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今更ながら、召喚師デビュー!  作者: 古澤深尋
8/24

高崎百合(ユラ)、リアルでも置いてきぼりに。

記述要領を変更、一部加筆しました。


また、以前ヅラを吹き飛ばされた人物を課長から次長に修正しました。


皆様の暇つぶしにでもなれば幸いです。

引き続き、よろしくお願いします。

 目が覚めるとよく知っている天井が見えた。

 木目の数まで数えてあるし、今更感慨もない。

 

 ちなみに爺様がクリスマスにサンタを気取って天井板を外して降りてきたのを見て私がギャン泣き、婆様が出刃包丁持って飛んできて爺様を土下座させていたのはいい?思い出だ。

 私がしばらく泣き止まず、両親まで起きて来て爺様の立場がなくなりかけていた。

 泣き止まなかった理由は、出刃を持った婆様の様相が子供心になまはげのように見えてしまったからだ。


 婆様の怒りのオーラ+出刃包丁=なまはげ…

 仏壇に手を合わせて心底謝る。

 婆様、ごめんなさい。

 あ、爺様は元凶なんで、私の代わりにしばかれておいて。


 会社でプレゼン資料を作り、データを保存してパスワードをかけ直し、ちょっとした罠を仕掛けて外廻り。

 以前からちょこちょこ私のパソコンに勝手にログインしてデータをいじっていく奴がいるのだ。

 サンドイッチのおいしい店で野菜たっぷりのチキンサンドを買って戻ると、係長が私のデスクでパソコンを開き、白目を剥いて失神していた。


「山中、権藤の姐さん呼べ」

「ひゃい!」


 何か返事がおかしかった。

 後から聞いたら私が激怒しているのが分かってビビッてたとか。

 激怒?

 あんなので激怒とは言わない。

 とりあえずスマホで醜態を激写しまくり。

 小心者過ぎて笑える。


「百合ちゃん、どうしたの…何これ?」

「私の不在時にIDとパスワード勝手に使って不正ログインしたっぽいですね」


 敬愛する先輩女子社員、権藤愛美さんに頭を下げ、事情を話す。


「百合ちゃん、さすがにこういう話は筋が違うわよ?」


 権藤さんが眉をひそめたので、慌てて用件を伝えた。


「あ、いえ、会長と社長に、こういう使い方をしてごめんなさいと高崎が申し上げていたとお伝え下さい。」

「ん?…ブプッ!アハハハ、何これ!ひどいわねえ!」


 私のパソコンの不正アクセス後の画面。

 我が社の会長、権藤道造氏と、社長の権藤昭雄氏が怒りの表情でこちらを睨む。


『不正アクセス、見ておるぞ!』

『左遷がいいかね?解雇かね?』


 その頃、執務室で盛大にくしゃみをした御大方がいたとかいなかったとか。


※※※※


 資料室で盛ったり、人のパソコンに侵入して成果を盗もうとしたりと、風紀が乱れているため引き締めるとお達しがメール配信された。


 (まずい…定時で帰れないかしら。)


 仕事自体はさっくり終わらせてある。

 バ係長は不在なので上位者のハゲ課長代理にお伺いを立て、課長に決済を頂き、バ係長の不始末についても顛末まで報告した。


 「…」


 さすがの剛の者の課長も、会長社長の画面に関して渋い顔。


 「ブフーッ」


 違った、笑いをこらえてただけだった。


 「高崎主任、聞いてはいたが、破天荒だな。面白い」


 権藤ファミリーに気に入られただけあるなあ、と呟き、辞令を渡してきた。


 『営業部第三営業課 営業2係主任 高崎百合  前記の者を〇〇をもって総務部秘書課に配置を命じる』


 …えーっと…

 ナ、ナンダッテー!

 婆様をなまはげとか思っちゃったバチなんですかねえ!?


 

 引き継ぎの準備を始める。

 

「あれ、どうしたんですか主任」

「不定期異動」

「へ?」

「秘書課だってさ」

「え…」

「定時に帰れなくなる…」

「そこなんですか?」

「うん」

 

 接待は多いだろうし、休みも不規則になりそうで嫌だ。

 本当、ガッカリだ。


※※※※


 ゴリゴリ

 薬草をすり潰す。

 コポコポ

 清水に入れて、煎じていく。

 カラカラ

 途中で魔石粉を入れて、よくかき混ぜる。

 トポトポ

 きちんと漉して、瓶に詰める。

 瓶は『どこからか出てくる』。ファンタジー。

 「おお~」

 きれいに透き通った柔らかい緑色の液体になれば完成。


 【初級回復薬(F)】:回復量5 間隔10


 …薬と評価されただけよし。


 《錬金術スキルが1上がった!》


 一度作成すれば、短縮登録することで少し品質の劣るものを自動生産できるようになるので、最高品質の回復薬を作る必要があるのだ。


「ごめんね、今日はもうすぐログアウトするから、あまり遊んであげられない。」

「お母様、今日は高台に行きませんか?ミミが好きそうな屋台もありましたし。」

「そうね、ミミもそれでいい?」

「うん!」


 錬金術セットを片付けて、手を繋いで高台に向かう。


「あ、油揚げ!」


 素早い、さすが狐素早い!

 もう屋台にかぶり付きだ。


 「ママ!」


 目がキラッキラだ。

 はい、私の負けです。

 品揃えはいなり寿司、うどん。

 プレイヤーの店?

 

 「いらっしゃい」


 店主は住民、テゴンさんというらしい。


「東方の島国、ヒノモト国の料理で、簡単で旨いのが売りですよ」


 よく知ってます。


 いつか自分でも再現してやろうと決意しつつ、いなり寿司をミミに食べさせてリルと私はうどんをすすり、少しミミにも分けてやって近くの女神像付近でログアウト。


 

 



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