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キ:イベント観戦に行こう


 さすが僕が呼んだオバケというか主ナイズというか。

 ジャック達は露店広場を満喫したら、ひとまずお出かけは満足したらしい。


「色は違うケド、海は近くにあるシ」

「あのような催しはたまに赴くのが丁度よいデスナ」

「お洋服が上手に出来たら、時々売りに行きたいです」


 そうだね、賑やかなのは面白いけど疲れるよね。


 ひとまず花火は一緒に行くことにして、僕らはいつも通り二人でイベント期間を楽しむ事にした。



 そんなわけで、今日開催のイベント内容をチェック。


「本日の催しは、『海の安全祈願トライアスロン大会』です」

「運動会かな?」


 公式の説明によると、『海へ進出した際の安全を祈願して、陸と海をコースに競争を行い、1位の選手の名前を港で建造する最初の大型船の名前にする』という趣旨のイベントらしい。


「験担ぎ的なやつか」

「だねぇ」


 参加するだけでかなりのイベントポイントが貰えるし、もちろん入賞すればもっとたくさんのポイントが貰える。


「コースは……港建築現場からスタートして、大森林をぐーっとUの字に走って、次は海を真っ直ぐ泳いで、最後は従魔か召喚獣に乗ってUの字に走って帰ってくる」

「ほー……つまり騎乗できる当てが無いと参加出来ない?」

「パーティメンバーから借りてもいいんだって。どうしても用意出来ないけど参加したいって場合は、ピリオの馬を借りられるって書いてある」

「なるほど」

「走り方とか泳ぎ方は自由なんだけど一応ルールはあって……最初の陸路は地中か地面を進む事、飛んじゃいけない。次の海路は水中か水面を進む事、飛んじゃいけない。最後の陸路は騎乗さえしていれば飛んでも走ってもいい。ショートカットは禁止、だって」

「……へぇ?」

「魔法の使用可。バフ魔法の使用可。各種飲み薬の使用可。武器・投擲アイテムの使用は禁止」

「ドーピング有りかよ」


 カオスの予感しかしないねぇ。

 なお、この手のイベントはNPCは出場しないらしい。誘っても断るんだって。

 ちょっとワクワクしている僕に、相棒が訊いてくる。


「……まさかとは思うけど、出たいの?」

「いやいや、まさか」


 まさかまさか。スポーツ大会は見る専でお願いします。

 大一番の大会とかは苦手。


「見たいだけだよ。面白そうだから」

「……ああ、観戦席が用意されてるのか」


 簡易アリーナみたいな会場が作られて、そこにいつぞやの使徒がやったみたいな映像スクリーンぽい投影を魔法でやってくれるんだって。


「……混みそうだな」

「まぁね。……でも見に行きたいなぁ……ダメ?」

「……まぁいいよ。せっかくイベントだし、魔法有りなら色々参考になるかもしれないし」

「ありがとう! 好き!」


 後日公式動画とかは出るんだろうけどね。

 イベントなんだからリアルタイムで見たいじゃない?



 * * *



 というわけで飛んできた港予定地。

 今日は観戦だけの予定だから、変装は無し。


 イベント案内によると今は参加受付中らしいから、その間に飲み物とか軽食を用意しておこう。


(デューが買ってたジュースのお店、今日もあるかな?)

(ああ、あれ良いね)


 バケツサイズじゃなくても、果物ジュース美味しかったから観戦のお供にほしい。

 見つけたお店はジュースの他にアイスキャンデーも売ってたから、ついでにお土産に買っておく。


「何にしようかなー……無難にオレンジかなー」

「……炭酸は無いか」


 二人でオレンジジュースをお買い上げ。

 後は近くの屋台で塩焼きうどんっぽい物を売ってたから、軽食に確保。


「近い内にお好み焼きあたりは出てきそうだねぇ」

「もう探せばどっかにあるんじゃない?」

「えっ、かつおぶし無いのに?」

「……踊るかつおぶしは別にお好み焼きの本体じゃないんじゃないか?」


 まったりお喋りしながら歩いて、クレープも見つけたからお買い上げ。


「でも本当、屋台の種類増えたよね」

「だね」

「海辺だし、海鮮系もその内増えるかな?」

「かもね、釣りしてる人見えるし」


 そういえば釣りクエストとか釣りイベントもあるんだっけ。

 釣りはその内やりたいなぁ。釣竿売ってたら買っておいてもいいかもしれない。


 さてさて、買い出しはこの辺にして、そろそろ海辺のアリーナへ移動しよう。


 アリーナは、海を背にした石のステージがあって、それを見る用に階段状の席が同じ石で作られている。何もイベントが無い時は休憩のできる公園みたいになるのかな? 

 ……ただ、そんなに広くないけど、プレイヤー収まるのかな?

 なんて心配したけど、ある程度の人数が入ったら別部屋扱いになる仕様なんだって。ステージだけは全部屋に共通で同じ物が表示される。

 あんまり広すぎても投影が見えにくくなるもんね。そこはゲームならではの対策。


 僕らが入った所は、まだそれなりに席に空きが多い状態だった。

 これ幸いと隅っこの空いてる所に陣取る。


「クッションとか作ってくればよかったね」

「あー……布くらいしかないな」


 まぁ無いものはしょうがない。

 インベントリの布でガワは作れない事もないけど、どうせ中身の綿が無いし。今回は諦める。次はちゃんと用意しよう。

 それこそインベントリ使えば荷物の量は気にしなくていいんだし、野営にも便利だから座布団みたいな物は常に持ち歩くと良いかもしれない。


 なんて考えていたら、ステージに……運営スタッフなのかな? ピリオの腕章をつけた兵士が何人もやって来て準備が始まった。

 ……あれ? 見覚えのあるフェアリーもいる。


「……あーあー、テステス」


 マイクテストならぬメガホンテスト。

 そして四角い投影スクリーンみたいな魔法がステージ上の空中に浮かんだ。


 そろそろ開始時間だね。


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綿代わりに羊毛でいけないかな〈クッション
死の海で釣りしたら何が釣れるのかナ?
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