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第六話 予想外の悲劇

遅れてしまったー(T_T)花粉が辛い((+_+))目が痛い(>_<)

その夜、俺と父さんはレーダーが反応したのを確認すると

「牛乳がきれたから買ってくる。」

と理由をつけて外に出た。まあ、本当は二人で牛乳を飲みきっただけなんだが…間違ってはないしいいだろう。それにしても、牛乳はこんなに飲むものではないな。

「おい遥。そのスモークなんちゃらってのはどこにいるんだ?なあ!なあ!」

まるで子供のようにはしゃぐ父さんに

「スモークエネミーズ!これからそいつの居る場所に行くの。」

と言った。


変身してから、父さんを担いで走った。傍から見たら、普通は逆なんだろうな。と思ったが今は気にしてなんかいられなかった。人の命がかかっているからだ。

「さてと、目的地だ。」

そこには、俺の天敵がいた。

「こ…こんなのが毎晩いたのか…。」

「そう。で、毎晩こんなのと戦っていたのがこの僕。」

と、得意気に言って

「父さんはここで見てて。」

と続けて言った。パイプを触った人間はスモークエネミーズが見えるようになることは、この時初めて知った。俺は、父さんの目には止まらないほどの速さで動いて、攻撃をかました。

「これで…終わりだ!!」

その言葉通り、スモークエネミーズを倒してみせた。さて、父さんを担いで…

「遥、ちょっとコンビニ寄ってくれないか?」

「……え?」

「いや、牛乳買わないと…」

……父さん…意外と真面目だな…


その後、家に帰ってから俺は早めに就寝した。その翌日、父さんは俺を呼んだ。

「遥。その…実は…まだ昨日のことが信じきれていなくてな。未だに夢だったんじゃないかと思ってしまうんだ。」

まぁ、当然の反応だろうな。

「それにしても、あの力は凄かったな。俺も子供の頃、お前みたいなのに憧れたもんだ。だが、その力に頼りすぎてはいかんだろう。」

父さんは、座っていた姿勢を前のめりにして話し始めた。

「いいか、遥?この世界はどんなことがあっても、日は暮れて、夜がきて、そしてまた日が昇って一日が始まる。その一日の中で、人々は世界の『歯車』として存在するんだ。人々が活動することでその『歯車』は回って、世界が回るようになっている。」

俺は、その話を目を丸くして聞いていた。

「その『歯車』が無くなっても、その空欄を残したまま『歯車』は回り続ける。たとえ、空欄に気づかなくても同じことだ。でも、小さい『歯車』を増やして空欄を埋める。その『歯車』の種類は一つ一つ違ってな、目立つものも目立たないものもあるんだ。だから遥、お前は………」

「ねえねえ、パソコン貸してくれない?」

突然来た鮎に驚いて話すのをやめた。

「そ…そこにあるだろ。」

「パスワードは?」

「…ちょっと待ってろ。」

そう言うと、重い腰を持ちあげる様に立ち上がり、鮎に近づきパスワードを教えているようだった。


その次の日の夜。また父さんと一緒に倒しに行くことになった。今日は母さんが片栗粉が無いと言っていたので、それを理由にすることにした。

「父さん。今日は二体いるみたいだよ。」

「よし。先に片栗粉買ってこよう。」

…買ってから…か。そうして少し遅れていった。

「いたいた。父さんはここで待ってて。」

と、父さんを降ろして

「ミストアップ!」

と叫び、変身した。今日の相手は6本指のやつか。少し厄介だな。俺はその6本指でなお力が強いこいつに苦戦していた。たまたまレーダーが目に入った時には、もう一体が父さんのすぐ後ろにいた。

「父さん!逃げろ!」

叫んだ時に、父さんはスモークエネミーズに気づいていたが…その爪は父さんを貫いていた。

「父さん!」

俺は怒りに身を任せてスモークエネミーズを倒した。そして気が付いたら腕をとっていた。

「…はぁ…はぁ…は……る…か。昨日の…話…覚え…て…るよ…な。」

「分かったから!今は…」

「遥…お前は…その…中で………1…番…すご…い…歯車に…」

「分かった!分かったから父さんも…」

その瞬間、父さんの体が粒子となって空に消えた。

「『生きてくれ』って…言わせてくれよ…」

そのアスファルトには遥の涙が微量に溜まっていた。

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