キ:甘かった目算と、知らなかった繋がりと
ちょうど切りがいいので、今回は短めです。
どうせカステラさんがいるんだし、さっさとマナの果実の結晶作りを結晶幻獣のクロちゃんに頼んじゃおう。
そう考えた僕らは、コロンと卵に戻ったみたいにして眠るメララちゃんをそっとクッションの上に寝かせて、クロちゃんを呼んできた。
結晶8個……まっしぐらチューブは何個くらい食べたがるかなぁ……なんてのんきに考えていたら、マナの果実を前にしたクロちゃんから思いがけない言葉が出てきた。
「ニャア〜……これを結晶にするには御主人のレベルが足りないのニャア」
「ありゃ」
そういえばそうだった。力の強い素材は契約主の力が強くないと結晶に出来ないんだったね。
「世界樹なんて強い物の筆頭だニャア〜。どんな部分でもレベルが100を超えていないと厳しいニャア」
「わぁお、全然先の話だぁ」
なんてこった。
でもよく考えてみたら世界樹なんてエンドコンテンツでもおかしくないネームバリューだったよ。こんなまったり遊んでいる僕のレベルで足りるわけがなかった。
とりあえず僕は、一緒に話を聞いていたカステラさんにマナの果実を返却。
「ごめんよ、力不足で」
「気にすんな、必要レベルに到達したらやってくれ」
うーん、無念なり。
いつもお世話になっている筆頭なのに、お返しが出来ないとは……
「せめてこの辺に強い虫とか住んでたらカステラさんに喜んでもらえたかもしれないのになぁ〜」
そんな呟きを耳にしたカステラさんは、「あっ」と思い出したように声を上げて膝を叩いた。
「そうだ、俺あんたらに言うの忘れてた事があってさ」
「うん?」
「……なんですか?」
「封印の時、MPタンクで呼んだ魔法少女。あれ俺のリアル妹なんだわ」
「「えっ」」
そうだったんだ!?
じゃあ、あの封印作戦に参加してたのはどこかのクラン繋がりとかじゃなくて、カステラさんの直接の知り合い枠だったんだ。
魔女集会の知り合いが、意外な所で繋がっていた。
「……なるほど、あの場で言ったらカステラさんが誰だかバレますからね」
「そーいうこと。だからアイツが欲しがった動物。アレ、テイム出来たら俺に連絡くれれば取りに来るから」
「あー、なるほどね」
「……了解です」
そういう事なら。
ゲーム内とはいえ、生き物をカフェに預けるよりは届いた方がいいもんね。
納得した所で、相棒がカステラさんに気になっていたらしい質問をぶつけた。
「……ちなみに妹さんって、熊はどんなイメージしてます?」
「クマ? ……ああ、アイツは熊ならテディベアだろうが猛獣だろうが熊ってだけでストライクゾーンだからなんでもいいぞ」
「……そっかー」
魔法少女ちゃんはかなりの熊好きらしい。
北の大地のお土産によくある子供達が号泣する系な某果物熊キャラクターもイケる口だったりするのかな……
「……カステラさん、時間あるなら捕まえるの一緒に行きます?」
「あ、そうだね。この後行こうと思ってたし」
僕らのの提案に、カステラさんは少し考えた。
「デートの邪魔にならないか?」
「大丈夫大丈夫」
「……そうだったら誘わないんで」
そうしたらテイムしてすぐにお届けしてもらえるしね。




