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ボルフォード公爵夫妻に求められる事!それは私の正しさが認められているって事!

「乙女ゲームの主人公は正義を語り続けてはいられない」は、

毎週 水曜・土曜 20時に更新します。

貴族子息の小さな革命から一夜明けて、

私とカーディル様との絆は一段と深まって…

もう私達を引き離そうとする人なんて誰一人としていなかったの。

けれど、私は男爵令嬢だから礼節を持って学園最後の日を楽しんだのね。

次の日からは貴族として立ち振る舞う為に色々頑張らなくちゃいけなかったし。

寮生活で使った物や私物は迎えに来てくれた使用人たちに預けて、

私は空になった寮のお部屋で、色々な事を思い出していた。

思い出せばカーディル様との強い絆を作る為の大切な時間だって思えて。

悪のエルゼリアなんてひっどい生徒もいたけれど。

それを差し引いても良い学園生活だったなって思えたの。

普通の学生だったら、このまま迎えに来てくれた使用人たちと、

領地へと戻るのだけれどもちろん私は違ったの。

だって私は革命を指導したカーディル・ボルフォード様の、

パートナーとなったのだから将来を誓い合った強い絆は、

私達二人の未来を祝福するかのように王家の伝令人によって、

王城に招待される事になったの。

そうするとね?

正式なドレスが必要だから私の為のドレスを急いで用意しなくちゃいけなくて、

私は王城に着ていけるドレスなんて持っていないから、

すぐさま城下町のボルフォード家御用達の仕立て屋に行くことになったわ。

もちろんカーディル様も一緒。

仕立て屋さんですぐさま私の為のドレス作成が開始されて…

カーディル様に色々と決めて戴いた私のドレスは、

直ぐに用意される事になったの。


学園を卒業してしまった私はもう学生寮にいる事は出来ないから、

カーディル様と共に王都にある公爵家の館に行く事になって…

そこでのお出迎えも素晴らしいものだったわ!

私達の館への到着に合わせて無数のお抱えの騎士達が道の両側に並んで、

私達を迎え入れてくれたの!

それは新しい時代の公爵家の夫婦を迎え入れるのに相応しい対応だったわ。

その事に私は驚いていたんだけれどカーディル様は落ち着いていて…

その姿もまた凛々しくて素敵だなって改めて思う事が出来たの!

車止めにはボルフォード家の家令とメイド長が既に待っていて…

迎えられた私達はすぐさまカーディル様のお父様とお母さまに、

お会いする事になったの!

私としてはー

せっかくお会いするのだから正式な格好をしたかったのだけれど、

でも昨日のパーティーから一夜明けて断罪が終わった事から、

その騒ぎの収集をつけるべきでぇー

色んな事が動きだしたって事は理解来ていたから、

直ぐに会いたいって理由も解るのよねっ。

エルゼリアは伯爵令嬢だったんだもの!

あの女の影響力はきっとすごい所まで広がっていて、

早く収集を付けないと変な噂が出てきて大変な事になっちゃう。


「旦那様と奥様は既に執務室でお二人の到着をお待ちしております」

「そう、か。解った直ぐに二人で向かうから案内してくれ」

「賜りましたこちらです」


そう言うと家令はカーディル様を案内するように歩き始めたの。

そのカーディル様もひと呼吸おいて不安そうにしている私の手を握ってくれて…。


「大丈夫だ俺達は。

これからの事を考えて、そしてより良い世界を作ろう」

「はい!」


私は元気よく返事を返した。

そして堂々とした態度でカーディル様のご両親とお会いする勇気を得たの。

私達は正しい事をしてそれは評価されるべき事だから!

そして案内された執務室にはカーディル様に似た美しい公爵閣下と、

美しいくて煌びやかな誰もが見惚れるドレスを身に纏った公爵夫人が、

私達を待っていてくれたの!

それはまるで良く出来た一枚絵にも見えて素敵だなって思ってしまったのよ。

お二人は休憩中だったのか対面に置かれたソファーに並んで座って、

お茶を優雅に飲んでいたの。

その姿ですらとっても優雅でもう、もうっなんだか別世界の住人みたいな。

そう憧れの絵が私とカーディル様の前には展開していたのね。

私とカーディル様はその麗しい二人が座るソファーのテーブルを挟んだ、

ソファーへと腰を下ろす様に促されたの。

それはじっくり腰を据えてお話をする事を求められていて、

私とカーディル様はカーディル様のお父様の公爵様のお言葉を待つことになったの。

公爵様はふぅとため息を付いて真剣な眼差しをカーディル様に向けたわ。


「昨晩の事は耳にしている。

本気なのだな?ファルスティンよりマリスを取るのだな?」

「当然でしょう!あんな悪女を妻に迎え入れるなど…

ボルフォード家にとっても恥となりましょう」

「それは…、解っている。

お前はあの時から正しさに拘って生きて来た事は理解しているつもりだ。

だがな?それを差し引てもファルスティンとの婚約は此方が推し進めた事。

そう簡単に覆せる事ではない」

「ですが、俺達がこうしてファルスティンの不正を訴えなければ…

更に大きな被害が出る事になってしまう。

俺達はこんな明らかな不正を正す事が出来ないと思われたら、

それこそ俺達に賛同してくれた「皆」を裏切る事にもなってしまうでしょう!」

「エルゼリア嬢の隠そうともしない「不正」を、

不正と言って弾劾する事の意味をお前は考えた結果が今回の事だった。

カーディルよ?そう言う事で良いのだな?」

「はい!俺は俺の信じた正しさを貫きます!

その為だったら婚約を破棄する事だって構いません!

学園の3年間で生涯を共にしたいと思う人も出来ました。

今の俺に恐れる事は無いのです!

父上!是非ソフィア・マリス男爵令嬢との結婚をお許しください!」

「…そうか。そうか…

エルゼリア・ファルスティン伯爵令嬢ではダメだったか…」

「俺に似合うのはソフィアなんだ!ソフィアの為だったら、

俺はなんだって出来る!どんな事だって乗り越えられる!

俺にはソフィアさえいればいい!ソフィアの代わりになれる奴なんて、

絶対にいないっ!父上、どうか俺達の事も認めて下さい!」


力強く宣言するカーディル様。

私をここまで思っていてくれるなんて、もっと好きになっちゃった。

カーディル様の熱弁に公爵様も圧倒されたみたいで、

公爵様の表情は複雑そうで何かを諦めたかのような表情と同時に、

公爵夫人にアイコンタクトをして何かを納得しあったみたいだった。

今度はその公爵夫人がカーディル様に質問を投げかけてくる。


「そこまで言うのなら、そのソフィア・マリス男爵令嬢を、

妻として迎える事を考えても良いでしょう。

ですが…公爵夫人となるのには大変なことが多いのです。

ソフィアさん?アナタは私の言う事を聞いて国の求めに応じられる

「公爵夫人」となれますか?それはとても苦しい事だと思いますが…」


公爵夫人は困った顔をして私に尋ねてきた。

けれどそんな事聞かれなくたって私の答えは決まっているのに。

覚悟なんてとっくに出来ているわ!私は不安そうに私を見てきた、

カーディル様を見つめてにこりと笑った後に返答をしたの!


「勿論です!カーディル様に相応しい「公爵夫人」となれるように、

精一杯努力できます!」


念を押す様に公爵夫人は私に質問を続けてして来たの。

決意が揺るがないかどうかを確認するように。


「時間がありませんから教育はきついモノとなるでしょう。

そして…ここでわたくしと旦那様がアナタ方の婚約を認めたとしたら、

もう婚約を解消する事はどんな事があっても許しません。

ソフィアさん?公爵夫人として正しくボルフォード家の人間となり、

ボルフォード家の為に生きる事が貴女に出来るのですか?」

「もちろんです!できます!」

「なら、わたくしから言う事はこれ以上ありません。

ボルフォード公爵家の公爵夫人として正しく振舞えるようになるまで教えましょう。

出来るようになるまで全て従ってもらいます。

もちろん途中で辞めるなんて許しませんからね?」

「大丈夫です!私にはカーディル様がいるんですから!」

「そう…」


こうして私とカーディル様の願いは正しくボルフォード公爵閣下に、

聞き届けられてボルフォード家としても、

私を全面的に支持してくれる事になったのよ!

嬉しいわ。

どんどん私の事を認めてくれる人が増えて…

やっぱり悪のファルスティンを断罪した私と正しさは貴族として重要だった!

私と同じ思いを持った人が今故郷にみんな帰って私と同じように、

正しく国を導けばこの王国は今よりもっといい国になる!

それからは学園での私とカーディル様の活躍を義父様と義母様にお話しして、

そのお話を聞いたお二方はとっても笑顔で私達を褒めてくれたの!

そして数日間の時間を戴いた私はこれからの事を報告しに、

実家に帰る事になったの。

それも公爵家の馬車で!しっかりと護衛を付けて貰って安全な馬車の旅!

もう公爵家の対応って感じでとっても嬉しかったわ。

そして私は実家にに戻ってカーディル様と結ばれる事を報告したのよ!

ちゃんとその旨を伝えるボルフォード公爵閣下直筆の手紙も用意してもらって。

私の実家にも多額の嫁入り資金を拠出してもらったのよ!

お父様はその金額に驚きながら…

けれど悲しそうに私に言って来るの。


「本当に良いんだね?

私達はソフィアに幸せに会ってもらいたいと思っているから、

ソフィアがそれでいいというのなら、仕方ないけれど」

「もっと、小さな幸せで満足できなかったのかい?」

「嫁いだらもう帰って来れないと思いなさい。

その覚悟がないならカーディル様の事は諦めるんだ」


そんな事には絶対ならないわ!

だって私達は強い絆で結ばれて愛し合っているんですもの!

お父様もお母さまの心配しないで大丈夫よ!

お父様は心配性だから公爵家の代理人に何度も何度も聞き返し確認していた。



「娘は男爵令嬢として育ててきました。それでも良いのですね?」

「ソフィア様とカーディル様は、

どんなことがあっても乗り越えられるそうです私からはそうとしか言えません」

「そうですか…私達からは何の手助けも出来ません。

どうか娘をよろしくお願いします」

「…できうる限りの事はしますが、幸せになれるかどうかは本人次第です」


その日の夜はマリス男爵領での男爵令嬢として、

最後の夜を過ごす事になったのよ。

色々な事を思い出すけれど私はこれからの未来が華々しいものになるって、

信じて疑わなかったし。

これから起こる事なんてカーディル様との幸せな日々しか考え付かなかった。


私はマリス領を後にしてボルフォード領へと向かう事になったの。

王都とは違う公爵領で私の楽しい生活が幕を開けると思うと胸がウキウキして、

じっとしていられなかった。

もちろん王都の公爵家の屋敷でカーディル様と別れたと、

カーディル様は王都で婚約破棄の雑事を熟したと来ることになっている。

二人の楽しい生活はもう目の前に迫って来ていたのよ。

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