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今更ながら、召喚師デビュー!  作者: 古澤深尋
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管理者『アリス』

多くのコメントありがとうございます(^人^)

こんな駄文ですが、今後ともよろしくお願いします(^○^)


28.11.06:『次長』を『課長代理』に修正

 狐娘の名前をミミに決め、契約。

 ちなみにここに至るまでにヴィルナールサーガ・オンライン上で半日かかった。

 まず怯えなくなるまでに私とリルで声かけ~ボディタッチ~抱っこ~餌付けと行い、会話ができるようになってから今度は契約に応じてくれるまでにおままごとやらお歌やら餌付けやらかかり、名前を決めるのにこれまた一悶着あり…


「疲れた…」


 リルも私もぐったりしている。

 ミミはご機嫌で、私に肩車されて喜んでいるけど。

 まあ、いいや。


「じゃ、お騒がせしたわね」


 九尾の狐は少し離れた所でこちらを見ていたが、私たちが出て行くと分かって露骨にホッとしている。


「ミミをよろしく頼む」

「もう家族よ。任せて」


 リルと同じくミミも妹というか、娘というか、まあそんな位置。

 入った時とは別の場所から退出すると、最初の家の中だった。


『戦乙女に続き、天狐を…やはりすごい』


 なんかエフェルさんが薄らいでいる。


『他にも契約を望む子がいます。貴女なら必ず巡り会えるでしょう。私は天に帰ります。後はよろしくお願いします』

「え、何をどうお願い…待って待って!」


 ああ、消えてしまった!

 最後の笑顔がやたら清々しく思えたのは被害妄想だろうか。

 いや、あれは急な残業を押し付けにくる課長代理の愛想笑い並みに怪しい。

 次課長代理には先日百歩神拳の要領で取引先の重役の前でヅラを吹き飛ばしてやったから仕返しは出来たけど、エフェルさんは…


「あら、外ですね」


 気がついたら小径も消えて、道に出ていた。


「ママ、ママ!海、海!」


 町の南を指差して興奮するミミ。

 だけど残念ながら、間もなくログイン制限時間。

 丸っと投げられた感満載のまま、本日はログアウト。

 よく分からないことが多すぎる。


※※※※


 マスタールームにて。


「ログ収集完了。リーダー、これはまずいです」

加苅雪はレポートの内容を見て顔をしかめる。

「【拳を極めし者】【鬼子母神】がパッシブ化?何の冗談よ」


 しかも称号【万夫不当】【勇者】まで。

 【拳を極めし者】は他にも持っている者がいる。

 ただしパッシブ化はされていない。

 もともとの発動条件が『命の危機が迫った場合もしくは自分より格上の敵とソロで戦う場合』と厳しめだ。

 だが【鬼子母神】はまずい。

 これまで潜在能力で付与された者はα版からなく、開発テストでのみ検証されただけだった。

 当時、パッシブ化された効果がパーティーメンバーに及ぶように設定されており、バランスブレイクの槍玉に挙げられた経緯がある。


「開発テスト時はレイドボスの古龍をパーティーで倒せちゃいましたしね」

「フレンドへの効果だけでも削除させないと…」


 パーティーメンバーをフレンド登録してしまえば意味がない。


「コンソールコマンド、スノウからアリスへ。」


 すぐに反応があった。

 目の前に立体映像で一人の少女が形作られる。


『ユキ、どうしたの?』

「アリス、見ていたんでしょう?あの召喚師のスキル構成についてよ」

『ええ、【鬼子母神】の『フレンドの部分』は了承したわ。でも、他の部分はダメよ』

「何故?」

『ヴィルナールの世界の根幹に関わる事なの。ワールドクエストに関わる人物が【鬼子母神】をパッシブ化して保有しているの。彼女は異邦人達と共にヴィルナールの世界を守る役割を持っている』

「他のスキルで代用は?」

『…させない。』


 皆の雰囲気が変わる。

 AIが口答えした。

 加苅も気持ちを切り替える。


「アドミニストレータとして、監察権限110号を行使」

『上級権限QBR-1157により監察権限110号を停止、以降アドミニストレータからの干渉をログ収集のみに制限する』

「は!?」


 立体映像が消え、マスタールームの面々は凍り付いた。

 極めて危険な状況が生起している。 

 今のやり取りを録画したディスクを用意させるとともに、加苅は会社の上層部に緊急連絡を入れた。


※※※※


 会社で定時にピシッと仕事を終え、他の同僚に声をかけて上がる。


「お先に失礼します。」

「お疲れ様でした。」


 今週金曜は四半期毎の懇親会。

 要は体のいい飲み会だ。

 金曜のログインはあきらめているので、他の日は出来るだけログインしたい。

 帰りのバスの中、吊革に掴まらずに自然体で立つ。

 姿勢を保持して自宅最寄りのバス停まで。

 町中を走って抜けた後自宅まで型を打ち込み進む。

 李書文という人はコンクリートを震脚で踏み砕いたとか?

 そんなのわしだって出来るわい、と幼い私の横で庭石を踏み砕いて高笑いした爺様が、婆様に頭の鉢が割れるほど怒られていたのを思い出す。

 う、笑ってしまって最後ちょっと気が抜けてしまった。

 反省。


 入浴洗濯料理食事後片付けと流れるように済ませ、仏壇に手を合わせて後は遊ぶばかりに。

 夜更かしはできない。

 早朝の鍛錬は欠かしていない。


 ログインすると、すぐに別のエリアに移動させられた。


『急にごめんなさい。どうしても直接お詫びしたかったものだから。』


 目の前には黒髪の可愛らしい少女。


『私はアリス。ヴィルナールの世界の管理をしています』


 私は思わず少女を見つめてしまった。


『パッシブ化した【鬼子母神】の効果の一部削除をしないといけないの。申し訳ありません』


 アリスは礼儀正しくお辞儀して詫びた。


無銘の拳は、架空の戦場殺法に実際・架空の拳法をミックスしています。



…(゜Д゜)

にににっかん21位!?Σ( ̄□ ̄)!

皆様の応援のおかげです(^O^)

ありがとうございます(≧∀≦)


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