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ユ:もうひとつの望みと、準備の開始

総合アクセス数が1000万超えていました。

気が付けば桁が上がっていて驚きました。とても嬉しいです。いつもありがとうございます。

閲覧、ブクマ、評価、感想、いいね、等とても励みになっております。


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 大霊廟について、城からの返事を待って数日。

 その間にハロウィンパレードと秋イベントは無事に終了して、キーナのオバケ達もゴキゲンで拠点へ戻って来た。


「楽しかっター!」

「おー、よかったねぇ」


 報酬は季節イベントにお馴染みの、景品交換用ポイント。

 交換リストにトゥティノコゥの肉があったから、それと交換して御褒美焼肉。拠点の皆で満足するまで美味い肉を貪り食った。

 秋イベントの締めとしては最高だったな。


 そしてジャックは、パレード主催の城から厚めの封筒をひとつ預かって来ていた。


「魔術師団長さんからダッテ」


 中に入っていた手紙によれば、騎士団長が急ぎで本国の王城へと詳細を伝えて、無事に国王陛下より決行の許可を得る事が出来た事。

 そして、召喚と鎮魂の遂行については『『魂呼びの魔女』より契約書を託された者に一任する』として、国王直筆の委任状が同封されていた。

 ゲームだからか下っ端も下っ端な冒険者に委任状まで持たせるのに躊躇いが無いな……それとも、偉い人からの評価がそこまで高くなっていたのか。それなりに貢献している自覚は一応ある。


 そして……手紙にはまだ続きがあった。



『可能であれば、聖女アリリアを同行させてやってほしい』



 被害者の遺族ということで、聖女には今回キーナが引いたクエストについて伝えたらしい。

 その結果、聖女本人も大霊廟内へ同行して花を供える事を強く望んでいる。と、手紙には書かれていた。

 ただし、あくまでも囚われた魂の解放が最優先であるため、委任された者が厳しいと判断した場合は諦める、とも。


 ……つまりは、ダンジョン召喚後に突入する時。NPCの護衛要素が追加されてクエストが高難易度化するんだろう。


「……連れて行ってあげたいなぁ」

「まぁね」


 ただ……俺達は森夫婦として行くと、名前バレを防ぐために同盟以外の他プレイヤーとパーティが組めない。パーティを組むとシステムに名前が出るからな。

 召喚するダンジョンは、砂漠の地下塔と同じなら通常のダンジョンと同じくパーティ別の処理になるはずだ。だからパーティを組んでいない他プレイヤーと一緒に行くことは出来ない。


 ……サーカスの時の鏡の中は、地味にオープンダンジョンだったんだよな。

 都合良く、召喚したダンジョンがオープンダンジョンだった、なんてことは早々ないだろう。


 だから、もしも俺達だけで厳しそうなら……同盟メンバーに協力を仰ぐ必要があるな。


「まぁ、中に出るアンデッドのレベル次第だよね」

「それな」


 砂漠の地下塔みたいに敵のレベルが100を超えてるような高難易度ダンジョンだったら、聖女を連れて行くどころか、同盟メンバーの力を借りたとしてもそもそもクリア自体が難しい。


「あとは……アンデッドがどれだけ怖い見た目してるか次第……」

「うん」


 相棒にとってはそっちの方が重要か。

 全年齢のゲームだから、そんなにグロい見た目の敵は出ないはずだけどな。


 そういうわけで、NPCの……世界観的に偉い人のお墨付きを物理的にも得た俺達は……さっそくカステラソムリエさんに一報を入れた。



 * * *



「スパン短かったなー」

「……スパン?」

「ダンジョン召喚のスパン」

「……あぁ、そうですね」


 そういえば砂漠のダンジョン召喚は夏イベントが終わった後だったな。今は秋イベントが終わった直後。確かにスパンは短かった。


 前回と同じように、拠点に来てもらったカステラさんに経緯を説明する。

 城でのやりとりや、聖女が同行したがっている件もついでに伝えると、カステラさんが「あー」と唸り声を上げた。


「それは……ちょっと声かける面子考えた方がいいな」

「前回御一緒した人達じゃまずいの?」

「聖女関係はガチ勢が親衛隊クラン作ってるから、そこに知らせておかないと後々面倒なことになりそうなんだよ」


 あぁ、そういうのがいるのか。

 本当にエフォ(EFO)のアイドル枠なんだな。


「親衛隊クランのリーダーは良心的だって聞いたから、ちょっとそこに繋ぎ取れるか相談してみるわ。詳細詰めるのはその後だな」

「……いつもありがとうございます」


 カステラさんのコミュ力、マジで助かる。


 そんなカステラさんは、ハロウィンパレードで魔女に会ったものの、幽霊系にはいまいち食指が動かず特に要望を出さなかったらしい。


「そっちの旦那の方は?」

「……俺はコレですね」


『死の狼精霊』とのやり取りを話しつつ、貰った牙を見せた。


「うわ、品質高っ! かなり強い武器素材じゃねぇの?」

「……かもしれないですね。短剣にしようとは思ってるんですけど……」

「けど?」

「……職人探さないといけないんで」


 ジャックに頼もうかと思ってたんだが……ジャックは元が炉の精のなりそこないで金属加工に馴染みがあるだけで、牙をそのまま短剣にするような加工は自信がないとの事だった。

 ずっとデューのために作ってたのも鎧だしな。【武器製作】のスキルがそこまで高くないから、高品質素材の加工だと腕不足だって事なのかもしれない。


「信用できる高レベル武器職人ってなら、『モロキュウ冒険団』に頼んでみたらどうだ? グレッグと知り合いなら連絡も取れるだろ」

「……あぁ、いいかもですね」


 そうか、グレッグさんの所か。

 前回のダンジョン召喚で使った剣を作ったのもそこの人だったな……ちょっと訊いてみるか。


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― 新着の感想 ―
聖女ちゃんに悲しい過去…とかされたら親衛隊も多少は干渉を自重しそうではある
アイドルガチ勢こわい…… 安心と信頼のグレッグさんだ!となると「ばあさん」に頼むのかな?
 親衛隊呼んじゃ駄目な気がするけど。聖女の両親が死んだ案件でしょ?しかも国王認可な案件ですよ。聖女ファンという外野を呼んでどうするのよ。
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