キ:貴金属を採掘するには
ちょっと短めです。
ログアウトしました。
さて、僕ら夫婦のエフォプレイでは、採掘という作業をあまりやらない。別に嫌いじゃないけど、そこまで夢中になるほど好みでもないのだ。
それこそ必要になった時に、レゾアニムス鉱や宝石を掘りに行ったくらいかな? 石材も結局取り引きで事足りたしね。
だから、金とか銀とかの高級そうな金属がどこで採れるのか知らなかった。
「有志wiki……検索……」
「これかな?」
出てきたページを開いて最初に僕らを出迎えたのは……わざわざ赤に設定された『狙え!一攫千金!!』の大文字だった。
「……うわぁ」
「欲望がダダ漏れてる」
金銭欲の塊を見なかった事にして僕らは先へ進む。最初のインパクトが強かっただけで、それ以降は普通の記事だった。
「えーっと……金山とか銀山って物は……エフォには無い!?」
「無いかー」
「あ、でも普通のフィールドにも金とか銀とかは無いんだって」
「……なるほど、ダンジョンにしか無いのか」
そもそも金銀だけでなく、鉱石の類は【採掘】を育てると転職可能になる鉱夫系の職業で生える【鉱石探知】のスキルで探す物らしい。
洞窟系や岩山系のダンジョンから自分のレベルにあった場所を選び、そのスキルを使って鉱石の場所に目星をつけて、近い所からモンスターに注意しつつ掘っていく。
それがエフォの採掘。
「まぁ採掘って、どのゲームでも必ず延々と掘ってる採掘狂が生まれる要素だもんね」
「うん、整地厨とかな」
「ね。個別フィールドになるダンジョンじゃないと、そこらへん穴だらけになっちゃうし山とか無くなっちゃう」
自分で金属素材を掘りたい職人とかは、少しの間だけ鉱夫系になってスキルを取る人が多いんだとか。
「んー、僕らはそこまでしなくていいかな」
「それなら……従魔をレンタルして探すか、誰かが掘った鉱石を買うか」
「従魔レンタル?」
「【鉱石探知】のスキルがある従魔がいるんだって」
「へぇー!」
「その従魔を手に入れるか、レンタルするかして、一緒にダンジョンに行って採掘する」
「なるほど……ちなみに銀は確率どんなもんなの?」
「あー……かなり低い」
「かなり低いかー」
「しかも【鉱石探知】は、かなり高レベルにならないと鉱石の種類までは分からないって」
「あー、それは自分で探したら時間かかりそう」
ちゃんと職業鉱夫が有利なようになってるって事なのかな。
金と銀はNPC販売が無い上に、NPC売却価格が高めに設定されているから、レア度に相応しい流通価格になっているみたい。需要は常にあるだろうしね。
一応、ガチの採掘プレイヤーがどんな感じの事をしているのか、参考までに有志wikiにリンクが貼られている(許可有らしい)プレイヤーのSNSを開いてみた。
「えー、アバター名は……『地底人ピッケル』」
「名前」
うん、投稿されているスクショが予想通り。
ツルハシ担いでニカッと笑顔を浮かべてたタンクトップにヘルメット姿が似合うドワーフのおっちゃんと、特注らしいピッケルの仕様自慢。
そして、松明が等間隔に設置された、あまりにも広大な地下の大空洞!
「ほらぁー! 絶対これくらい掘る人出るもん、知ってた!」
「……これ、ダンジョンの範囲限界まで掘ってないか?」
「もうこれ【鉱石探知】とかいらないじゃん! 全部掘ってるもん!」
「確かに」
「見てこれ、空洞の下の方にモンスターいるよ」
「……虚無の顔で見上げてきてるじゃねーか」
「シンプルにかわいそう」
いったい何匹のダンジョンボスを泣かせてきたんだ……
何枚も貼られたスクショによって、洞窟タイプのダンジョンがどんどん掘り抜かれていく過程が分かりやすく連続で写されていた。
プレイヤーが入り直したらリセットされるダンジョンで良かったね……もうここまでくると人の形をした災害だもん。
鉱石が掘れるのがダンジョンだけで本当によかった。
「てかこの人、掘った鉱石ピリオで販売してるじゃん。ここで買えばよくない?」
「だな、買うか」
お金は作らないとだけど、水盆ひとつ分くらいなら木材売ったらどうにかなるでしょ。たぶん。




