災いの火種
薄らと青白い月明かりが差し込む暗闇の中でジョルジュは目をカッと開く。
「マ・カロン、起きるでふぅ!」
瞳が緊急を示すモードに変わっていた。
「ああ、起きてるぜ、相棒!」
すでにマ・カロンはベッドではなく、窓側に座っていた。
隠す気もない禍々しいオーラが街の中央から放出されていることは察知していた。
「蟲族のオドのようでふぅ!」
警戒色に紅く眼が染まっているジョルジュに背を向けたまま、マ・カロンは答える。
「だろうな、古代の結界が弱まっているとは聞いていたが、あからさまな奴が入り込める程とはな。」
マ・カロンは窓の外を見つめている。
「それにランチェとミーナの気配も近くにあるようでふぅ。」
警戒モードは依然として続いている。
「ああ、分かっている……、予測はしていたことだが、いざとなると気が重くなる。」
マ・カロンはゆっくりと立ち上がる。
サッと手をジョルジュに向けて差し出す。
「行くか!」
フワッとジョルジュが浮かび上がると、マ・カロンに向けて瞬間移動にも見えるほどの速度で飛んでいく。
バシッと受け取ったマ・カロンはゆっくりとゆっくりと警戒モードの赤い光が収まるのを確認しながら、ジョルジュを首にかける。
すると、服装が純戦闘モードの黒に瞬時に変わる。
装着完了の蛍光グリーンに光るラインが収まる。
「師匠としては、信じてやりたいな。」
ぼそっと呟くと、カーテンだけで外界と遮断されている窓から身を乗り出す。
「少なくともな…。」
マ・カロンは勢いよく飛び出した。




