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居眠り卿とナルファスト継承戦争  作者: 中里勇史
ナルファスト継承戦争

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緒戦 その1

 アルテヴァーク軍の前衛は、監察使軍の前に回り込むため森の外側の街道に入った。さらに、監察使軍を本隊と挟撃すべく、監察使軍と本隊の方角に向かって布陣した。だが、監察使軍は現れなかった。

 前衛の指揮を任されたテイトネレトは困惑した。監察使軍の動きが遅過ぎる。念のため、テイトネレトはリッテンホム城方面に向かって斥候を放った。監察使軍の動きによっては布陣する場所を変える必要がある。


 警戒態勢を維持したまま、斥候の戻りを待つ。斥候を出してから太陽が10度ほど移動した頃、自陣の右翼、つまり森から大量の矢が降り注いできた。直射と曲射が組み合わされており、真横を守ろうとすると頭上から、頭上を守ろうとすると横からの矢を受けることになる。馬を射倒されて落馬する者が続出した。

 騎兵では森の中の弓兵に効果的な反撃ができない。かといって相手の矢が尽きるまで防御に徹しているわけにもいかない。

 テイトネレトは、武器を突撃用の槍から弓に持ち替えて反撃せよと命じた。騎馬民族は騎射にも長けている。巧みに馬を操りながら、馬上での取り回しに特化した短弓で森の中に矢を射込む。だが街道からは森の中の敵兵が見えないので、狙いを定めることができない。それらしい方向に射込むしかなく、効果は限定的だった。

 伏兵に固執して戦闘を続けても消耗するだけである。その愚を悟ったテイトネレトは、この場から引いて陣を再編することにした。次に騎射したらデルドリオン方面に200メルほど下がれと命じたが、遅かった。

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