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解放

 フィスロが、王太子だった。

 けっこう衝撃なことだったけど、それ以上に私の心臓はバクバクだ。


 だって、キスされたんだよ!?


 そ、そりゃ前髪? 額? だったけど!

 それでもキ、キスされたのは、事実な訳で……!


「スイ様、おはようございます! 今日のおやつはなんですか!?」


 そんなこんなに、パニックなものだったから。

 いつも通りに部屋にやって来て、今日のおやつを聞き始めたフィスロに殺意が湧いてしまったのは、仕方ないよね。

 そうだよね。


「なんでそんな普通なのよ!?」


 聖女の魔力で、勢いを増量したクッションをお見舞いしたのだった。





「ようやくだな」


 礼拝堂から、王太子の自室へと帰る。

 そこには、幼なじみで側近のヒースが待っていた。


「あぁ。ようやくだ」


 王太子としての衣装は、なんだか苦しい。

 そのため、さっさと上着を脱いだ。


「兄さん! おめでとうございます!」


 アーノルドも待っていてくれて、バッと飛びついてきた。

 その弟の頭を撫でながら、先ほどの光景を思い返す。


 王太子として正体を明かし、スイと話したこと。

 そして、額にキスを──。


「んで、キスしたんだろ? 聖女様はどうだった?」

「キ、キス!? 兄さん、どういうことです!?」

「うわぁ! 思い出させないでくれ!」


 自分でも分からない。

 こちらを見上げるスイが愛おしく思えて、勢いでやってしまったのだ。

 誰かに顔が重なったような、そんな懐かしさと共に。


「リンさんに報告しないと!」

「リンは怒るぞ?」

「やめろ!」


 そうは言いつつ、どこか心地よい。

 ようやく、縛り付けられていたものから解放されたのだから。


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