表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
肩にのせたきみ  作者: 松仲諒
4/41

第4章

「どうだった? 部品開発部の新しい部品は?」翌日の朝、出社するとすぐに渡辺課長が聞いてきた。

「小型で力が出るアクチュエータでした。筋肉みたいに伸び縮みして有馬さんはロボットに使おうかなって言っていました。僕もコンパクトさと仕組みは面白いなと思いました」

「ロボットかあ。物になるかなあ……そりゃあ鉄腕アトムやマジンガーZみたいなものができたらなと僕も思うけど、今の技術じゃあ到底無理だろうし」

「僕にはまだわからないです。尾上さんがロボットに興味を持っているって聞いたんですけどご存じですか」

「いや、聞いたことはない。今度の部定例で報告がてら聞いてみようか」

「そうですね」渡辺課長は乗り気じゃないんだなと感じた。


「ねえねえ、有馬さんは大丈夫だった?」席に座っていると隣のかおるちゃんが小さい声で耳打ちしてきた。

「いい人でしたよ。誘われて帰りに一緒に飲みに行っちゃいましたよ。話していて楽しい人で、全然変な感じはしなかったけど」

「初回で飲みにまで行ったんだ。気に入られたんじゃない?」かおるちゃんは目を見開いて驚いた表情をしていた。

「気に入られたかはわからないけど、話ははずみました。純粋に物作りが好きみたいで、技術のことも詳しいし僕はこれからも頼りにしちゃうと思います」

「よかったじゃない。気が合ったみたいで。技術者と意思が通じ合うって、ここでは大事だから。出足好調ね」

「でも三年で物にしなきゃと言われたんですけど、それができるか心配です」

「別にあなただけが責任を背負うわけじゃないから、あまり気にしない方がいいわよ」

「まあそうですけど、自ら異動したからには僕もなんかやり遂げたいんで」

「わかるけど、肩肘張らずに気楽にいこ。ところで明日の夜は空いてる?」

「え?別に空いてますけど」美しいかおるちゃんに誘われたようでちょっとドキッとした。

「内輪で八雲さんの歓迎会をしようかと思って」

「ありがとうございます。うれしいです」

「企画部のメンバーと所長秘書の真子も誘ってみるね。では明日終業後に」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ