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今更ながら、召喚師デビュー!  作者: 古澤深尋
14/24

伝説の始まり

お読みいただき、ありがとうございます。


当面、このまま進めることにしました。

運営サイドはヘタレです。

ユラは想定外の規格外。

百合さんのリアルも動き出します。

(充実するとは言ってない。ここ大事)

 日曜。

 早朝鍛錬後、家全体周辺の清掃。

 可燃ゴミの袋にゴミを入れて、ゴミポストにダンク。

 シャワー後軽くお肌の手入れ。

 秘書課に行くのにあんまりにも気を遣わないのはどうかと思ったからだ。


「め、面倒くさい…」


 日ごろやり慣れていないため、大変億劫な思いをした。

 過去の組み手とかでついた細かい傷やタコはともかく、お肌自体はパシッと水を弾く、若い状態のままなので、ほとんど構ったことはない。

 …普通の娘さんにタコなんかできないと知った中学1年の時はちょっと荒れたわね、そういえば。


「…メール?」


 権藤の姐さんから業務連絡で、月曜10時に秘書課に顔を出してほしいとのことだった。


「分かりました、と。」


 返信してファッション雑誌をパラパラと見る。

 上手いメイクのやり方が載っているページを開き、しばらく練習。


 30分後、項垂れる私がいた。

 これあかんやつや。

 どう頑張っても余興で男性社員がやるオカマメイクになる。

 薄いローズピンクのリップと同色の軽いアイシャドウ。

 これが私には精一杯。

 メイクを落として一息つく。

 こんな時は、リルとミミをかまい倒そう。



 ログインして二人を両脇に連れてキャッキャとショッピング。

 次の街に行ってみようということになり、改めて街の外に。


「どっちだっけ?」

「ヴァイツの街は、道をまっすぐ行けばよかったはずです。というか、お母様も聞いてましたよね?」

「あー、ごめんね。あの職員が強烈過ぎて聞いてなかったわ。」

「あのひよこのおじさん?」

「そうそう。すごくなかった?」


 情報収集のため寄った冒険者ギルドで、黄色いモヒカンの、マッチョなおじさん職員は野太い声で私達に挨拶した。


「あら、いらっしゃいお嬢様方。ここは冒険者ギルドよ。本日はどのような御用かしら?」


 …ご丁寧にポージングのあとしなを作ってバチバチウィンクまでされた。

 私が女だと分かった瞬間態度が豹変したけど。


「なあに、あなた女だったの?そういうことはもっと早く言いなさいよ。」


 誰得なゲイ職員に驚き、そんなおじさん職員と普通に会話できていたリルにまた驚き、でギルドの説明はほとんど覚えていない。


「そう言えば冒険者登録もしたんだっけ。」


 ステータス欄に新しく現れたギルドカードの表示。

 G級から始まり、最高でSSS。


「本当に何も覚えていないんですね。」

「ごめんね。リルのような賢い娘を持って、私は幸せだわ。」


 頭を抱き寄せておでこに軽くsmack。

 そのまま頭を撫でていたが、リルが動かないので見てみると、真っ赤になって失神していた。


「あれ?」

「ママ、無意識にやってるの?」

「何が?」


 ミミは何を言っているのだろう。

 私が首を傾げていると、ミミはため息をついてリルに回復をかけた。


「はっ…!」

「起きた?大丈夫?」


 私が心配してのぞき込むと、また真っ赤になってわたわたと手を振った。


「だ、大丈夫です!」 

「そう?無理しないでね?」

「はい!」


 道を歩く。

 周囲は見晴らしのよい平野。

 魔物もおらず、平和だ。


「昨日の魔物は別として、何もいないじゃない。」

「そうですね。」

「あ、ちょうちょ!」

「ミミ、勝手に走っちゃダメよ!」

「あ~ん、つまんない!」


 ナイスバディの狐娘が地団駄を踏む。

 あちこちブルンブルン揺れる。

 …いつの間にローブ脱いでたのかな。

 ベリーダンサー程度の服しか身につけていないミミは、現在歩く15禁状態だ。

 しかも中身がお子様なので、目が離せない。

 送還してしまえば済むのだけど、あまり送還したくない。

 単純に私の気分の問題なんだけどね。


「お母様!」

「分かってる」

「どうしたの?」


 ミミはよく分かってない。


「ミミ、戻れ」

 

 私の口調が変わったことに気づいたようだ。

 急いで私のところまで戻ると、背後に隠れる。

 赤マークがたくさん。

 次の街への関門といったところか。

 気付かれたと理解したか、賊がうじゃうじゃと現れた。


「こりゃ上玉だなあ!」

「高く売れそうだぜ!」

「あの男は必要ねえな。やっちまえ。」


 はい、お空の彼方にぶっ飛ばし決定。

 特に男呼ばわりした奴。

 成層圏を生身で離脱させてリアル星にしてやる。


「フェアリーガード!」


 リルの固有スキルが発動、物理・魔法大幅軽減のバリアを張る。


「狐火!」


 青白い炎が賊に取り付き、ステータスを減少させる。


「カスどもが…」


 私は闘気を解放する。

 

※※※※


【昇龍星】

 その日アインとヴァイツの街で、地上から空に昇る流星がいくつも観測された。

 特に最後に飛んだ流星は龍の姿をしており、天空に消えたという。

 住民は恐怖し、冒険者ギルドは調査に乗り出したが詳細は解明されなかった。

 ただ、アインの街の門番2名がもしかしたらと、とある異邦人の名前を挙げたが、一笑に付され、記録には残っていない。

 ただ、流星の後しばらく、魔物や盗賊の被害が減ったため、龍神が邪悪を討ち払ったのだとまことしやかにささやかれ、流星は【昇龍星】としてその後民間信仰の対象となった。


-ライデン書院刊『ヴィルナール珍奇事象集』天の象より抜粋-

  

   





 



 

補足


 ユラのスキンシップがセクハラ判定されない理由は、

 ① 本人にその気がない

 ② 対象がセクハラ認定していない

 ③ AI『アリス』がセクハラ判定していない(第三者評価)

 の三点を満たしているためです。



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