第2話 レイヤーの話
「ほれ、さっさと始めろ!」とお思いでしょうが、その前にひとつだけ。これを理解していただかないと話が進まない、ということがあります。
「レイヤー」という概念です。
「コス○レする人」のことではありませんよ?「膜」とか「層」とかいう意味です。画像ソフトではこの「レイヤー」を多用します。絵を描いた透明なセロファン紙が重なっている、と考えてください。
1枚のセロファン紙がひとつの「レイヤー」に相当します。例えば、皿の絵を描いたレイヤーの上にリンゴの絵を描いたレイヤーを重ねます。
すると、皿に乗ったリンゴの絵ができあがります。
これがレイヤーの効果です。絵が重なった部分では下にある皿は隠れて見えなくなるわけです。皿に載せる物をリンゴではなくミカンに変えたい場合は、リンゴのレイヤーを外してミカンの絵を描いたレイヤーを上に重ねます。変えたい部分だけを直せば良い。全体をいじる必要はない。これが重要です。
「描くモノを変える時はレイヤーも変える」勢いで、画像ソフトではレイヤーを何枚も、時には数十枚も重ねて絵を仕上げていきます。それぞれのレイヤー毎に「描画」「手直し」「表示/非表示」「順序の入れ替え」「複製」「他のレイヤーとの結合」「レイヤーの削除」などの操作が自由自在にできます。
そして納得するまで作業したのち、全てのレイヤーを統合してたった1枚のレイヤーにする。それが完成した絵であり地図なのです。
レイヤーを上手に使うことが「画像ソフトで絵を描く」第一歩になります。