プロローグ
......ここは......どこだ?
確かに俺は死んだはずだ。
その証拠に広々とした知らない天井が見える。俺は外にいたはずなのに......
そういえば、誰かの話し声が聞こえる。聞いたことのない言葉だ......
身体を起こそうとするが、腰が少し痛む。あの時ぶつかった衝撃か? まぁそりゃ、あれにぶつかったんだ、痛くないほうがおかしい。
俺はゆっくりと上体を上げて声のするほうを見ると、
すっと長い赤髪に豊満な胸、顔立ちは整っており少し切れ長な目には、右目にエメラルドグリーン反対にはルビー色のオッドアイという多くの男たちを虜にしてきたであろう美女といかついおっさんがこちらに気付き、美女が俺に話しかけてきた。
「rぇtちぃhjk」
いや、わからん。
だが、わずかの間で分かったことはどうやらここは日本ではないようだ。
まず、この部屋は日本のものではなく欧州の城みたいな部屋で家具などは全くない。
加え、二人の服装はどっかのセレブが着ていたようなものだし、なにせ、おっさんがでかすぎる。3mはないだろうが2mは優に超えている。写真でしか見たことはないが、確か世界記録保持者の身長は2m72cmだったはずだ。感覚的にそれくらいでかい。てか、よく見たら目がひとつ多くないか!?
美女のほうは俺と変わらないくらいだろう。目もオッドアイ以外、特に普通だ。
もしかしてではなく、確信した。
ここは噂の異世界ってやつか。
それならば話は早いが問題は言葉だ。
「kあsdぃfk?」
やはり、何を言っているのか全くもってわからん。残念ながら日本語のような言語ではないようだ。
そういえば、先ほどは気付かなかったが、なんて透き通った声なんだ。
いや、そんなことよりこのまま黙っていては相手も困るだろう。
もしかしたら、俺の言語に合わせられるような特殊な魔法があるのかもしれない。
とりあえず、返事はしてみよう。
「えっと......こんにちは......暁春月です」
返事は来ない。
やはり、都合よくそんな魔法などないのだろう。そうなるとやはり一から学ぶ必要があるか。
いや、言葉が通じないなら用済みで処分されるだろう。
それではどうやって逃げようか。扉の数は? どうやらひとつのようだ。しかも、二人のせいで塞がれている。ならば、窓は? 窓はないようだ。......詰んだ。
しばらく困惑していると、
「妾はサラ=スティーナでございます。これで......よろしいでしょうか?」
俺が女性と話すのが苦手だからだろうか。
あまりにも突然すぎたため、
「......あ、OKです」
これが、初めて交わした会話であった。
我ながら間抜けな返事である。
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