謎の少女
?・・・何だろうか。あの女子・・・。
~謎の少女~
私は、少し買い物をして帰ろうかと町の中を歩いていたところなのだが、
突然金色をした何かが、向こうから走ってきた。
すぐに女子だとはわかった。なんだか、不思議な雰囲気をもった子だ。
今日は天気が良くて、彼女の金髪はきらきらと太陽の光を反射していた。
それに、異国の服に似ているようなものを身にまとっている。 純粋に興味がわいてね。
ちょうど、浪士に追いかけられていたようだったから少しだけ、助けてあげてはと思った。
そう思っていたのに、彼女は、私の目の前で足を止めて浪士に向き合ってしまった。
面白くない。そう思った。
「しょうがないわね。・・・相手してあげる。もう、逃げないんだから。」
なんとも、気の強い。
おかげで、余計に興味がわいてしまった。
「君は、避けててもらえる?」
「嫌よ。邪魔しないで。 他人の手なんか借りたくないのよ。」
彼女は、私の目をちゃんと見て言った。
目が、見惚れてしまうほど美しかった。 茶色っぽいが、金色がかっている。
その目を見ると、血で染まってきた身体全身が、心が洗われていくようだ。
「うぁぁぁあ!!」
いきなり、浪士が、彼女に斬りかかった。
私は、間に合わなかった。 助けることなど、出来なかった。
そう思った矢先、高い金属音がした。
彼女は、いつの間にか刀を抜いて浪士の刀をはじき飛ばしていた。
居合いだ。 彼女は、剣が使えるのか?
・・・刀は、妖しくも美しく輝いていた。
彼女が使うからだろうか。 剣が生きているようで妖しい光を放つ。
浪士は、手がしびれて小刻みに震えていた。
そいつは、彼女を恐れたのか走って逃げていった。
「ちょっと、そこの人。」
「あ・・あぁ。なんだ?」
私は彼女の、刀をはじき飛ばす程の力に驚いていた。
「今は、何年?それと、ここはどこ?」
よく、わけの分からない事を尋ねてくるが、きっと困っているのだろうと応えてやった。
「今は、元治元年の6月5日だが?」
「そう。」
そう言って、彼女は刀を鞘に納め、歩き出した。
だが、私はどうしても気になった。
「少し、待ってくれないか? その格好では、目立つだろう? おいで。」
彼女も、目立つと思ったのか、渋々ついてきた。
彼女は、女子にしては、私には及ばないが背が高く、足や腕は細かった。
しかし、なかなか良い体つきだ。
・・・男だとしても、このような事を思ってしまうのが恥ずかしい。
彼女は、無表情で無言だった。
人形の様だと思う。 肌は、日本人には無い、異人独特の白さと透明さがあった。
だが、どこか日本人らしさも持っている様に感じる。
何なのだろうか。 彼女に、何があったのだろうか。