第9話 実践編③(画像の圧縮、「なろう」小説の挿絵として使う)
さて、完成した地図を実際に「なろう」小説の本文中にアップするまでをみていきます。使う地図はコレです。
注意!
以下で行う各手順は、後戻りできません。必ず、(普通の「保存」ではなく)「新規保存(名前を付けて保存)」を行ってから進みましょう。
いずれも地図だけに限らない、「なろう」イラストなどにも共通する手順です。
1、レイヤーの統合
地図の最終チェックを行い、メニューから「画像を統合」します。
表示されているすべてのレイヤーを統合する操作で、「下描き」等非表示であったレイヤーは不要と判断されて自動的に破棄されます。
地図が文字通り「1枚の紙」になりました。
2、(白黒地図に限り)カラー情報の破棄
着色されていない白黒の地図に限った操作ですが、画像のモードを「RGBカラー」から「グレースケール」へと変更します。肉眼で白黒に見えてもデータ上は色の情報が載っているのですね。それを削除するわけです。以降、この地図には白と黒と中間色の灰色のグラデーション以外は描画できなくなります。
具体的にはこの操作により291KBであったデータ量が138KBに減りました。
3、画像の圧縮
「なろう」に限らずWebにアップする画像には必須の操作です。快適に見ることができるように、画像のデータ量を減らします。
メニューの「web用に保存」を選ぶと、次のような画面が開きます。左側が元の地図、右側が圧縮後の地図、さらに右側が圧縮量の変更等の操作パネルになります。
人間の目にはハッキリとは区別できない所から優先的に、データをゴッソリ削っていくわけですね。圧縮後の画像の荒れがあまり気にならないくらいの、特に文字の読みやすさが損なわれない程度の画質を確保しつつ、なるべく圧縮率を上げて画像ファイル容量を軽くします。
圧縮後のファイルの種類は一般的なJPGでよいでしょう。圧縮後のファイル容量は「なろう」挿絵の大きさでグレースケールの場合50KB以下、カラー画像の場合は100KB以下を目安にしましょう。むろん、読む側にとっては軽ければ軽いほどよいのはもちろんです。
ちなみに例に上げた地図は圧縮後39KBです。
上の画像圧縮中の画面はAdobe Photoshop Elementsにデフォルトで付属しているものです。すべての画像ソフトに同様の圧縮機能が標準で備わっているのかどうかは私には分かりません。
ただ、ネット上には画像ファイルを指定して簡単な設定を行うと、即座に無料でそのファイルを圧縮してくれる親切なサイトがたくさんあります。手持ちの画像ソフトに圧縮機能がない場合はそれらを利用しましょう。「画像圧縮」で検索をかけると簡単に見つかります。
その他、画像圧縮機能に特化したフリーソフトもあります。
4、「なろう」小説での使用
姉妹サイト「みてみん」に挿絵として使いたい画像を登録しておき、小説の文中の記号からそこへ向けてリンクを張る。「なろう」小説中で挿絵を使う場合の、最も簡単で一般的なやりかたです。
具体的な方法は「なろう」マニュアルをお読み下さい。「よくある質問」にも載っています。
ここではその際の注意をひとつだけ。
小説の作者自身が「みてみん」にまず「ユーザ登録」しましょう。そして画像を「自分のみてみん」に画像登録し、挿絵として使うようにしてください。
読者からイラストや地図の提供を受けてそれを文中に使う場合でも、「提供者のみてみん等」に向けてリンクを張るのは避けましょう。それをされると提供者のほうでは画像の改変や削除等ができなくなってしまいます。「なろう」マニュアルにも「挿絵画像は必ず作者自身が登録したものを使うこと」という規定があります。
提供された画像を挿絵として使うときは、その画像の複製を自分の「みてみん」に置いてリンクを張り、「○○氏制作」とか「使用許可済み」とかの一文を添えておくとよいでしょう。
ファンタジー小説に挿絵や地図があると、読者は解りやすくて喜びます。小説作者様がここまでたどり着いてくださればよいのですが。