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ユ:瓶詰展示会の結果と……

やはり慌てて後書き書くと分かりにくいですね。

今回が、流れそのままにして後回しになってた瓶詰結果回です。


 ログインしました。


 今日は瓶詰展示会の結果を取りに行こうと思う。


 ユーザーイベントだから、各拠点に結果がお届けされたりはしない。

 イベント終了直後は混み合っていそうだから少し間を置いていたが、そろそろ良いだろう。


 売り上げの回収は変装して行く事になるから、お年玉の注意喚起関係が実際に起きるかもしれないが……まぁ起きたら起きたで、情報は得られるからな。全年齢ゲームだから、リアルの身の危険があるわけでもないし。


「そう考えると……僕ら、普通モードと森夫婦モード切り替え出来るの強くない? たぶん変装してない状態だと死霊魔法使いだって認識されないもんね」

「まさかの最適解だと」


 その分面倒も多いけどな。



 というわけで、まずは変装して声変わりシロップを飲んでサウストランクへ。


 イベント会場はすっかり片付けられていて、広いホールには諸々の受け渡し所が作られている。

 そこへ行って割符を渡すと、NPCが木箱の中から俺達の物を探して持ってきてくれた。


「はい、こちらです。瓶詰は完売しましたので、手数料の1割を除いた売り上げ金になります」

「「うわ」」


 夫婦揃って思わず声が出た。

 なんだこの大金。

 いつだったか拠点の木材が大量にオークション状態になった時よりもさらに多いリリーがやってきた。


「桁間違ってません?」

「いいえ、大丈夫です」


 買ったプレイヤーの懐が大丈夫じゃなさそうなんだが?

 ……まぁそれでも新種のマンドラゴラの種ってなれば欲しいプレイヤーは多いのか。

 マンドラゴラ素材は、薬関係の素材としてはかなり優秀らしいからな。需要は高い。

 既出のマッシラゴラの種まで一緒に売り切れてるとは思わなかったが。


 売り上げを受け取った俺達は、ひとまず拠点へと帰還した。


「宝くじに当たったみたいになってる」

「……まぁ、ちゃんと需要のある商品の売り上げだから」

「リアルでこんな大金あったら仕事行かないでずっと相棒と離れずに暮らせるのになー!」

「それな」

「まぁ宝くじ買ったことないけど」

「どうせ当たらんから」

「ね」


 さて、次は入札した結果の確認だ。

 森夫婦との関連を誤魔化す意味も含めて、飲んだ声変わりシロップの効果が切れるまで待ってから、再びサウストランクの会場へ。


 入札結果も、金額を書く紙に付いていた控えがあるから、それをNPCに渡す。

 それを見てNPCがリストのような物をチェックし……奥から木箱を持ってきた。


「こちらが入札が通った瓶詰になります」


 通ったのは……『ピュアスライム』と『ベラドンナの種』、それから防護マスクのような『爽やか草のヘルメット瓶』。


「あー、クラウドバロメッツはダメだったかぁー」

「残念」


 まぁそもそもバロメッツが新種だったしな。

 俺達のマックラゴラの売り上げを思えば、100万リリーじゃ全然足りなかっただろう。


 ……そこまで考えて、ふと違和感を覚えた。


「……あの」

「はい、何でしょう?」

「売り上げも購入も、同時に処理してますけど……購入より先に売り上げの受け取りが来たらどうなるんですか?」

「お客様にストレスフリーな手続きをしていただくために、当商会にて一度同額で買い上げている扱いなので、購入金額は問題なくお受け取りいただけます」

「「ヒェ」」


 ……どんだけ金が動いてるんだこのイベント。

 そしてパピルスさんのゲーム内資産はどうなってるんだ……


 俺達が引き気味なのを知ってか知らずか、NPCはニコニコと爽やかな笑顔を崩さない。


「『クラウドバロメッツ』は高額品でしたので、キャンセルチャレンジも可能ですがいかがしますか?」

「キャンセルチャレンジ……?」

「最高金額での入札者が支払い不可によりキャンセルされた場合、次に高額な方でキャンセルチャレンジを申請された方へ連絡を行う事になっております」

「なるほど……んー、今回はやらないです」

「かしこまりました」


(たぶん個人メッセージで連絡が来るんだと思うけど……面倒くさい。どうせ100万だと2番手でもないだろうし)

(うん)


 しかしそれでも売れ残ったらどうするんだろうか……いや、パピルスさんならそこから利益出しそうだな。高額って事は、需要はあるし、おおよその相場も入札で見えてるはずだ。


 購入が通った瓶詰に代金を支払って、俺達は今度こそ拠点へと帰還した。



「ふふふ、クラウドバロメッツは無理だったけど、ピュアスライムちゃんは通って良かった。名前何にしようかなー」

「良かったね」


 俺もベラドンナの種を畑に植えないとな。

 普通の土と、地面に直植えと、両方やろう。


「……そういえば途中から忘れてたけど。怪しいNPCとかいなかったね」

「いたよ」

「え、マジ?」

「マジ」


 遠目にだが、【感知】スキルに引っかかった怪しいNPCはいた。


「遠目の建物の影からこっちを窺ってた。変装してた時だけだから、変装解除してればたぶん大丈夫」

「うぇえ〜マジかぁ〜……人目が多いと何もしてこないのかな?」

「かもしれない。人の少ない所歩く時は気を付けて」

「分かったー」


 まぁ森夫婦状態の時は大体俺と一緒だから、大丈夫だとは思うけどな。


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― 新着の感想 ―
パピルスさんのリアルが気になり過ぎます……
「ずっと相棒と離れずに暮らせるのになー!」 相変わらずの中でほっこりしました。 ユーレイなら拠点とか堅実な使い方しそうだけ、キーナの事だから、何か面白そうなことを見つけて今回の売上分を消費しそう。 ※…
パピルスさんプレーヤーの中で一番多くの資産を持っていそう。 更新ありがとうございます。
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