キ:夢の幻獣ラインナップ
気持ち短めが続いてますが、切りが良いのがこのへんなのでご容赦を。
豆を採りに行ってくれた相棒を待ちながら、僕は引き続き夢魔についての記者会見。
「白夢草は、育った敵のは強かったけど、序盤の育成大変そうでしたよ。ちょっと声が聞こえるくらいの草だったんで……起きたら枕の下で潰れてたし」
「見たままの雑草かぁ……夢守の方は?」
「夢守は最初から強キャラでしたね。普通にレベ上げしました」
二種類いれば、どっちが強い?ってなるのはゲームあるある。
エフォは最終的に『お前の好みで選べ』になりやすいゲームだとは思うけどね。それでも『最強がいいんだ!』『効率良いのがいいんだ!』ってヒトはいるから、強さの情報は欲しいんだろうなぁ。
実際、今から敵の白夢草対策として急いで用意するなら夢守の方がいいんじゃないかなーとは思っている。
ボディガードとしてある程度鍛えておくだけでも、夢世界で格段に動きやすくなるもんね。
「あ、でも、夢の幻獣がいないと夢のお散歩はやりにくいと思いますよ」
戦隊シアンさんはうんうんと頷いてそれを書き留め……僕の肩でうとうとしている、半透明ミミズク幻獣のミミーちゃんを見た。
「ちなみにそのミミズクは……?」
「この子は夢のミミズク幻獣です」
「なにぃ!?」
「パヤヤ以外の夢の幻獣!?」
「ぱやや〜?」
そうだね、夢の幻獣はパヤヤちゃんしか出回っていないみたいだし、他の子ってなればそりゃあ食いつく。パヤヤちゃんも連れ歩くってなると好みが分かれる子だろうし。
なんて考えていたら、検証勢の誰かが契約してるパヤヤちゃんの分け身がスイーッとこっちに宙を泳いで来た。
「あ〜、ズックンだ〜。おひさ〜」
「……ホーウ……その久しき姿。意識の奥深き海の揺らぎを泳ぐ優美なる魚。揺れ靡く様は柔らかき大輪の花の如し」
「何言ってんのかわかんなぁ〜い、相変わらず〜」
半分ねむねむしているミミーちゃんのミミー節に、検証勢のヒト達から感心したような声が漏れる。
「おお、なんかカッコいいこと言ってる」
「耳に残るハスキーボイスだなー、割と好み」
「これなら契約したいかもなぁ」
いかん、これは大いなる誤解が残ってしまう。
僕は急いでミミーちゃんをツンツンして起こした。
「ミミーちゃん……起きてミミーちゃん……」
「……ホー……オハヨ」
突然の裏声に驚く検証勢。
突然の大勢の視線に驚いてシュッと細長くなるミミーちゃん。
「……ホーウ……ナンデ? ドチラサマガタ?」
「えっと……知らない事を知るのが好きなヒト達。ミミーちゃんの事が知りたいんだって」
「……ホホーウ……オソト、キョウミ、ソコハ、オナジ……」
「何言ってんのかわかんなぁ〜い、相変わらず〜」
カチンコチンに緊張しているミミーちゃんのギャップを見て、オイスターさんが嫌な予感がしているような顔で僕を見た。
「……あの、まさか寝ぼけてる時と起きてる時で性格違います?」
「ご覧の通りです」
「夢の幻獣はクセの強いのしかおらんのか……?」
「モモンガ幻獣ちゃんは普通なんですけどねー、1対1の契約しかしたくないタイプの子でしたよ」
「ぬぁああー」
「現状、パヤヤor二面性ってどういう選択肢だよ……っ!」
「……普通に会話できるからイージーな方だと思いますけどね」
「会話成立しないのがいるの!?」
いるんだよなぁこれが。
モモンガちゃんを介さないとお喋りできなくなっちゃうイモリ幻獣ちゃんとか、ゆっっっっっくり&文法ふわふわすぎる超スローペースなカタツムリ幻獣さんとかね。あれはあれで可愛いんだけど、オススメはしない。
今後色々必要になるかもしれないって事で、検証勢の何人かはミミーちゃんを仲介に夢のミミズク幻獣と契約する事になった。
……と、そこへ戻って来た相棒。
「おかえりー」
「……ただいま……これは何をしてる所?」
「夢のミミズク幻獣ちゃんを希望する人達が必死に口説いてる所」
オシャレしてみたいというミミズク幻獣の希望を受けて、シュッと細長いミミズク幻獣に可愛いリボンとかカッコいいチェーンとかでアピールしている真っ最中。
「パヤヤちゃんは誰が優勝すると思う?」
「ぱやや〜? 別に皆オッケーだと思うけどぉ? パッチリズックンはぁ〜、連続トーキングされるとぉ、無口になるって感じ〜」
「あー、口挟めないタイプっぽいよね確かに」
「スヤスヤズックンはお喋りだけどねぇ〜」
「……知ってるなら止めてあげましょうよ?」
「ズックンには慣れが必要ってぱややは悟ってる的な〜」
厳しいパヤヤちゃんに見守られて、ズックンは細長くなりながらも無事に何人かの検証勢と契約する事が出来たのでしたとさ。




