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ランクアップ!~枕が誘(いざな)う夢の世界で……  作者: すみ 小桜


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19/35

━☆ 》19話~私の目標は

  木の陰に来るとシシリーは、寝袋から出て来た。



 「で、話しって何よ」


 「悪かったよ。試す様な事をして。気になってさ。たださ、なつめが超初心者だとしても、神官からランクアップする仕組みとかは話しておけよ。やった事がないってばればれだ!」



 やっぱり私の言動からばれちゃってたのね。



 「ご忠告どうも。それは、さっき話したわ」


 「回復の仕方は?」



 回復の仕方?

 あ、そっか。歌で皆は回復しないもんね。



 「寝袋で寝るんだよね? あと、神官に回復してもらう」


 「それから?」


 「え? それから!?」



 まだ、方法あったの?

 驚いてシシリーを見ると、あっという顔つきをしている。それは説明していないって、顔よね?



 「やっぱりな。なつめには必要ないかもしれないけど、知らないとおかしいから。もう一つの方法は、回復薬でだ! これは、神官に回復してもらうと、回復薬いかがですかって勧められるんだ。勿論、お金を払う。コアでも交換可能だ」


 「え? そうなの? あ、そっか。戦闘中にHP減った時に回復出来ないと困るもんね」


 「でも、SPやMPを回復出来るアイテムは今の所ない」


 「え? そうなの? 皆どうしてるの?」



 私の質問を聞いたミチルは、大きなため息をついた。



 「マジで神官使った事ないんだな。まあ戦闘した事あるようには見えなかったけど」


 「神官に回復してもらう以外には、寝袋で寝るしかないのよ。勿論、遺跡でもね」


 「え?! 遺跡で寝てるの?」


 「それしかないからな。魔法使い以外は、普通攻撃で倒せるモンスターでコア集めをしている。仕事(クエスト)時以外は、無理をしてない」



 そうだったんだ。皆さん大変だったんだね。

 って、まともに戦闘をしたのは、炎の石の時だけなんだけどね。

 そっかぁ。だったら歌で回復できるのは、凄い事だったんだ!

 今更ながらようやくわかった。



 「でだ。これからが本題。なつめ、俺専属にならないか?」


 「え? 何それ?!」


 「あ、ごめん。言い方が悪かった。そうだなぁ。チームを組むとランクがわかちゃうだろう? あ、それは知ってたか?」


 「うん。それは聞いてるわ」


 「そうか」



 うんと、私は頷く。



 「お前、神官だしチームを組もうと言われる事はないとは思うけど。こはるに口止めしたのは、シシリーの事だけだろう? 歌の事まではしてない。つまりMPを回復出来る事がばれてるかもって事だ」


 「しまった! そうだったわね!」


 「えっと……」


 「噂を聞けば、目もくれなかった人達が、あなたを追いかけ回す事になるわね! チームって5人まで組めるのよ。今までは、神官は弱いし攻撃は皆無。回復は出来るけど、その前に死なない様に守らないといけないから、足手まといでしかなかったのよ」


 「それが、MP回復やHP回復が全体に出来るとなれば話は別だ。しかもマッピングもしてくれる。だったらコアやお金を払ってでもチームを組みたいとなるだろう? 遺跡に入って奥に行けるわけだ」


 「それって今まで行けなかったって事?」


 「ランク4ぐらいのサブから魔法使いにも回復系のサブが出現するわ。でも他の人のMPやSP回復は、神官のサブにしかないのよ。これ、公開されてないから知らないでしょうけど」


 「俺も歌があんなに凄いなんて思わなかったもんな。で、歌ってランクいくつまで上げてあるんだ?」



 って、いきなり凄い質問を投げかけて来た!

 危なく答える所だったよ。



 「こはるには、歌の事も口止めしておいたよ」


 「あら、ありがとう」


 「でだ。チームを組めば、メインランクだけじゃなくそこら辺も凄いって気づくはずだ。隠したいんだよな? シシリーの事」


 「だからミチルだけにしておけって事?」



 シシリーが聞くと、ミチルは頷いた。



 「なつめを村に連れて来たのは、知れ渡ってるみたいなんだ。まあまだ、神官なんてそうそういないからな。で、俺が防御が凄いのもチーム組んだ事ある奴らは知っているから、二人で行動していても怪しまれない」


 「確かにねぇ」



 ミチルの言葉に、シシリーは頷く。

 そっか。普通は歌もそんなに上がってないのが普通なのよね。どうやったのかって時に、シシリーの事がばれちゃうって事か。

 この際、もうばらしてもいいかなって思うけど。



 「ねえ、隠すよりオープンにしたらダメなものなの?」


 「なつめがいいなら俺は構わないけど? ただ基本的に、攻撃力はないわけだからソロじゃ戦闘できないだろう? コアの配分の仕方って、トドメを刺した奴が貰う事が支流なんだ。だからコアは、貰えない事が多いぞ。まあ、必要ないみたいだけどな」



 確かにミチルが言う様に、コアは必要ないけど。仕事するのには、必ずチームで挑まないと私には五つ葉集めぐらいしか出来ないって事よね?

 どうしたらいいんだろう?



 「そうね。ミチルが言う様に、一人では無理なのよね。サブも攻撃系は魔法使い以外ないし」


 「え? ないの?」


 「今は、まだないわね。最初に言ったでしょ。神官は、サポート役だって。冒険者向きでもないって。そういう事よ。でも、装備の中に魔法を反射するのとかあるし、それを装備すれば間接的に攻撃出来る事にはなるけどね」



 本当にサポートしか出来ないんだ!

 シシリーが言った装備だって、売っているわけじゃないからどこかで手に入れないといけないものでしょう? 簡単じゃないわよね?



 「ようは、なつめがどんな風にこのゲームを楽しみたいかだろう?」


 「楽しみ方?」


 「例えば、ランク戦上位を目指すのが目的のものもいれば、コレクター、つまり珍しい物をあつめたり、役に立たないけど珍しいサブを取得するのを目的にしたり」


 「そうね。シークレットサブもあるからね。サブって色んな条件で、獲得出来たりするし、この世界のメインでもあるからね! 見た目を変えられるようになるわよ。サブコーデ実装!」


 「おぉ!! そうなのか!」


 「そりゃそうよ。これだけサブを獲得するのだからあってもいいでしょう?」


 「………」



 なんか、話がそれていってる気がするんだけど?

 でもそっか。ただ戦闘するだけじゃないもんね。

 初めは、戦闘をしたくないから生活系選んじゃったけど、強い人と組めばそこまで苦でもないかな。

 うーん。私の目的かぁ。



 「ねえ、ミチルの目的って何?」


 「俺? ずっと先になるけど、エルフ王に認められると自分の村を持てるようになるんだ。勿論、一から造るんだけどな」


 「え? そんなのもあるんだ!」


 「あったわね。そういうのも。まあミチルが村を造ったらそこで働かせてもらったら? って、ずっと先でしょうけど」


 「あ、うん……」



 村をカスタマイズかぁ。

 そうえいば、そういうゲームもあるのよね? 村じゃなくて国とか造るゲーム。そういう要素もあるんだ。


 あ、そうだ!

 前にシシリーが言っていた地図作りするっていうのもありかな?

 ミチルと一緒なら出来そうな気がする。



 「ねえ! 地図作りするっていうのは? 言われた時は無理だと思ったけど、ミチルとなら世界周れそう?」


 「あら、大きく出たわね。そうね。地図として起こすのは製作者のサブが必要だけど、マップ自体は、歩き回っていれば完成されるからね。OKよ。やりましょう! 世界めぐり!」


 「村から連れ出した時からは、想像出来ない発言だな! よし! じゃ、世界巡りして名を高めるとするか!」



 なんか、大きく出すぎたかな?

 でも何か出来そうな気がする。

 もうミチルにばれるからって、ランク上げをこそこそしなくていいみたいだし。



 《後五分で離脱します》



 「あ! 後、五分だって!」


 「じゃ村に戻るか」


 「うん」



 私達は、走って村に戻った。



 「もし、先にINしても村から出るなよ」


 「うん」



 《離脱まで後60秒……》



 「あ、後一分。また、明日ね。シシリー、ミチル」


 「おう!」


 「待ってるわよ」



 《離脱まで後30秒……》



 「うん」



 こうして私は、二人に見送られてこの世界から離脱した――。

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