外伝第十回:戦闘描写について
外伝第十回:戦闘描写について
どうも、雪だるまです。
これでトータル十回目、外伝だけで言うなら3回目となります。
思ったよりも反応があって、個人的には嬉しい限りです。
さて、雑談はここまでにして、本題に入りましょう。
「戦闘描写について」
上記についてのアドバイスをしたいと思います。
まあ、あくまでも、私個人雪だるまの私見と偏見を混ぜたものですので、それを十分理解したうえで読んでください。
まず、基本的なことから説明しましょう。
戦闘描写をなぜ書くのかということを考えてください。
なにを言っているのかよくわからないという方もいるでしょうが、ただ戦闘が起こるという事象はありえません。
なにかにしろ「目的」があって戦いが起こります。敵同士が会えば偶発的に起こるじゃないかという意見もありますが、この偶発的な遭遇の場合の目的は「身の安全の確保の為に敵の排除」となります。
と、このように、理由のない戦闘は起こりえません。
酒に酔っての喧嘩なのか、決闘の勝負なのか、魔物との戦いなのか、戦争なのか、つまり、舞台はすでに戦闘描写を書く前に決まっているということになります。
ここが「戦闘描写」において一番大事なところになります。
「戦闘描写」は武器などの操作描写、攻撃音のことだと思われがちですが、違います。
「ガチャガチャ」「ビュン」「バン」など、効果音だけではどんな戦闘をしているかもわかりません。
大事なのは、舞台に応じて、どのように敵味方が動いたのか、つまり周りの環境を描写するのが大事なのです。
ということで、戦闘描写を書く現場、舞台をよく考えてください。
次は実際に、戦闘描写を書いてみましょう。
まあ例として「酒場での酔っ払いにからまれた」と想定しましょう。
考えられる事柄は、店内である、酒がある、ビンがある、カウンターか、テーブルなど。
登場人物は酔っ払いに絡まれた主人公と絡んでくる酔っ払い。そして、周りにマスターや他のお客などですね。
それらを踏まえて……。
例)
「あんだぁ? てめぇ、何見てんだよ!?」
酔っ払いが徐に立ち上がり、こちらに向かってふらふらを向かってくる。
騒ぎを感じ取った周りの客は、テーブルごと、俺と酔っ払いから距離を取る。
「お、お客さん。おちついて……」
だが、流石に店長は自分のお店に被害が及ぶのを恐れて止めにかかるが……。
「うるせぇ!! こっちの坊主が睨んできたんだよ!!」
やっぱりというか、予想通りというか、店長の制止を無視して、酒瓶をこちらに向かって、ブンッと投げる。
「よっと」
が、酔っ払いの投擲が当たるわけもなく、速度も大したことがないので、受け止める。
「てめぇ!? 人の酒とるんじゃねえ!!」
上記のようにどれだけ周りの状況を書くかで、現場がわかりやすくなるでしょう。
効果音や、動作などの描写はおまけ程度と思っていいでしょう。
しかし、決闘などの舞台では、一対一で障害物も何もないのでは、動作と効果音しかないのでは? と思われる方もいるでしょう。
ですが、そうでもありません。
どのようなきっかけで決闘になったのかで、色々描写の仕様があると思います。
例えば、人質や何かを条件になどというのならば、動作に制限がついたり、ぎこちなくなったりします、それを書き足し、より決闘の舞台を深く見せることができるでしょう。
無論、決闘など魅せる動きをする場面では、動く、攻撃の描写をより深めて書くのも大事でしょう。
ただ「攻撃を躱す」を「踊るように攻撃を躱す」か「必死になって躱す」で余裕なのか、切羽詰まっているのかがわかります。
「相手に剣を振るう」を「全力で相手に剣を振る」と「牽制で軽く振るう」では、意図するところも違うでしょう。「剣を振る」という5文字も、こうやって色々あるということです。
まあ、省略したい時などは「剣を振るってあっさり倒す」などで戦闘描写をほぼなしで終わらせることも可能ですね。
とまあ、「戦闘描写」に関してはこんなところです。
あとは実際書いてみて「経験」していくしかありません。
想像しにくいのであれば、実際イメージの通りに動いてみると良いでしょう。
無論、再現できる動きだけですが、それだけでも見えてくるものがあると思います。
剣をなどを持つといっても、重さを感じますし、それを軽いと思うのか、重いと思うのかは人それぞれだということです。
それを登場人物に合わせて書くという作業になるので、なるべく書く本人、私たちがその状況をよく理解していないといけません。
最後に、どのことに関しても同じですが「やってみないと始まらない」ので、書くのを躊躇うではなく、書いてから改善していくのが大事です。あとは書くあなた次第です。
では、今回はこんなところです。
次回は何かあればあると思います。聞きたいことがあれば感想にどうぞ。