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第8話:プロジェクト・ヤタガラス(4) ヤタガラスの心臓

 三船の誓いに呼応するように、若き半導体エース、沖田英二が、勢いよく立ち上がった。その瞳は、疑念ではなく、確かな決意の光で、燃えていた。




「やらせてください、大和先生!」




 沖田の声は、若さ故の情熱と、それを裏付ける確かな実力への自信に満ちていた。




「俺の親父は、大手電機メーカーの半導体技術者でした。かつて、世界を席巻した日本の半導体産業の、まさに中心にいた。だが、あの日遠半導体協定で、全てが変わった。政治の力で、理不尽なルールを押し付けられ、親父たちの世代の夢は、誇りは、無残に叩き潰されたんです!」




 彼の言葉は、この場にいた多くの若手・中堅技術者たちの、共通の記憶を呼び覚ました。親の世代が経験した、理不尽な敗北。それは、彼らにとって、決して忘れることのできない、原風景だった。




「失われた平明の三十年を、俺たちの世代で取り戻せるなら、どんなことでもやります! アトランティスの連中が、俺たちの『頭脳』を恐れるなら、その頭脳で、連中が逆立ちしても追いつけないような、全く新しい『心臓』を、このヤタガラスに与えてみせます!」




 沖田の力強い宣言に、他の若手技術者たちも、次々と立ち上がり、賛同の声を上げた。




「俺たちの光技術で、連中の銅線だらけの時代を終わらせてやる!」


「AIの演算能力なら、負けるはずがない!」




 世代を超えて、技術者たちの魂が、今、一つになった。


 諦観の空気が支配していた会議室は、日本の未来を、自らの手で切り拓くのだという、熱狂的な意志の奔流に、完全に呑み込まれていた。





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