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夫婦でほのぼの開拓VRMMO  作者: 島 恵奈華
2年目

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ユ:夢路を開いて

明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。


 夢守とナナの仲介を終えたので、俺達はミミーに案内してもらって夢の中へ情報収集に向かう。


「夢守は枕元に卵を置いて、ひと声かけて寝ると夢で合流できるけど……夢の幻獣はどうしたらいい?」

「ホー……ネドコ、オイテ」

「……ああ、そういえば夢の幻獣って睡眠バフが上がるペットみたいな働きもするんだっけ」

「あー、そういえばそんな事も有志wikiに書いてあったねぇ」


 確かパヤヤ情報だったはず。攻略サイトの運営が契約していたはずだ。


「ホー……ネルマエニ、ヒトコエクダサーイ。ソシタラ、ユメ、トンデイクマス」

「オッケー、大体夢守と同じかな」

「だな」


 寝室に、ミミーが滞在するのにちょうど良い感じの止まり木と、外と出入できるペットドアを用意した。ミミーの生活の場は外に用意していたからな。


 そうしたら、何に会うか分からないから変装して、戦闘もあるかもしれないから武器とアイテム関係のチェックも済ませた。毒薬が少し心許ないか? 補充しておく。

 準備が出来たら、夢守のペタと夢のミミズク幻獣のミミーにひと声かける。

 後は俺と相棒が同じ夢に入れるように、『夢会い草』を一緒に口に入れて睡眠設定をすればいい。


「……パヤヤ島のアーチの方が楽かもな」

「確かに。ちょっと出かけないとだけど、夢に入るのは潜るだけで済むもんね」


 ゲーム内睡眠開始。

 視界が暗転して……意識は直ぐに浮上する。


 明度が反転している寝室で、寝入った時と同じ姿勢で2人で目覚めると……部屋にはペタとミミーがいた。


「ホー……夢を狩り、主を夢から護りて生きる夢魔。お会いできて光栄の極み」

「肯定。ペタちゃんは夢魔の夢守。そちらは夢の幻獣か?」

「ホーウ……然り。夢を渡り夢の案内を担うか弱き幻獣である。我ら同じ主を頂く身なれば、恐らく今後も共に夢路を行く事になるであろう。主に賜りし我が名は『ミミー』。何卒、よしなに」

「肯定。ペタちゃんはミミーを歓迎する」


 へぇ、意外と相性は良さそうだな……夢の中ならって注釈はつくだろうけど。

 なにせミミーが、夢の中だと目がパッチリ開いていてしっかり起きていそうなのにこの口調だ。……多分、夢に入っていない時の様子じゃこうはならない。


「じゃあ行こうか」

「ホー……如何なる夢を所望する?」

「えっとね……錬金術士が何かしてそうな夢を見て回りたい。何か周りに迷惑かけそうな事をしてるかもしれないから」

「ホーウ……レンキンジュツシとは何ぞ?」

「あ、そっか、そこからか」


 ……なるほど、夢の幻獣って夢のフィールドが生息域だから、ヒトの子の文化に疎いタイプの幻獣になるよな。

 夢の幻獣がいるからって、直ぐに手がかりに直行出来る訳じゃなさそうだ。NPC相手に噂を集めるのと同じように、ある程度段階を踏まないといけないのかもしれない。


 キーナが『大体こんな感じ』と錬金術士についての説明をすると、ミミーはクルリと首を回して少し驚いた顔をした。


「ホホーウ……手製の泉を火で熱し、沸かした湯の中で様々な物を掻き混ぜ、その湯を水晶の殻に詰めて持ち歩く……なんと面妖な」

「……そうか、ヒトの文化を知らない野生動物に説明するとそうなるのか」

「僕頑張った」


 まぁザックリしてるけど概要は伝わってるから良いんじゃないか?


 ミミーはしばしクルクルと首を回して……何かを見つけたように視線を一点で固定する。


「ホーウ、見つけた。夢路を開く。御注意されたし」


 ホーウ! と、ミミーが一際強く鳴く。

 すると、空間がグルリと渦を巻き……その渦が広がるようにして穴が開いた。


 暗く沈んだ俺達の寝室とは一転。穴の向こうは明るいらしく、穴から光が溢れ出てくる。


 穴の向こうに見えるのは……台の上にうず高く積み上げられた様々な草や根、そして吊るされた肉と骨。

 そして明るい空間の中央で、湯気の立つ大きな鍋を掻き混ぜている何者かの姿。


「イーッヒッヒッヒッヒ……よぉく煮詰まって来たわい。ここまで来れば完成までもう少しじゃ……」


 その何者かは、細かく刻んだ葉が入れられた容器を手に取って嬉しそうに笑う。


「これを入れて、じっくり煮出せば長年の悲願はすぐそこじゃ……」


 ニンマリと笑った何者かは、力強く手にしたお玉を振り上げて叫ぶ。



「待っておれよ我が孫よ!! この開拓地の食材を用いて、世界一美味いババのお手製シチューを味わわせてやるからのぉ!! おぉ、おぉ、開拓に志願して良かったわい! 村が災害に巻き込まれて長くひもじい想いをさせてしもうたからのぉ!! これがご馳走じゃという物を食わせてやるからのぉ!! イーッヒッヒッヒッヒ!」



 ……俺達は、独特な笑い声を上げる実に嬉しそうな婆さんの姿に微笑ましい気持ちになり……そっと夢路を閉じた。


「……惜しかった」

「うん、惜しかった。というか大体あってたよ。料理は『台所の錬金術』って言うじゃん」

「だな」


 この調子で探せば錬金術士にも辿り着けるだろう。たぶん。


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― 新着の感想 ―
あけましておめでとうございます ちょろっと違ったけど、大筋は間違ってないフクロウちゃん。
あけましておめでとうございます。 ババの夢が正夢になりますように!
元日からお楽しみをありがとうございます! 今年もよろしくお願い致します。 良いおばあちゃんだ…夢の中なのが残念、是非起きてからも実現させていてほしい…!! 声が出る形の初笑い頂きました〜♪
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