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どうして?どうしてカーディル様は私の為に努力してくれないの?私は努力してるのに!

「乙女ゲームの主人公は正義を語り続けてはいられない」は、

毎週 水曜・土曜 20時に更新します。

「駄目だったんだ…

認められなかったんだよ!

エルゼリア!お前を糾弾してしまった俺は、

王国に忠誠を誓えないって思われていてっ!

国王陛下が認められるには、もう前線に行って功績をあげるしかないんだ。

もう学園での失態を挽回するには言葉だけでは無理で…

破断しかけた戦線を回復するくらいの功績をあげないと、

国王陛下は認めて下さらないんだ」

「ならその戦線?へ赴かれればよいのではないでしょうか?」


そ、そうよ!あの部門の家柄のバルフレージャーに勝ったのよ!

カーディル様は強いんだもの!

戦ってよ!楽勝でしょう?!

戦って功績を挙げて私が王妃様に認められなくても良いようにしてよ!

あれだけ闘技大会で優勝できるほどの実力があったじゃない!

あんなに優雅に舞う様に剣を振るっていたでしょう?

カーディル様なら直ぐに功績を挙げられるわ!強かったもの!


「それは…それは…お、おれは公爵家の跡取り息子だ!

戦場で万が一にも命を落とす訳にはいかないんだよ!」


どう、して?

貴族が恐れる様な戦場って今は無いんでしょう?

学園時代に色々な子息達と戦争についても語り合っていたのに…

どうして?どうして戦いを恐れるようなことを言うの?

戦ってよ!カーディル様は気高い公爵令息なのよ!

なんて、そんな、弱腰な事言うのよ!

そんなのカーディル様らしくない!

エルゼリアはそんなカーディル様の回答を聞いても「あらそう」みたいな感じで。

決してぺースを崩さないのよ。

そのカーディル様からの返答も予想通りみたいな雰囲気で。

また余裕の返答をするの。


「…そうですか。事情は良く解りました」

「それじゃあ!」


エルゼリアは何かを理解した様に見えて…

けれど駄目!絶対にダメよ!何があったってボルフォード家にエルゼリアを、

迎え入れるのだけは絶対にダメ!

エルゼリア!あなたはこの誘いを断るのよ!

断らないといけないのよ!

ボルフォード家に貴女は相応しくないの!

ボルフォード公爵夫人が認めたって私は絶対に認めないわ!

けれどエルゼリアは既に答えを用意していたみたいで…

よりを戻せそうって思ったカーディル様を睨め付ける様にしながら、

返答をしたのよ。


「ですが既に婚約を元に戻すのは無理でしょう。

私はファルスティンで貴族として、

生涯を掛けてやらなければいけない事業を任されましたから」

「そんなの誰かに任せれば良いじゃないか!

今は公爵家の一大事なんだぞ!

「その一大事を作ったのはカーディル様自身でしょうに。

手紙に書いてあった提案、


―もう一度婚約者の地位に戻してやるー

―ソフィアを側室としてお前を正室に迎えてやるから―

―ボルフォードに嫁いで来い―


ですが。

この場で正式に御断り致します。

私がボルフォードに嫁ぐことはありません」


嘘…なんなのその手紙は絶対に嘘ね!

カーディル様がそんな手紙を書くはずないもの!

私が側室でエルゼリアが正室だなんてそんな事絶対に認めないわ!

カーディル様の気の迷いなのよ。

私が正室なの!それは絶対に変えられない事なのよ!

一言!一言だけでも言わなくちゃ!

私がカーディル様の正妻だって!

正妻になるのよ!

カーディル様の隣で私が正妻って言いたくて!

私は中央にいるカーディル様の隣に行くの。


―ガツン―


「ぁっぁ!ぁっぁ!」


またチョーカーが邪魔して!壁から離れなれない!

行かせて!カーディル様の隣に行かせてよ!

耐えられない!こんな会話、聞いていたくない!

けれどどんなに主張しても侍女は動いてくれないのよ!


「ぁっぁ!」

「お静かに」

「今は大切なお話をしておられるのです」

「ソフィア・ボルフォード公爵夫人候補は動いてはいけません」


その大切なお話は私にも関わる事じゃない!

行かせて!部屋の真ん中に行かせてよ!

言わなくちゃ!言わなくちゃいけないのよ。

私がカーディル様の一番だって!

けれど…

私は動けないのよ…

私の目の前で、私にも関わる重要なお話が、

私の意志を確認されないで進んで行くのよ…


「なっ!お前、もう貰い手のいないお前を、

俺が貰ってやっても良いと言っているんだぞ?

それをお前を正室にして、ソフィアを側室にするとまで俺が言って…

妥協案を提示したのにそれを断るのか?」

「何を持って私の相手がいないと言っているのか解りませんが…

私の相手は私が決めて良いと新領主のライセラスお兄様から、

許可も戴いております」


違う!違うのよ!

カーディル様もエルゼリアも、そんな話してはいけないのよ!

する必要も無いのよ!公爵夫人は私なの!

私がなるのよっ!

ファルスティンなんて関係ない!エルゼリアだって!要らないのよ!

そんなにそんなに必死になってエルゼリアを求め泣いて!

カーディル様!カーディル様は私だけを求めてくれればいいのよ!

エルゼリアなんていらないって言って!

言ってよ!


「だったら、俺を選ぶべきだろ!

お前の考えうる最高の相手となれる男だぞ!

公爵夫人になれるんだぞ!」


違う違う!公爵夫人になるのは私!私なのよ!

私は会話を辞めさせたくって!

聞きたくないって思ってまた無意識に体を前に押し出すのよ!


―ガツン―

―ガツン―

―ガツン―


「ぁっぁ!ぁっぁ!」


外して!首のチョーカーに繋がったフックを外して!

も。もう我慢していられない!

私も!私も会話に参加するのよ!

エルゼリアの話す言葉なんて聞いていたくない!


「…私にとって公爵夫人になれるという事に何ら価値を持てません。

私が欲するのは、私の隣でファルスティンの為に生きて、

ファルスティンの為に死ねる人です。

そうですね。敷いてあげるのであれば今私の後ろに立つ彼の様な人です」


そう言いながらエルゼリアは後ろを向いたのよ!

うわぁ、なんて「はしたない」目の前にカーディル様がいるのに、

公爵令息がいるのに目移りするなんて信じられない。

確かに後ろの騎士もカッコイイと思うけれど!

カーディル様に比べたら見劣りするのに。

やっぱり!美しく着飾っていても内面からにじみ出る悪女としての心は、

隠せていないのよね!

カーディル様はエルゼリアなんて求めなくて良いの!

私がいるのよ!私がちゃんといるから、そんな男を作る様な女の事なんて、

無視して!私を見て!見てよ!


「て、てめぇ!俺のエルゼリアに手を出したのかよ!

「誰のエルゼリアですか?誰の?

「貴方」のエルゼリアはもういないのですよ。

「貴方」が私を捨てたのではありませんか」

「だからそれは無かった事に」


男を作ったエルゼリアなんてもう良いでしょう?

カーディル様…もう、もうこれ以上エルゼリアを求めるような、

みっともない姿を私に見せるのは辞めて…

辞めてよ!わたしを見て!わたしだけをあいしてよ!

それでもエルゼリアはカーディル様に良い返事を返さないの。

いやだ見たくない。聞きたくないって思っても今の私に耳を塞ぐ手段は無いのよ。

感情的に話すカーディル様に対して、ずっと冷静さを崩さないエルゼリア。

それがまた強者の余裕みたいで。

遂に、本当に私や、カーディル様の理解できない事を…

言葉にしたのよ。


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