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利用者数

 国王との謁見が終わって、図書室に戻る。

 その頃には既に夕方になっていて、放課後の時間だった。

 魔法学園にはさまざまなサークルがあり、それらの活動へ向かう学生たちを多く見かけた。


「フィスロ、あれは?」

「あれは『植物魔法』のサークルですね。植物の生態系などを維持するための魔法を、研究しているんです」


 へぇ。

 そういうことも可能なんだね。

 なんだかすごい世界だ。


「フィスロはどんなサークルに入ってたの?」

「僕ですか?」


 フィスロは、にっこりとした笑みで告げた。


「僕は、帰宅サークルです」


 な、なるほど。

 家は早く帰りたいもんだよね。


「そんなにサークルがあるならさ、『読書サークル』とか『図書室サークル』とかないのかな」


 中庭で植物研究をしているサークルを見ながら、図書室がある棟に着いた。

 白い大理石の廊下を、2つの靴音が響かせる。


「……それは、図書室を見てから分かるかと」


 フィスロは、苦笑いをしながら歩みを速める。

 図書室に着くと、その重厚な扉をギィッと開いた。


 そこは、図書室。

 私の城であり、学生たちが利用する場所。

 放課後の時間は、本を借りに来たり、勉強をしたりするところ。

 そんな風に活用して欲しい。

 しかし。


「だ、誰もいない……!」


 私のお城は、人の気配がなく、がらんとしていた。





 図書室整備は、ただ本を整えるだけではない。

 特に、図書室の快適さ。学生たちが快適に過ごせるように、居場所としての空間づくりや机や椅子を利用しやすいように配置したりする。

 他にも、ユニバーサルデザインとして書架の高さや間隔を整えることも大事。採光の配慮も。

 障がいのある方にも使いやすいような、合理的配慮も必要だ。


 とまぁ、大雑把にこれくらい。

 魔法学園の図書室は、なんとこれらをクリアしている。

 日本の文部科学省が定めている項目が、かなり再現されているのだ。

 本のバラバラさとかは置いといてね。


「って感じに、環境は最高なのに! なんで、図書室を使わないのよ!?」

「だから、図書室に来る必要がないんですよ。貴族は実家の図書室、庶民は国立図書館に行くので」

「そうなんだよね……!」


 ここまで人がいない理由は、利用する理由がないから。

 貴族の図書室はそりゃもう充実してるだろうし、国立図書館はものすごい蔵書数を誇っていたし。

 別に学校図書室を利用しなくても、本に触れることはできるのだ。

 だけど。


「せっかく学園に図書室があるんだから! 使わないともったいない!」


 よし。

 図書室の内装や整備は、かなり手を付けた。

 まだ足りないところはあるけど、ある程度は整ったと思う。

 ならば、次の段階。


「図書室での教育に勤しむぞ!」


 読書活動や指導。情報収集に探究学習。

 今までよりももっと、司書教諭としての力を発揮するんだから!


「……スイ様は一応聖女ですからね」

「それ、聞き飽きた。私は司書教諭だから」


 やってやるぞー!


「文部科学省 学校施設整備指針の改訂」の図書室の項目を参考にしています。

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