二百文字小説『生徒の都合』
宿題を忘れた生徒を必ず窓外のベランダに立たせる女教師がいた。
ある日、彼女の授業を受けたくない生徒達は、共謀して全員で宿題を忘れた。
激怒した教師は、全員をベランダに立たせて、誰もいない教室で授業を行った。
次の日も、全員が宿題を忘れた。
何分若くて経験の浅い教師であるから、遂に泣き出し、生徒に宿題をするように懇願した。
次の日、全員が宿題をやってきた。
嬉々とした女教師がふと窓の外を見ると、雨が降っていた。
言って聞くくらいなら、教師も苦労しませんよというお話でした