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開票と次の段階

 投票箱を設置してから、数日が経った。

 箱の中は紙でいっぱいで、その量になんだか嬉しくなる。


「たくさんありますねぇ」


 フィスロが、箱の中を見て呟く。

 図書室に来ない学園にしては、けっこう集まった方だ。

 やっぱり、正門や食堂にポスターを貼ったのがよかったみたい。

 フィスロのおかげだね。


「よし、開票してくよ!」


 投票箱を図書室の机に置いて、バッとひっくり返す。

 そうすれば、出てくる出てくる紙の山。

 ここまで投票してくれるなんて、本当に嬉しいな。

 ウキウキとしながら、私は開票していく。


「えっと、『聖女と紡いだ幸せな家庭』ね。……フィスロ、イチオシの」

「ふふん。これを選んだ学生さんに、僕は握手をしたいです」


 リストのチェック欄に、投票数を記していく役目のフィスロ。

 そんな彼は、一番初めのタイトルに大きく胸を張った。


 ふふん、じゃないのよ。

 聖女特設コーナーの準備を着実にしてさぁ。

 まったく、困ったものだね。


「ほら、スイ様。次、行きますよ」

「このタイミングでフィスロに注意されると、なんかすごくムカつく」

「スイ様、ひどい!


 そんなこんな言い争いながら、開票作業を行っていく。

 どの本が選ばれてもいい。

 どれもこれも素敵な本で、若者に大人気なものばかり。

 これに『入れたいか否か』という評価を付けるなんて、私には無理かもしれない。

 全部読みたいからね。


「1位の本だけ入れるんですか?」

「ううん。3位くらいまで入れようかな。残りは、次回の予算で買えばいいよ」


 ようやく図書室らしくなってきた。





 日本の小学校では、『総合的な学習の時間』というものがある。

 自分の調べたいことを調べたり、探究したりする時間だ。

 その際に、図書室を使用することがある。


 ……今は、情報化が進んじゃったからね。

 一人一台端末が当たり前の時代になったから、調べる学習で図書室を使う頻度が減っていた。


 でも、この世界は違う。

 ICT機器とかの便利な道具はない。

 だから、調べものをするときは図書室や図書館の本に頼るしかなかった。


「よし、授業に乱入しよう」

「……急ですね」


 ランキングを作りながら気合いを入れていると、フィスロが呆れたような声を出した。

 というか、フィスロさんはいつもバカにしたような物言いですよね。

 本人らしさが溢れているなら、それでもいいけど。


「乱入って、突撃訪問するわけじゃないよ。一旦どこかのクラスでお試しやってから、正式な科目として追加して欲しいものがあってね」


 こんなにも蔵書数を誇る学園図書室だ。

 これを使わないなんてもったいない!

 なら、私が考える。

 この図書室を使うことができる、とっておきの方法を。


「つまり、学習センターよ」

「が、学習センター?」


フィスロの目が点になる。

 まぁまぁ、ちゃんと説明してあげるから。


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