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ユ:調合チャレンジ


 相棒が買い物に出ている間、俺はいつぞや買った初心者向け調合セットで素材をこねくり回していた。


 闇討ちが基本スタイルの俺は、色んなゲームで毒をよく使う。

 そしてつい最近、イチコロキノコなんてお誂え向きの素材が手に入ったわけだ。


「粉にするなら乾燥させた方がいいかな」


 キノコ自体がかなりしっとりしている。


「風? 火? ……風かな。【ウィンドクリエイト】」


 水分を飛ばすイメージで【風魔法】を使うと、本当に水分が飛んでキノコがカサカサになった。

 結構好き放題できるな、このゲームの魔法。


 薬研でゴリゴリと乾燥イチコロキノコをすり潰して粉にする。時間をかけて、風に飛ぶくらい細かい粉末にする。

 ある程度の量になったら、試験管に入れて蓋をした。



【イチコロキノコの粉末】…品質★★★

強い魅了と猛毒の粉末。吸い込むか飲むかすると、魅了と猛毒の状態異常にかかる。



 よし、いいな。

 微睡(まどろみ)草とネジネジドングリも同じように、乾燥からの粉末化をしてみる。



微睡(まどろみ)草の粉末】…品質★

眠気を起こす粉末。多量に吸い込むか飲むかすると、睡眠の状態異常にかかる。


【ネジネジドングリの粉末】…品質★

吸い込むか飲むかすると目眩を起こす粉末。



 うーん、こっちの二つは単体だと効果があと一押し足りない感じがするな。

 ……混ぜてみるか。



【昏倒の粉薬】…品質★

吸い込むか飲むかすると目眩と意識の低下を引き起こし、立っていられなくなる粉薬。



 うん、これなら良いな。

 同じように試験管に詰める。


 あとは……ああ、コレもあったな、【千夢の果実】

 これは単体で強い幻覚を見るらしい。

 でも相棒が飾りたがってたし、そうなると数が少ないからな……ちょっと趣向を変えてみよう。


 乾燥させずに生のまますり潰して……ドロッとした物を小鍋で少し煮詰める。トロみが強くなったら火から下ろして、軽く冷ましてから矢の先端に塗る。



【幻覚の矢】…品質★★

命中すると傷から薬がまわり、強い幻覚を見る矢。

火や水をかけると効果は無くなる。



 よしよし、割と使える物ができたぞ。全部インベントリに入れておこう。


 そして作業していると、俺も【調合】のスキルを習得した。

 何回か作れば、魔法や建築みたいにレシピを保存からの即作成ができるのか。毒はたくさん使うだろうから、助かる。


 色々やっていたら、相棒が帰ってきた。


「ただいまー」

「おかえり」

「良いもの買ってきたよ!」

「何?」

「まずこれ、はい」


 渡されたのは、マヨネーズとケチャップ。

 ……あったのか。いや、NPCの食料品店には無かったよな? えっ、プレイヤーメイド?


「わざわざ作った奴がいるのか……」

「いるんだろうねぇ」


 そのうちウスターソースとか焼き肉のタレとかも出てきそうだな……


 そんな話をしている間に、相棒は裁縫道具で黒い布を何かしている。


「何それ?」

「ちょっと待ってね〜……はい、合わせてみよう」



【黒い覆面】

顔の下半分を隠す覆面。埃や粉塵にも安心。

製作者:キーナ



「おお!」

「ふふふー」


 相棒!

 俺は人嫌いの一環なのか、顔を半分隠していると落ち着く質だ。マスクとかな。

 覆面は実に助かる!

 アクセサリー枠で、頭装備ではないな。


「どう?」

「うん、カッコイイ。じゃあそれ着けて露店行こうか!」

「えっ」


 なんで!?


「だって、キツネの毛皮装備注文しなきゃでしょ? 相棒のなんだから、相棒が詳細詰めなきゃ」

「……相棒は作れない?」

「スキルがあっても経験ゼロだから、今の装備より弱くなると思うよ」

「……ソーデスネー」


 くっ、仕方ない……まぁ覆面着けてれば顔は割れないだろ。


「……プチ整形ボタン有りでキャラメイクしたのに?」

「それとこれとは関係ないんだ」


 言っておくが、犯罪歴は無いぞ。断じて。


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