キ:そして授かるお礼の品。
ちょっと短めです。
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相棒に黒いポメラニアンのケルベロス、通称ポメベロスの先輩が出来てほっこりしてからリアルで3日後。
その先輩が、それはそれは誇らしげに胸を張って僕らの拠点にやって来た。
「我々の活躍により!」
「無事に悪魔の卵は孵り!」
「早速研修期間に入ったのである!」
「「「死の神サマは大変お喜びなのだ!」」」
おおー、そこそこ早かったね。
夢守の卵を豆でインスタントするよりは時間かかったけど、それでも魔武器とかよりはずっと早いから、本当に信仰心の高い信者さんの所を重点的に周ったのかもしれない。
ポメベロスちゃん達もしっかり褒めて貰ったらしく、喜びに満ち溢れているし毛並みはつやつやしていた。
「どんな悪魔だった?」
「丸い水槽から細長い手が数本生えているような」
「奇っ怪な姿の悪魔であったぞ!」
「水槽の中は紫色の水であった!」
……うん? それって死の海の水と、あのヒドラみたいなお手々かな?
外見イメージがこっちの世界の死のサポート役で生まれてきたっぽいねぇ。まぁ死の神サマのサポートをするから、何も間違ってはいないのかな。
「実に器用にペンを扱うので、死者のリスト化もお手の物であった!」
「死の神サマは大歓喜して仕事を教えておられた!」
「そしてなんと! 実に700年ぶりに仮眠を取ることが出来たのである!!」
「「「告死獣一同! 眠りを妨げぬよう無言で喜んだ!」」」
脳内に……無音の中、たくさんのケルベロスが机に突っ伏した死の神様を囲んで、無言で尻尾ブンブンしてる姿が思い浮かんだ。この想像は外してないと思う。
「それは良かった」
「それでも仮眠かぁ……はやくしっかり休めるといいね」
僕らがそう言うと、ポメベロスちゃんは「うむ」としみじみ頷いた。
「と、いうわけで!」
「死の神サマへの多大なる貢献を評価し!」
「お前達へ、規定に則り褒美を授ける事になった!」
「「「まずは、これがその通知である」」」
僕と相棒に1枚ずつ手渡された羊皮紙を見てみると……そこには滅茶苦茶ビジネス感のあるそれはそれは丁寧な文章が、神経質な程に整った字でみっちり書かれていた。
「えー……要約すると、『とても助かって感謝の極みなので、とても助かった時用のお礼ルールにならい、ご褒美アイテムをあげます』って感じかな」
「……というか、まずこの手紙がそこそこ強力なアイテムなんだが?」
【死の神の礼状】…品質☆
本国の死の神に多大なる貢献をした証。
受け取った本人の所有扱いになっていれば、本国の神々NPCの好感度が僅かに上昇する。
手放すと死の神からの好感度が大きく下がる。
「……これアレじゃん、説明文がお貴族コレクション小勲章の神様バージョンじゃん」
「……つまり神コレもあるのか」
「「「そして、これがご褒美である!」」」
そしてポメベロスちゃんが渡してきたのは、細身の黒い革ベルトのようなアクセサリーだった。
【死の神のお墨付き】
本国の死の神が目をかけている証。
装備していれば、本国の神々も邪険には出来なくなるだろう。
死の神を信仰する者からは尊敬の念を得られ、好感度が大幅にアップする。
「おおー、金具はシンプルで革ベルト部分に模様が入ってる。カッコいい」
「……これはどこに着ける物だ?」
「どこでも良いぞ!」
「頭でも首でも腹でも前足でも後ろ足でも!」
「神々の御前へ出る時は正装として着けると良い!」
ふむふむ、長さは調整出来るから装備に似合う場所に着ければいいかな。
「……ネビュラ的には、俺がコレ着けても気にならないか?」
「特にならんが? 異世界の神々の流儀は我ら精霊には関係の無い事。それを着ける事で何か良い方向へ進むのなら着ければよかろう」
死の精霊的にも問題は無し、と。
まぁこっちはヒトがいなかった世界だもん、勲章みたいな意味合いの装備品なんて興味無いよね。
それにどうせ、相棒は精霊牙の短剣持ってるし。目をかけられてるって意味では、こっちでの同列アイテムをもう貰ってる状態だもんね。
(まぁ、首輪着けてれば他の神様から野良犬扱いはされないって事かな?)
(首輪扱いで草)
だって相棒が告死獣見習いだもん。たぶん間違ってないと思うよ。
次回掲示板を挟んでから春イベント関係を始めます。なので、ちょっと2日ほど休んでピリオノートと掲示板の様子を見てきます。




