表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/13

第一話 遥にとっての日常

俺の名前は一之瀬遥。18歳の高校2年生だ。平凡な日常を送り、能天気にあくびをしているこの二人に少しは感謝してほしく思う。まぁ、二人がいるだけで助かることもあるからなぁ。

「なあ、あとでノート見せてくれよ。さすがに成績に響く。」

と、ダメ元でお願いしてみる。

「あぁ、いいよ。」

え!?こいつにしては少し軽いな。

「これで貸し一つな。」

「…言うと思った。」

やっぱり裏がありやがった。だが、背に腹はかえられないか。

「……いくらだ?」

「う~ん。ここは1000円のところな、ん、と、半額の500円。」

と、高いトーンで話した。

「分かった、後で払うから見せてくれよ。」

「は~い。交渉成立~。いや~また儲かっちゃたね~。」

…やっぱりこいつえげつない。と、そんなこと話している間に食堂についた。


「ただいま。」

と言いながらドアを開けた。時間は今…五時二十四分か。

「おかえり~」

台所の奥から母さんが出てきた。

「鮎は?」

「今、部屋にいるわよ。」

鮎というのは、俺の姉だ。まぁ、俺も鮎も施設育ちで血は繋がっていないが、本当の兄弟のように接している。…まだ六月だし、日は暮れないよな。もう少しゆっくりしていよう。

「今日の夕飯は?」

「今日はね、ちょっと手間がかかるけどカレーライスにしようと思ってるの。」

「そっか。ちょっと楽しみだな。」

…こちらにとっても好都合だ。少し自分の部屋で待機しておこう。


六時十七分。遥は少しそわそわした様子で部屋を歩き回っていた。…もう少しだ。もう少しで、レーダーに反応があるはず。そのとき、手に持っていたスマホ程の大きさのレーダーに赤いマークがついた。奴だ!窓を開け、ベランダに出ると、短めのパイプを手に持った。

「ミストアップ!」

こう叫ぶと、パイプから出てきた煙がみるみるうちに遥の体を包み込み、体には水色の防具、手には黄色の光沢のある剣があり、変身する前では考えられないような逞しい姿になっていた。レーダーには反応が一つ。スモークエネミーズだ。おそらく夕飯前には余裕で間に合うだろう。そう思い、遥はベランダから飛び降りた。今日は、いつもより少し出現が早い。まぁ、一体だけだしなんとかなるだろう。と、走りながら考えていると、レーダー反応のあるところまで来ると、ビル7階程の大きさはありそうな化け物がいた。さてと、一仕事いくか。

「こっちだ!」

スモークエネミーズの頭上にまで跳び上がってからそう言うと、スモークエネミーズはこちらに反応してきた。すかさず頭に一撃攻撃をくらわす。怯んだすきに腹部にでかい風穴を開けてやった。

「よっしゃあ!」

決まった。すると、体からどんどん煙が出てきて最後には跡形もなく消滅し、辺りにはスモークエネミーズから出てきた煙が地面を埋め尽くしていた。それを遥は、パイプを取出し煙を吸収した。これが、次に変身するためのエネルギーになるのだ。家のベランダに戻り、変身を解除して時計を見ると、7時10分だった。…もうそろそろカレーが出来たころかもしれない。遥は急いでリビングへと戻った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ