第8話:旅は急に終わる
何かがおかしい・・・・・・
門番は俺らをスルーするしなんか当たり前のごとく城の中を歩いている現在、なんかもうようわからん。
なんか洗脳魔法的なのをかけたのか?
そう考えているうちに玉座へ着いた。
あれ?おやっさん?
「サラ〜!よくぞ帰ってきた!たった一年だったが我は辛かったぞ」
「仕方がないじゃないですかお父様・・・・・・
春月を強くするためにはこうするしか・・・・・・
それに予想よりも早かったのですから喜んでくださいよ」
サラはなだめるように笑いながらおやっさんと会話を弾ませた。
「確かに予定では三年、それが一年・・・・・・
そう考えると素晴らしい成長であるな春月殿!」
いや、まぁ、そうなのだが話についていけない。
「あの、魔王さんって失礼ですがやられたんじゃ?」
「我が?っははははは!!あれは茶番じゃよ。ちなみに誰も攻めては来ておらん。あれはお主たちを強制的に飛ばすための口実よ」
おやっさんは説明しながらも笑い転げていた。
ということは俺はこの一年勘違いしていたのか・・・・・・
「だが、我を倒すのは一応必要条件だからな?」
あ、そこは本当なのですね。
「まぁ、サラの毎日の報告を聞いていうるうちに倒せなくても我が認めればいいことに途中変更したのだがな。なにせ将来魔王として有望そうであるしな」
「それはありがたいです」
「というわけでこっちへついて来い。
早速手合わせしようではないか」
「あ、はい」
まぁ、これは従わざるを得ない。でなければ、認めてもらえないのだからな・・・・・・
俺は言われた通りおやっさんについていった。だが、作戦はあえて立てなかった。なぜならばおそらくおやっさんは思考が読める。
なら、ここは一発本番勝負でいくしかない。
「・・・・・・お前よく話すな・・・・・・着いたぞ」
そこは俺が飛ばされた召喚の間であった。
「ここって召喚するためだけではないのですか?」
「いや、特に決まっておらんが?ただここは耐久性の高い壁で構成されておりそっとやちょっとでは破壊できん。ここなら思う存分楽しめるであろう」
楽しめるとか言っちゃったよ、この人!
「まぁ、加減はしてやるから全力で来なさい。ほれ、もう始めていいぞ」
なら、お言葉に甘えて・・・・・・!
「・・・・・・っ!」
まず最初に光魔法:フラッシュを
フラッシュ:攻撃魔法より目くらましなどの補助魔法として使われることが多い。
そしたらワープ魔法により背後にではなく顔の斜め前へ転移、そして瞬時にスレインをかけ確実に目を潰す。が、やはりうまくはいかないもので気配を感じたかおやっさんも転移した。
今のは確実に決めておきたかったなぁ・・・・・・
「春月殿・・・・・・やるではないか。
これは面白くなりそうだ。だが、我もやられるだけではない」
そう言い、指を鳴らした。
「・・・・・・っ!」
俺は瞬時に判断し空中へ転移し、俺がいた場所は地雷が爆発したように吹っ飛んでいた。
一歩遅ければ確実に巻き込まれていたであろう。
「ふむ、これを避けるのか・・・・・・面白い!血が騒ぐわ!」
いやいや、騒がなくていいです、結構です。
おとなしくしててください。
「いやー、まぐれですよ」
少し余裕があるふりをしたが、正直偶然似たような攻撃を受けたばかりだからな・・・・・・
本当の初見なら確実に死んでた。
てか、殺す気満々やん。
「はて?なんのことやら?」
なんともいやらしい、がまだ策は何個かある。
できるだけ悟られないよう・・・・・・!
俺は再びワープ魔法を発動させ、低い体勢で背後に回り、アキレス腱を狙った。
アキレス腱、確実にもらった!と思ったのだが
ーカキーンー
「はぁぁぁぁぁ!?」
思わず心の声が出てしまったが流石にこれは笑うしかない。
「俺の知っている神話の人物はそこが弱点なんでけどね、ははは・・・・・・」
「確かに今のは最高の攻撃だであり、まさかそこを狙ってくるとは思わなかった。だが、心の声が漏れておったぞ。お陰でそこだけに集中して硬化させられたが流石の我もヒヤッとしたわ」
くっ、そういうことか。痛恨のミスだ。
「さて、あと何個策があるかね・・・・・・」
「いや、もう無い」
俺は即答した。
魔力はもう既に枯渇しているのだ。
この一年でわかったことは俺には魔法の才が無い。それが魔力量ですぐにわかる。あれほどサポートしてもらったが魔力量だけはどうしようもなかった。だから俺は自分を強化するサポート系の魔法を集中的に覚えたのだ。
「そうか、それは仕方がない。だが、この一年を棒にふった訳では無いことだけは確かだ。サラとの結婚を認めてしんぜよう」
「ほ、本当ですか?」
「あぁ、勿論だ。お主の努力は今の戦闘でよく伝わった。お主ならサラを任せられる。ほれ、魔力が枯渇しておるのだろう?立っているのすら辛いはずだ。ゆっくり眠りたまえ」
そう言われると俺は急に眠気に襲われた。
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「母さん、準備はできた?」
「まだよ、まだ少し時間がかかりそうだから外でもふらふらしたら?」
「わかった」
そう言い、俺は夕方のドラッグストアへ出かけた。
あの日のように母さんの好きな Lady Boneを買いに。
なんだかとてもリアルで長い夢、胡蝶の夢のようだった。
実際、酒の席で長年の友人たちに語ったが誰に言っても信用されなかった。
まぁ、それでもいいさ、俺は気にしちゃいないし頭がおかしくなったと勝手に言えばいい。
なんて思いながら会計を済ませ外へ出た。
外は先程の朱色に染まった空から一転、星の光も通さぬ夜空になっていたが相も変わらず街は科学の発展による光によってにぎわっている。
「あぁそうか、今は冬だもんな・・・・・・感覚が少しずれてらぁ」
向こうの世界の夜空はあまりに美しかった。何千年も昔の羊飼いたちがこうして夜空を眺めていたのが肌で感じられるほどであった。
そんなことを思い出しながら家路へ足を向け、数分もしないうちに家へ着く。
「春月、すまないね。ちょうど終わったわよ」
「それじゃ、買ってきたやつをしまってから行こうか」
買ってきたものは冷蔵庫やしまうべきところへ。
「あ、危ない危ない。これを忘れていた」
俺は自分の部屋から小さい箱をリュックサックに詰め、もう一度中身を確認した。
「それは絶対忘れちゃいけないわね、ふふ」
母さんは心なしかうれしそうだ。
まぁそれもそうだ。一人息子の結婚式なのだからな。
「それより母さん、荷物持ったかい?」
「ええ、大丈夫よ、安心して」
「なら、安心。それじゃ・・・・・・」
ー転移召喚ー
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「・・・・・・殿?・・・・・・き殿、春月殿!」
懐かしい声がする。あぁ、成功したんだな・・・・・・よかったよかった。
もう二度と会えないかと思っていた。
あまりにも現実離れしすぎてたというのもあるし、正直自分でも半信半疑レベルだった。
だが、君はわざわざまた世界線を超え来てくれた。
「ご無事で・・・・・・グスン。お待ちしておりましたわ」
そうそうこの人はとても寂しがりやなんだった。泣き虫だったか覚えてないけど・・・・・・
ならばかける言葉は、
「こちらこそお待たせ、もう一度会えてよかったよ」
練習として初めての小説を書きましたがやはり難しかったです。
見返すとかなり端折っている部分が多く全く感情移入はできないでしょう。
ですが、この経験を次の作品にいかせるようにしていきたいと思います。
もし、最初から最後まで貴重な時間を使ってまで読んでいただいたのなら誠に感謝感激でございます。
誤字・脱字があればご指摘お願いします。
意見・感想お待ちしております。
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