広い屋敷 前編
久しぶりの新作ですー(*Φ∀Φ)
俺は養老 大地、探偵だ。厳密に言うと探偵ごっこをしているだけだけどね。
今日も夕焼けがキレイだなぁ。毎日こうだと良いのに........。
「よう、矛盾探偵!今日も良い矛盾してるねー!」
お!................え?誰こいつ。
「申し訳ありませんが、どなたでしたかな?」
「なんだと!」グサッ
え?刺された........?何こいつ。誰こいつ。
なんなのこいつ!!バタッ........
みたいな事件起こらないかなーっ!
もちろん本物の探偵ではないので依頼は来ないよ。でもね、趣味でやる程度が1番楽しいのよ。だからこうやって歩き回って事件を探してる。
「きゃー!!」
こんなふうに事件が起こるのを求めてね。
え!事件!?
「あの家からだ!よし!行ってみるか!」
門の前まで来たけど、広い屋敷だな。どうしようか。勝手に入るのはまずいかな。一応ピンポン鳴らすか。いや、もし事件だったらそんな暇はない!でも、ゴキブリを見た時の悲鳴かもしれないし................。
結局私はインターホンを鳴らした。でかい家だからか、なぜか画面がある。
................もう1回。ピンポーン
うん........来ないな。よし!入るか!
広い庭を抜けていくと玄関があるのだが、まず庭を抜けるのも一苦労だ。2m近くの草が庭いっぱいに生えている。もしかしたら廃墟か何かか?
...............。
もーっ!カメムシとかおるし!
...............。
くさい!この庭くさい!このカメムシ屋敷がぁ!
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やっと玄関到着!叩いてみようバンバンと!
バンバン!バンバン!よし!反応なーし!入ってみるか!ガチャガチャガチャ........
鍵かかっとる!!
バンバン!バンバン!
「開けろコノヤロー!!」
「うるさいな!!」
中から若い男が出てきた。2、30代、行ってて4、50代ってところか。
ん?そんなことを考えている場合じゃないんだ!
「初対面の人に向かってうるさいな!とは何だ!この若僧がぁ!!」
言ってやったぜ........。泣け。泣きわめくがいい。
おっと、こんなこと言ってる場合じゃないんだ!
「若僧って!嬉しいこと言ってくれるね兄ちゃん!今年で64だよ!」
何!?すると今は63歳か。全然違うじゃないか!!くそー!!バコッ!バコボコッ!
またつまらぬものを殴ってしまった。
63「いったい何しにここに来たんじゃ!!」
( ゜д゜)ハッ!
大地「さっきこの家から悲鳴が聞こえたんですよ!」
63「ワシは叫んでなんかおらんぞ!」
(分かっとるわ!!お前の悲鳴じゃないことぐらい分かっとるわ!!........................。)
スゥーー。ハァーーー。(深呼吸の擬音)
大地「おじいさんは聞こえなかったんですか?あの悲鳴」
63「ああ、聞こえたよ。」
えっ?えっえっえっえっえっ?
63「いやいや、なに驚いてんの。家の外にいた君に聞こえたんだからワシに聞こえるのは当たり前でしょ」
こ、このじじぃ!!殴ってやりたい!
大地「殴るぞ」
しまった、声に出た。
63「殴るぞとは何じゃ!殴ってやりたいのはこっちじゃ!」
また訳の分からないことを。この場合おじいさんが殴られるべきだろうが。
いや、それより事件を解決しに行かなきゃ!!
63「さっきから黙って聞いてりゃあよ!ワシの名前が63になってるじゃないか!!だから殴るって言ってるんだ!」
???「小説なんだから"聞いてた"じゃなくて"見てた"でしょ?おじいさん」
こ、こいつは!趣味で探偵をやっている者で知らぬ者はいないレベルの探偵ごっこの名探偵じゃないか!
???「矛盾探偵くん、君もちゃんとしなきゃだめだよ」
お、俺のことを知っているのか!
63「お前は誰なんだ!急に出てきて文句言って!あと名前63にするのやめろ!」
大地「こいつは屁理屈探偵の陸津 ぽいんというやつだ!そしてあなたが名乗らない限り63はやめない!」
ぽいん「お、俺のことを知っているのか!」
今、玄関に探偵が二人もいる。何か変な感じだ。
あれから10分聞きこみ調査をしていた。普通の探偵ドラマや名探偵コナンとかだったら、すでに家の中に入れてもらえている時間だ。
ぽいん「ちょっとタバコ吸いますねー。........あ、火無いや。大地くん、ライター貸してくれる」
ホストっぽくタバコにつけてやった。我ながらかっこいい。
63「火遊びをするとお漏らしをすることになるぞ!」
???「え!?そうなの!?じゃあ花火とかもだめよね................。なんてことなの。これから花火できないじゃないの。人前でお漏らしなんて出来ないし。どうしようぅぅう!!」
大地「初登場のくせに長いセリフを吐くんだな。そういう人は嫌われるんだよ。それと、君は誰だ。」
???「え!私嫌われちゃうの!?」
ぽいん「この人は純粋探偵の羽架 亞穂子ちゃんだ!」
亞穂子「え!?私を知ってるの!?」
ぽいん「この人は本物の探偵なんだ」
じゃあ、もう帰ろうかな。探偵ごっこなんてやってる人が一緒にいたら本物も嫌だろうし。
亞穂子「二人もさっきの悲鳴を聞いたの?」
大地「さっきっていうか、10分ぐらい前にね。聞いてたなら何でこんなに遅れて出てくるの?本物の探偵なんでしょ?」
本物の探偵ってこんなものなのか。全然すごくないじゃないか。俺のほうがすごい。
亞穂子「ごめんなさい。悲鳴を聞いたのが2キロ離れたスーパーの中だったの。」
え!?2キロ離れた室内から聞いて場所が分かるっていうのか!?本物スゲー!!
63「ところで、結局お前さん達は何をしに来たんじゃ。3人に増えてるし」
そういえば何しに来たんだっけ。
あ、そろそろ5時だ。おうちに帰んなきゃ。
「バイバーイ」
俺はみんなと別れた。
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ぽいん「主人公が消えて我々脇役だけが残ったな」
亞穂子「そうね。彼がいないところで事件が解決しても意味が無いものね」
63「いや、お前さんらも早く帰りなさいな」
ぽいん「おじいさんはいつまでも63のままだし、名乗るつもりは無いのかな」
63「ワシの名前か?知りたければ教えてやろう。だが、後悔することになるぞ。」
2人「ごくり」
63「ワシの名前は、"殺人鬼"ムサシだ!!」
2人「ええぇぇぇえええ!!だれぇぇえええ!!」
しかし、殺人鬼というからには危ない存在なのだろう。逃げるしかない!
2人が逃げようと走り出した時にムサシが回り込み、包丁を突き立てた。
刺される!怖い!
2人「ぎゃー!!」
誰かがムサシの包丁を止めた。
2人の前には養老大地が立っていた。
大地「矛盾探偵・養老大地。最強の矛と最強の盾を持つ最強の探偵だ。なんてな。」
ぽいん「矛盾探偵!どうして戻ってきたんだ!それと、なんてな。って何なんだ!」
大地「やっぱり気になったんだよ。純粋探偵は本物の探偵だが、純粋過ぎてすぐに騙される。それが心配でね。」
亞穂子「で、なんてな。って何なのよ!」
大地「主人公が最強の矛と盾持ってたらつまらんだろ!」
そんなことを話している間に、ムサシが爆弾を投げてきた。
だが、その爆弾も大地に弾かれる。
ぽいん「なぜだ!矛盾探偵は丸腰なのに!」
大地は矛盾を念じることで戦うスタイルなのだ。
ぽいん「え!?説明の人!よく分かんないよ!」
大地「こいつの持っていた包丁は包まれていない。だから裸丁なんじゃないのか。と、弾まないのに爆弾かっ!という矛盾だ」
亞穂子「あまり美しくない矛盾ね。」
ぽいん「矛盾というよりあら捜しだな。」
助けてもらっておいてなんという態度だ。
それに、核心を突かれて泣きそうだ。
ぽいん「それはそうと、助けてくれてありがとう」
ムサシ「なぜ包丁も爆弾も効かないんだ!!」
大地「おい!63!俺が離れてた10分の間に何があってそんな鬼みたいになったんだ!」
ムサシ「俺はムサシだ!63じゃない!そして俺は元々こんなふうだ!」
大地「ムサシだと!?634じゃないか!分かったよ!63の名前はやめるよ!」
634「お!名前が変わったぞ!って、こんなもん変わったうちに入らんわ!」
大地は隠し持っていた短刀でムサシの腹部を刺した。
634「ぐ、ぐああ!なんという恐ろしいやつだ!刃物を持ち歩いてるなんて」
大地「お前こっちに包丁向けたろ」
ぽいん「いや、でも君は持ち歩いてるけどムサシは家にあった包丁突き立ててきただけだよ?君だけだよ。持ち歩いてるのは。」
大地「屁理屈はもういい!」
ぽいん「いただきました!」
とりあえず警察を呼んでムサシを引き渡した。そして我々は最初の悲鳴の主を探しに屋敷に入った。
亞穂子「いやー!危なかったねー」
ぽいん「危なかったってのは危ないの過去形なのか危険がなかったの略なのか。」
亞穂子「そんなバカなこと言ってる暇があったら死体探しなさい」
ぽいん「あ!バカって言ったー!バカって言う方がバカなんですぅー!」
亞穂子「え!?私はバカだったの!?ショック!!」
ホントに仲良しだなこの2人は。初対面じゃないのかな。
こっちの部屋見てみるか。
........................................。
........ん!?これは!!!
感想待ってますねーヽ(*´∀`)ノ