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今更ながら、召喚師デビュー!  作者: 古澤深尋
24/24

父親とVR

お読みいただきありがとうございます。


間が空きました。

いきなりの検査入院…

皆様健康に気を付けて下さい。

 おかしい。

 素材が全く出なくなった。

 錬金術スキルを上げられない。


『アリス、素材が全く出ないけど』


『外部操作されて、動けないの。運営の監視チームだと思う』


 はあ?

 どういうことだろうか。

 再度メールしたが、返信がない。


「何かすっきりしないし、帰ろうか」

「はい」

「「はーい」」


 運営の介入?

 会社も一枚岩ではないということだろうか。


※※※※


「…」


 マスタールームのメンバーは、全員拘束されている。


「とんでもないことをしてくれたものだ」


 真先蔵人は碇某のポーズを崩さずに言う。


「君たちは、クライアント達の意向を踏みにじった。君たちの身分は既にこの会社所属ではないし、君たちの今後については関知しない」


 真先が手を振ると、拘束していた警備員達がメンバーを全員正面玄関まで連れて行き、放り出した。


「面倒なことになった。娘の意識が管理領域に隔離され、接続できない。外部からの操作を急げ」

「分かりました」


 特別編成チームが業務に入る。


「有珠…」


 蔵人は呟く。

 ほんの一瞬表情が変わったが、誰も気付かなかった。

 父親の、顔。


※※※※


 翌日、帰宅前にアリスの病院に行ってみた。

 病室には入れたが、画面に何も表示されない。

 

「アリス…どこにいるの?」


 見ていても、分かるはずがない。

 ふと、外で気配が動いた。

 これは、知っている。

 病室のドアが開き、入ってきたのは真先蔵人。


「君は…高崎くん」

「先日以来ですね、真先さん」

「君が何故ここにいる?」


 喧嘩腰だなあ。

 無理もない、襲わせた相手が目の前にいるのだから。


「友達の見舞いに来ていたらおかしいですか?」

「友達?」

「アリスと私はヴィルナールサーガ・オンラインでフレンドですよ。ここもアリスから教えてもらいました」

「…他意がある訳じゃない、と?」

「あなたじゃあるまいし」


 皮肉に気付いたかな。

 顔が歪んでいるぞ~。


「娘を、どうする気だ?」

「娘…」


 ああ、真先有珠って言ってたね!

 すっかり忘れてました(笑)


「…知らなかったのか」

「関連付けてなかったですね。」


真先氏は盛大にため息をついた。


「娘は今難しい状態にある。君ではどうしようもない」

「…どうしたんです?」

「監視チームの暴走で、全ての権限を奪われて管理領域に幽閉されている」


 はあ?


「ということは、まだゲームの中に?」

「そうだ。君はヴィルナールサーガ・オンラインについてどこまで知っている?」

「アリスのVRシンドロームで作られた、くらいですね」

「そうか。ここから先は知られていない情報だが伝えておく」


 私はちょっと身構えた。

 厄介事の気配だ。


※※※※


 VRについて、現在のチップ配列型の基板では限界があるというのは分かるか?

 そう、我が社のヴィルナールサーガ・オンラインは、既存の概念を破壊した。

 有珠は、初期のVR技術で発症した。

 最初はそれでもログアウト出来ていた。

 だが、『その時』は来てしまった。

 娘が寝たきりになり、目を覚まさない。

 どこにいるのかすら、最初は分からなかった。

 あの子にヘッドセットを付けたのは、ほんの思いつきだ。

 ログインしたハード内と関係ない場所で、つながるかどうかなんて、分かる奴はいないさ。

 だけど繋いだ瞬間、画面に文章が表示された時は嬉しかった。

 その後は周知の通りだ。

 有珠は既存のハードの限界を超えるための新たなハードを設計し、それを実現した。

 ただ、ハード自体はあちこちの専門家が口を揃えて断言した。

『現在の技術では生産は出来ない』

 生体工学の権威と脳神経外科の権威はこうも言った。

『遺伝子情報と脳内マップの完全解明が出来れば生体コンピュータとして再現できるかもしれない』

 そう、ものはあるが、誰も解析できず、生産もできない。

 アリスだけが管理・補修できたのだ。

 だが、ここにきてアリスの体調が悪化した。

 VRシンドロームの影響らしい。

 寝たきりということもあって、衰弱が著しい。

 しかも今回、緊急コードを悪用して、監視チームの一つがアリスを故意にシステムから切り離した。

 この子は今電子の海で孤独に苛まれている。

 え、君を襲った理由?

 君のお爺さんの影響は未だ大きくてね。

 君を傘下に置けばいろいろ融通が利く。

 それだけだ。

 …ひ、ひいっ!?

 は?

 監視チームが制限したドロップ率を戻せ?

 わ、分かった。

 何?

 娘が助かるかも?

 自分でそう言ったと?

 …すぐにかかる。

 しばらく待ってくれ。

 それと、君はもしかしてヴィルナールサーガ・オンラインをプレイしているのか?

 …そうか。

 娘を頼む。

 我々もできる限りバックアップする。


※※※※


 


エタりました。

ごめんなさい。

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