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「お~きて!!彼氏くん!」
「んん゛、、、」
そろそろ授業が始まってしまうのでこのねぼすけを起こさないといけないのである。空きコマに一緒に勉強をしていたのだが、気付けば彼氏くんは横で寝落ちしていた。
「もう、ほっていくよ!そろそろ始まるから、、、」
「やだ、も、起きるからぁ、、、」
今日は相当疲れてたのかな、いつも授業は始まる数分前には到着してるし、きちんと課題もこなす人だ。休み時間くらいゆっくり休むべきだったのかもしれない。
「目、閉じてるよ。」
「だって、、、」
可哀そうだからこのまま寝かせてあげたい気持ちは山々なのだが、、、、でもこれは最終手段を使うしかない。
「んっ、、、」
柔らかい唇。長い睫。色白い肌。ついでにこの眼鏡が最高。性癖に刺さります、こんな彼氏をくれて神様本当にありがとうございま、、、
じゃなくて!!オタクが炸裂してしまった!!
「...なに、して!!//」
目の前には、顔を真っ赤にして目を見開く彼氏くん。可愛すぎる。口を抑えて俯く加減がまた最高。というか、よくあるおとぎ話の愛する人のキスで起きるっていう話はこのことを言うのかな、と考えを巡らせていた。
照れている姿を微笑ましく思ってしまう。普通目覚めのキスって王子がやることなんだよな、、、
「まぁ、いいよ。彼氏くんは可愛いから嫁に貰う予定だから。早く授業行こう。」
「う、うん、、、! ていうか、、、ぼくが嫁?」
動揺する彼氏くん。あーかわいい一家に一台欲しいくらいの愛おしさ。守りたい、この尊さ。可愛いは正義です。
「そう、、、だめ?♡」
「全然いいよ !」
かわいい、この子は基本なんでも私のお願いごとは聞いてくれる。真意を知ったらびっくりするだろうけど。
「もし結婚したら、可愛いお嫁さんの姿いっぱい見せてね♡」
「うん!」
よし、これで嫁にすること確定。私の完全勝利だ、と勝ち誇った私の脳内では、彼氏くんのいやらしい姿が妄想されていた。そんなことをする私をよそにして、恥ずかしそうに私の手をぎゅっと握ってくる彼氏くん。思わず邪な思いを抱いてしまったことを深く反省し、まだ穢してはならぬ、と心に決めたのだった。