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学習センター

「学習センターっていうのは、簡単に言えば『授業で図書室を使う』ってことね」

「授業で使うんですか?」


 ただいま、フィスロへ『学習センター』についての講義中。

 大人しく聞いているフィスロだけど、偶に意識がどっかに飛んでる。

 たぶん、今日の昼食かおやつを考えているんだと思う。


「私のいた国だとね、授業内で図書室を使うのはよくあったのよ」


 いわゆる、『総合的な学習の時間』の授業だ。

 興味のある職業について調べたり、行ってみたい国について調べたり。

 他教科との連携を図りながら、何時間分と時間を決めてプロセスを組む。

 

「例えば、『興味のある職業』について調べたとするね」


 授業みたいになってきた。

 私は黒板を引っ張り出してきて、カリカリとチョークで書いていく。


 1時間目:両親や親戚などの職業をインタビューする。

 2~3時間目:それをもとに、自分が気になる職業を調べる。

 4時間目:グループ内で共有。また、同じ職業を調べた人同士でも交流。

 5時間目:その職業に就いている人のスケジュールを見て、生活習慣について考える。

 6時間目:生活習慣病にならないためには、どんな生活リズムが好ましいのか。


「とまぁ、今思いつくのはこれくらいかな」


 かなりざっくり考えたから、粗ばかりだけど。

 職業を調べるところで、図書室の本を使う。調べ学習だから、職業に関連する本もチェックすることもできる。

 加えて、これは社会と保健体育の授業の延長線だ。

 こういったものが『総合的な学習の時間』となり、図書室を学習センターとして利用するツールとなるのだ。


「す、すごい」


 ざっと説明をしてみた。

 どんなご指摘でも受けるけど、今突発的に考えたものだから許して欲しい。

 そんなこんなを考えていると、フィスロが目を丸くしていた。


「これ、スイ様が考えたんですか?」

「そうだけど」


 ジロジロ見ないでね。

 絶対にどっか見落とししてるから。


「こんな授業、僕は受けたことがありません」


 フィスロは、ここの魔法学園の卒業生だっけね。


「これ、実際にやりましょうよ! 楽しそうです!」


 ……え?

 本気?





「いいですわね」


 放課後。

 教員室に寄って、ミール先生の机に近づいた。

 ミール先生のクラスはいつも私に友好的で、休み時間とかに図書室に遊びに来てくれている学生もいる。

 そんなクラスなら、この授業をやってみてもいいかなって思ったんだ。


「図書室を使う授業ですか。おもしろそうですわ」

「ぜひ、先生のクラスで実践を」


 そう言っているのは、なんとフィスロだ。

 どうやら、自分もこの授業を受けたいらしい。


「実は、今日とても偶然で、ご親戚の職業についての話題が授業内で出たのよ」


 貴族も庶民も混ざる、この学園。

 身分があれど、その身分を振りかざしたり争わない学生たちが集まっているのが特徴だ。

 身分に関するこだわり等がある学生は、入試で落とされるらしい。

 ……怖いね。


 貴族の職業って『貴族』なのかなって思うけど、この国の『貴族』は日本で言う『政治家』ってことだよね。

 リアやセイラのようなお家もあるけど。


「ちょうどいいですわ。ぜひ、図書室を利用させていただきます」

「ありがとうございます!」


 ミール先生は、快く私の授業案を受け入れてくれた。

 指導案書いといて良かった!


「よかったですね、スイ様」

「うん!」


 司書教諭になって、初めての授業だ。

 学校司書とは違って、図書室の利用方法以外のことをたくさん伝えることができる。

 それが本当に楽しみだ。


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