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街の木々が心地よい季節風に体を揺すり、淡い光が街全体を綺麗に演出する。鳥の美しいハミングと、草花に宿った新緑が、街の人たちの気分を高揚させる。神皇は目覚めると、その気持ちがいい朝に感動した。窓から差し込む日差しが体をほど暖かく包み込み、家の小さな庭に植えられた木の枝では小鳥たちが楽しそうにじゃれ合っている。
チッチッチ・・・、その規則正しい時計の音に気付き、時計を見てみると、針は六時三十五分を指していた。祈祷の時間には少し早い、先に診断院から届いた「科学的見地による診断結果の妥当性」についての意見書の手直しにとりかかろう。神皇は凝り固まって重々しく感じられる自分の体をベッドから引き剥がし、さっそく作業にかかった。
充分な時間をもって、祈祷が行われる教会へ足を進める。白々とした家屋が降り注ぐ光を天へと送り返していた。街の人々は縄跳びをしたり、公園を元気いっぱいに走り回ったり、好き好きに朝の余暇を楽しんでいた。
お昼ご飯をちょうど済ませた頃、大体午後の十二時半前後、神皇の家に診断院の職員が尋ねてきた。
「神皇様に是非とのお達しです」とその職員は言った。
ものの数分でその職員が家を後にすると、神皇は渡された封筒の中を覗き込んだ。中からは何やら荘厳な雰囲気のある文書が出てきた。どれどれと、神皇はその文書を読み始めた。




