1
「よし、行こっか!」
「うん。」
いつものデートなう。私と彼氏くんは付き合ってもう少しで三か月になる。
自分たちはもう大学生であるので、世間的に見れば十分にあれをしてもおかしくはない期間とある。
腐女子である一面を持つ私にとっては、当然そういうのにも興味がある訳で。
えい、ならば私からそういう雰囲気の沈黙を作ってやる。
「、、、」
「、、、」
いやいや、何か反応してよ、、、
って。まぁそんな事は彼氏くんには無理に決まっているか。ナンパ(初めての食事の誘い)もその後も基本的にこのイケメンな私が誘ってるし!!よし、ここは漢の私から。※違います
「ねぇ、彼氏くん。」
「どうしたの?」
「あ、、、あのさ、、、」
うわあわわわぁぁぁぁ!!! こんな所で急に恥ずかしくなってくるのって。本当にダメダメだぁ、、、でもここで行動しないと一歩前に関係が進まない。こうなったら、、、っ!
「、、、っ!」
ひと思いに彼の袖の裾を掴む。私はバクバクしながらとっさに下を向いた。
触ってもないのにこんなに緊張するものなの、、、!?
「失礼します、、、」
ぎゅ、とあたたかい手が私のに触れる。
ふと彼氏くんの顔を見ると、平然としているように見えるが、手はぷるぷる震えている。
やっぱり彼氏くんは天然記念物か?! うん、そうに違いない。だってこんなかわいい反応するわけなかろう。流石私の見立てた男ね。って、さっきまで腰引けてた奴が言う台詞ではないか。でも、やっぱり彼氏くんはどんなことをしてても、、、
「やっぱりかわいい、無理してるんでしょ」
突然顔を覗き込んでやった。すると驚いたような表情を見せてすぐに目線を逸らされた。
「そんなこと、、、」
やっぱり肝心な時には見てくれないよねアンタは、、、!! 前にも彼氏くんの動画を撮っている時にも、こっち向いてって言ってるのに横顔見せるばっかりだから。
まぁ、その横顔も含め全部好きですとも!!何てったって私は彼氏くんの限界ヲタクなのだから。
「だいすきだよ、彼氏くん。」
私はそっと呟き、ぎゅっと恋人繋ぎに握りしめ返した。これくらいは、できるもん、、、!
「ぼくも、、、」
ぼそぼそとそんなことを言いながら、照れた表情を見せる彼氏くんがただただ愛おしかった。