俺が変えてやる!
「私たち決まった魔物しか倒せないんです」
リーナから予想だにしなかった答えが返ってくる。
「…えっと〜、つまりどう言うことですか…?」
「そのままの意味です。私とボロスさんなら以前からこの村近辺に住みついていた魔物、他の方なら道中に出現したトレントとばくだん鉱石という魔物ですかね」
木の伐採や鉱石集めをよく頼まれたりするので、対処には慣れてるんです、とリーナは少し得意げに話す。
自衛団はもはや農家や工事現場のおじさん達と化してしまったようだ…。
「どうしてそんな変な状況になっちゃったんですか!」
「実は以前は自衛団の団長を務めていた私の父が魔物との戦いを教えてくれていて自衛団もそれなりに栄えてはいたのですが、その父が今…」
なるほど。それでは大猪に太刀打ちできないのも仕方ない。だがだからと言ってこのままでは困る。
「その…、リーナさんの父が居らっしゃらなくなってからはどうやって活動していたんですか?」
「みんな父が居なくなってからは、ただただ今まで受けていたような依頼をこなしていました。ただ、その…今ではその作業にも飽きがきてしまったのか、この有様で…」
リーナは苦笑しているものの、その瞳はどこか寂しそうである。
ただ戦略を立てて自衛団を指揮し、すぐにでも魔族を倒してやろうと軽く考えていた自分の甘さが嫌になってくる。
しかしこうなったら予定とは違うが、俺がこの自衛団を一から変えてやる!