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02.邂逅

いきなり入学式から数日飛びます。


 この春、めでたく高一となり、めでたくない未来を思い出し、とあるアホッ()のおかげでライバルキャラとのファーストコンタクトを済ませた私の名前は、土筆寺帝。

 顔は中の上(自称じゃ無いよ、制作側がちょっと頑張ってくれたんだよ)。髪は黒のセミロング。体形は中世中肉。頭脳は偏差値平均ド真ん中といういたって平凡系な少女だ。

 前世の記憶持ちとか、えげつない死亡フラグ持ちとかの部分は、あまりツッコまない方向でお願いします。


 さてさて、どうして私がこんな説明を唐突に始めたかといえば、私はこれまで『彼氏無し』、『そんな者が出来る兆しも皆無!』、『人生初の告白0.1秒で拒絶』という人生を送ってきた。

 止めて、可哀想な物見る目止めて。思い出すと死にたくなる!

 と、そんな私の身にだよ? 昨日、可愛いハートの付いた手紙が机に入っているという事件が起きた。

 今日は入学から十日目の四月十六日。私は件の手紙片手に、体育館裏に差し掛かる寸前の場所へとやって来て――――今、頭を抱えている……。


「ふっ……ふふ、分かっていたさ。人生そんなに甘か無ぇって」


 静かに泣きながら、ハートのシールが付いている桃色封筒を握り潰す。最初にそれを見つけた時は内心舞い上がっていた。素早く封を開け、速読した内容は予想通り。小さくガッツポーズまできめた。

 手紙の中には『愛している。翌日の朝に体育館裏で待っている♡』とあったのだ。

 本当に私は舞い上がり過ぎていた。今時ラブレターなんて古風! どんなお堅いイケメンが私に……!? と、気配を殺して体育館裏を影から覗くくらい。そしたらだよ。


 視界に映ったのは、巨漢だ。

 うん……別に巨漢が嫌いな訳じゃ無い。ただあまりにもそっくりだったのだ。いや、もはやそっくりなんてレベルじゃ無く、生身の人になって法隆寺の南大門から歩いて来たんじゃないかって疑うほどの人物だったのだ。

 険しく厳つい顔立ち、制服の上からでも分かる隆々とした筋肉。ずばり、金剛力士像に。


「よし。手紙は見なかった事にして帰ろう」


 怖いけど。今後の事を考えると、とっても怖いけど……。

静かにそろ~っと、この場から撤退を試みる。「土筆寺さん」という、透き通った王子様のような声に釣られ、背後を振り向くまでは。

 私はちゃんと考えて振り向くべきだった。

 私の背後は、やや薄暗い体育館裏オンリー。そしてそこに居るのは金剛力士オンリー。


どうして声だけ無駄にイケボォォオオオオッ!?


あまりの衝撃に開いた口が塞がらず、硬直する他無い。


「文は読まれたか?」


 金剛力士はフンヌッ、と荒い鼻息を立て、丁寧且つやや古風に尋ねてきた。


「あ、はい……よ、読ませていただきました」


 気迫の強烈さから、自然と口調が敬語になってしまう。


「ならば話は早い。早速死闘を始めようではないか」


 シ ト ウ? 獅子唐?

 炎でも吐き出せそうな口から飛び出た物騒極まりない単語に、脳が凍結するところだった。

 い、意味が分からない。本当に分からない。しかも、いつの間にか目の前の筋肉隆々男は目ぇギラギラさせてるし。背後に真っ赤な何か背負ってるし。

 ちょっと待て、まさかそれ闘志ってヤツですか? 女子高生に向けるものじゃ無いよね? 出来ればもっと過去に生まれて、戦国武将とかに見せつけてほしかったなぁアハハハハ……なーんて、現実逃避してる場合じゃ無い。


「『しとう』?」


 まるで、初めて聞いた単語のようにたどたどしい発音になった。だってしょうがないじゃん。向けられてるモンのせいで全身ガタブルなんだもの!


「然様。聞けば其方、南方の島に伝わる殺人拳を極めた猛者らしいな」

「んな訳あるかッ!!」


 あまりにも空耳すぎる事で、震えと敬語が抜けた。


「隠さずとも良い。儂ほどギャルゲーを極めればそのくらいの強さ、優に感知できる」

「普通そこは武道を極めてるんじゃないの!?」


 そんな強そうな外見しといて!


「て、てかあの……! この手紙には『愛してる』とかあったんだけど!?」


 グシャグシャになった手紙をピラリと開いて私は訴えた。普通は好きな人間を殺す輩なんていない。この金剛力士像が死体愛好家だとか、好きな子を殺して解体する事で快楽を得るサイコパスで無ければ。


「うむ。その通りだ。故に死闘を申し込んだ」


 おかしいな。使われている言語が日本語である事は理解出来るんだけれど、意味が全く理解出来ない。


「儂は中学時代。入学式翌日に思いを告げて来た少年にケツを掘られた事がキッカケで、男の身でありながら男性恐怖症を患った」

「何その壮絶な中学生ライフのスタート。聞きたくなかった」


 最悪の切り出し方に、こっちはゲッソリとした表情を浮かべるが、金剛力士は構わず続ける。


「そして引きこもりがちになり、家でただただギャルゲーに勤しんだのだ」

「よくそれで受験受かったな」


 頭が痛い。けれど金剛力士の話はまだ続く。


「数多の嫁に囲まれた儂は悟った! 我が人生、ハーレムを築く他に道は無し!!」


 金剛力士の眼から血の涙が……。でも、あえて何も口にしない。と言うか、したくなかった。


「故にまずは貴殿を攻略させてもらう……! 女の子の攻略ッ、それが儂の死闘だ」

「ふざけんな願い下げじゃボケ」


 金剛力士の表情は、相変わらず喜怒哀楽の怒を現している。しかし、私にはその雰囲気から初めて相手が驚愕していると分かった。


「何故だ!? そのような冴えないなりで、其方は彼氏居ない歴イコール年齢だろう!! 更には必殺必勝の殺人拳の使い手……っ、この先恋人ができる可能性など皆無であろう!!」


 血達磨にしたろかコイツ。

 胸の奥にマグマのような感情が溢れるのと裏腹に、頭の中が酷く冷たくなる感覚を覚える。只今、どういう処刑を行なおうか脳内会議で次々素敵な案が飛び交っておりまーす。例えば、金的の後、骨という骨を全部へし折り体育館の天井から逆さ吊りに――とか考えていたら、私のすぐ横の壁がグシャリと抉れた。


「……え?」


 間抜けな一文字しか口から零せない。


「言い忘れておったが、儂は魔導科だ」


 おふざけが七割占めていた脳内会議を強制終了させる。私の顔には今、きっと緊張と驚愕の色が露骨に浮かんでいるだろう。

 前にも同じような事を思い浮かべた気がするが、魔術が存在する世界であろうと、全ての生き物が使える訳じゃ無い。『魔力持ち』――そう呼ばれる者だけが、適正者として魔術を学ぶ義務を負い、行使する。此処は魔術を使う人間が半数を占める魔導大学付属高校。なのに、私は何を調子に乗っていたんだろうか。私はゲームと違い、普通科判定を受けた『魔力無し』だというのに!


「本来、緊急時を除き、普通科の生徒に魔術を使う事は禁止されているが――愛の前に校則など無力!」


 金剛力士が無茶苦茶な事宣ってる。もう、本当にどうしよう。


「よって今! 儂の申し出を断れば」


 魔力無しが魔力持ちに素手で勝とうなんて、ハッキリ言って不可能だ。よっぽど魔力持ちがアホか、逆に魔力無しが天才か、後は空から槍でも降ってくるような奇跡が起きなければ。


「――明日の全校朝会の真っただ中で、其方の服を木っ端微塵にさせブフォウワッ!!」


 金剛力士の最低な企みを聞き終える前に、ほぼ無意識に私の脚は上がっていた。


「お……恐るべし、南方の殺人拳」

「だから、そんなもん極めてねぇっての」


 壁にもたれかかるようにして脱力する金剛力士に、ゴミを見る時の視線をくれてやる。


「だが……此処で我が覇道を邪魔出来ると思うなよ!」


 立ち上がって恐るべき回復力を見せつける金剛力士。彼の言う覇道とやらが、ギャルゲーベースの高校生デビューだという事が残念でならない。


「攻略不可能と謳われた幻の乙女――白月姫(しらつきひめ)マロンをオトした奥義『永遠の(アルティメット)(・デス)』で、確実に仕留めてくれるわ!!」

「お前本当にギャルゲーやってたんか!?」


 響きからして女の子をオトしたのでは無く、殺したとしか思えないんですけど!!

 だが、そんな声を上げている間に金剛力士が跳びかかって来る。ギャー! 大岩も砕けそうな膝落とし! 当たったら絶対死ぬ!


 土筆寺帝。アンタって子は、ライバルキャラに巻き込まれる死亡フラグよりも、大変な死亡フラグ抱えてたんだね。出来ればこの話は前世で知っておきたかった!

 ああ、そうだ忘れちゃいけない両親への謝罪。お父さんお母さんごめんなさい。私は今日、親孝行出来ずに死にます。


「はいはい、そこまで」


 人生のエンドロールが流れるはずだった。鈍い音と同時に、金剛力士の呻き声が空気を裂くまでは。

 何故こうなったのか、なんて考えるまでも無い。事は驚くほどサクっと済んだのだ。私が見たのは、体育館の非常出入り口を物凄い速度で開けた男子と、そこに膝をぶつけて轟音を響かせた金剛力士だった。その男子は元より無表情なのか、どこか冷たいけれど冷酷とは程遠い表情で扉を閉める。

 あ、扉に凹みが出来ちゃってる。


「大丈夫?」

「あ、はい……」


 私が呆気に取られたまま返すと、男子は地面でのたうち回ってる金剛力士を見た。魔術は一切無しの攻撃だったようだ。うん、まあ……強そうに見えるけど、高校入学まで引き籠ってたんだもんね。鉄の扉には流石に叶わないよね。


「膝に強化魔法でもかけときゃダメージ軽減しただろうに。ま、女子相手にそこまでして本気の技撃ち込む馬鹿の半月板がどうなろーと知ったこっちゃ無いけど」


 男子はそのまま、何か言いかけた金剛力士の鳩尾に重たい拳を撃ちこんだ。

 金剛力士、泡を吹いてジ・エンド。


「春になると変態が多くて困るよね」


 男子がこちらを向いて欠伸をした。ていうか……何この人!? スラリとした長身に、さっぱりとした黒髪。深い海色の瞳は切れ長で、女子にも引けを取らない綺麗な顔立ち。来崩しているけれど、清潔感は忘れていない制服姿。

 こ、攻略キャラ? な訳無いよね。前世の友達、病的に何度もプレイして全員攻略してたみたいだけど、こんな素敵な男子の話一切しなかった。でもあの攻略キャラ達より遥かにレベル高いぞこの人! これは、もしかしなくても!


「私の恋がとうとう始まった!?」

「え、マジ? ごめん。女は胸と尻がキッチリあるエロ可愛い子が好みだから、アンタ無いわごふっ」


 渾身の右ストレートが決まる。

 ――もう恋なんてしない。男なんて糞だ。


「おろし器で脳天から擦られて死ねッ」


 私は、命の恩人改め変態野郎を金剛力士の上に捨ててその場を去った。






 そういう出来事が有った昼休み。

 どういう訳か、私の頭上にはモーゼ様が君臨しているようだった。理由はよく分からないけれど、クラスメート達が露骨に私の居る席を避けて教室内を歩いている。

 右隣と前後の席の子達なんて、自分の机に用が有るけど近寄れないって雰囲気出してるし。


「ミカさん。その殺気、そろそろしまったらどうですか?」


 親しい人間にも常時敬語な幼馴染二号――榊織十(さかき おりと)がただ一人、左隣から私に声をかける。ちなみに、本来なら同じクラスに居る一号は二時間目からサボリを決め込んだ。って、いやそれよりどういう事? 私の頭の上にモーゼ様が御光臨してる訳じゃ無いの? 私が超絶不機嫌で、皆が怯えてるって?


「私は至って穏やかな心境だよ。そりゃもう春の日溜まりの如く」

「僕にはレーザー光線を情け容赦無く発射する兵器に見えますが」


 むっ。失礼な……。


「ねえリト、男子はやっぱり大きな胸とお尻が良いの? 女の価値をそこでしか判断しないの?」

「人それぞれでしょう。が、とりあえず教室の真ん中でその質問を繰り出す女性は喜ばれません。……あの、もしかしなくても今朝の件が関わってます?」


 呆れた表情を向けてくるリトに、私は小さく頷いた。リトには昨日、ラブレターを見つけた瞬間に驚愕と歓喜を込めて「とうとう私にもモテ期来た!」なんて馬鹿みたいに報告してしまったのだ。


「告ってきた奴が殺人未遂犯で、変態が助けてくれたの」


 ボソっと呟けば、何とも言い難い視線を向けられた。


「まさかラブレターと果たし状を間違えてたんですか? 馬鹿ですね」

「リトの正直者! てかもう本当に聞いて。何か私、南方の殺人拳を極めてると思われたんだよ」

「……思われても仕方ないのでは?」


 二、三回瞬きしてからコテンと首を傾げるリトの仕草は、やけに可愛い。く……っ、男のくせに。


「何でさ? 別に私暴力的な事あんまりした事無いのに」


 こんなに大人しい女子そうそう居ないと思うんだ。自分で言うのもアレだけど、今は失われし大和撫子の生き残りとは私の事だと思うんだ。


「中学時代にちょっぴり陰湿なイジメ騒動起こした女の子を一分で特定し、ケブラドーラ・コン・ヒーロをマジでかけた方が何を仰いますか」


 背後から大きなエンマがガシャガシャ音立てて近寄って来てる気がする。


「前の日にお姉ちゃんの部屋でその手の本読んじゃったからつい……」

「『つい……』で、背骨折りの類をかます女性がいては堪りません」


 うぐっ、正論だ。


「それよりも、ミカさんのお姉さんはどうしてそんな本を……」

「彼氏が浮気したら半殺しにするため」


 遠い目になってリトは納得していた。

 私のお姉ちゃんは、男見る目が絶望的だ。毎度毎度、もうワザとやってんのかって思うくらい浮気する男を引き当てる。そして浮気が発覚したら即刻病院送りにしている。唯一の救いは、その病院がお姉ちゃん自身の経営している病院だという事だろう。こっちが入院費の支払いをする必要は無い。浮気した彼氏共はそこから更に地獄を見せられる訳だが。


「お姉さんは何故男が浮気した時の対処法では無く、浮気しない男を選ぶ目を磨かないんですかね?」

「お姉ちゃんしか知らないよ」


 否、実はちょっと分かってる。目以前に、あの人は青春時代を勉強漬けにした反動があまりにも大きすぎるのだ。「待ってるだけでいいの。私は白馬の王子と結ばれてるのよ――そう、つまりね……私は恋に恋してるのよ!」なんて豪語してた時があった。これを私は『姉語』と呼んでいる。ニュアンスしか掴めない日本語はもはや日本語じゃ無いと思うんだ。ちなみに日本語訳すると「相手の下調べなんかいらない。運命の赤い糸で結ばれてる二人なんだもの。ラブラブ新婚生活はもう目の前よ!」と、こうなる。常識の欠如とはげに恐ろしや。


「土筆寺さん」


 鈴のような綺麗な声。それを鼓膜が受け取った瞬間、私は小さな眩暈を覚えた。

 一瞬だけベージュ色の机へと向いた視線を上げれば、ヴィーナスも裸足で逃げ出すような美少女が心配そうに私を見ている。

 出た……小夜曲さん。私に盛大な死亡フラグをもたらす小夜曲さん。何故かめちゃくちゃ構ってきてくれちゃう小夜曲さん。


「大丈夫でしたか? 今朝、何やら野蛮な方にお会いしたとか」

「ああ、うん。大丈夫だよ」


 何で知ってるんだ? いや、考えるまでも無かったわ。この人、かなり良いとこのお嬢様だからSPとして校内に隠密部隊入れてるんだった。


「本当はもっと早くお伺いしたかったのですが、ごめんなさい」

「いやいや! そんなお構いなく」


 本当に構わないで。貴女と居ると私人生終るから。という本音は死んでも口に出来ない。

 魔導科だから教室遠いのに、どうしてこうもしょっちゅう私の前に現れるんだろうか?


「小夜曲さん、顔色があまり良くありませんよ?」


 と、そこでリトが助け舟を出してくれた。ありがとうリト! 私がこの人避けてるのを知ってるもんね! このまま彼女を教室から保健室へ行かせるんだね!


「ああ、やはり疲れているように見えますか?」


 どうやら小夜曲さんは本当に調子が良くなかったらしい。何故だろう? 急に嫌な予感がしていた。


「実は今日、転入生がうちのクラスに入ってきまして」

「珍し過ぎる時期ですね」

「魔力鑑定にミスがあったようで、急遽、普通科から移動してきましたの。それで(わたくし)の隣の席になりまして、先生から色々と手助けを任されたのですが」


 予感的中。その転入生、ヒロインですね。

 表向きには魔力鑑定ミスって事になってるけど、前世の友人Aは「元は魔力無しなんだけど、神様に選ばれて魔法少女覚醒したのよ」って、言ってたな。んでもって確か、小夜曲さんの婚約者が一番初めに一目惚れするんだったような……。


「小夜曲さん、浮気する男は一番に抹殺した方が良いよ」

「ご、ご忠告どうも……ですが今はそういう話はしておりませんわ。実はその転入生がずっと私を凝視してきて、居心地が悪いのです」


 ――ん? 耳と脳ミソ腐るほどゲーム内容詳しく聞かされたけど、ヒロインは転入当日にそんな事をしただろうか? 事細かな部分まで気持ち悪い程記憶していた友人Aは、ヒロインは小夜曲さんを一目見て萎縮したと言っていた。だから小夜曲さんの婚約者と絡むまでは全く関わらないと。


「あの、小夜曲さん。その人の名前ってさ、日向環菜(ひゅうが かんな)?」


 確認のためヒロインの名を出せば、小夜曲さんとの距離がグイっと縮まる。


「お知り合いだったのですか。でしたらどうすれば良いかご存じありません? あの人、時々小声でブツブツと『悪役令嬢』『悪役令嬢』と仰っていて、なんだか怖くて」


 おぅふ……。そうかそっちか。ヒロイン、前世の記憶持ちか。下手するとネット小説でプギャーされてるタイプだ。

  ここで私は、ある事に気づいた。


 ヒロインが転生者でプギャーされる場合、本来の悪役キャラはハッピーエンドを迎える事が多い。


 現状なら……あり得るかも。小夜曲さん、ゲームと色々違うから。本来は庶民に対して上から目線で嫌われてるはずなのに、私だけでなくリトともまともに会話が出来ている。

 あれ? もしかして私、小夜曲さんを避ける理由が無くなったのではないだろうか? ヒロインが人生終了して、小夜曲さんがハッピーエンドになるならば! 私、死なないじゃん。安全じゃん。


「小夜曲さん」

「はい?」


 けど、爆弾は何処に埋まってるか分からない。


「その子の度が過ぎたら、駿河湾に砂袋付けて沈めてやろうとか考えてない?」

「え、どうして分かったんですの?」


 ……うん、確認してみて良かった。安全ってこたぁ無いわ。

ゲームだとそれをやって小夜曲さんが後々ぶち殺されるのだ。そして私も、共犯にされてとばっちりを受けてしまう。


「小夜曲さん、とりあえず私は日向さんとも小夜曲さんともこの先関わりたくないな」


 ド直球に笑って告げると、小夜曲さんはしょんぼりと肩を落としていた。レア顔見ちゃった。


 幼馴染二号君が登場。

 帝がボケた時は、彼がツッコミを入れます。

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