヴァとサクラはフレンドになった。
ちゃんと、サクラのターンになっていたでしょうか?なってたら……良いなぁ……(希望