3/18
mother
神皇が教会に入ると、既に教会の中は数百名の祈りに包まれていた。我等の生みの親であり、全知全能な存在であられる「マザー」への祈りである。我等は皆、「マザー」の無慈悲なご加護を受けてこの世に生まれてきたのだ。マザーは我等の母であると同時に、この世界における神という存在そのものなのだ。おてんば娘の天凛ちゃんも、気難しい顔をしている徒輝くんだって、この祈祷の時間を忘れたことはない。神皇も皆と同じように膝をつき、そうして心の中で叫ぶのだった。
「我ら全能なるマザーよ、平穏足るこの世の全てに感謝し、我らは彼方様の手となり足となることを誓います。コドモノ国に平和あれ!」